第34話 (9/12)
重い気持ちで、ルディは警察学校での研修を始めた。
ニューシティの市民を守るために必要な法律の知識を学び、講義では優秀な成績を収めた。
しかし、何度挑戦しても、引き金を引くことだけはできなかった。
射撃場で何時間も過ごし、ようやく落ち着きを取り戻すことができた。
同僚がルディの震える手を見て、呆れたように首を振った。「そんなんじゃ、絶対無理だな。」
ルディは銃を下げて後ろを向いた。
同僚はズボンのポケットから箱を取り出し、ルディに差し出した。 「これ、試してみろよ。」
それはタバコだった。
「結構です。」ルディは背を向け、再びレールガンで標的を狙った。
相手がどこからその品を手に入れたかなど、知りたくもなかった。
同僚はため息をついた。
「モノ一つ撃てないで、警官になれると思ってんのかよ? まったく、今どきは金さえ積めば誰でも通るんだな。」
その言葉に、ルディは怒りを覚えた。
「お前に何がわかるんだ……」
歯を食いしばりながら、震える手を必死に抑えようとした。
同僚は腕を組みながら続けた。「実技研修はまだ始まったばかりなのに、そのザマか。明日からは格闘訓練だぞ?もう諦めて経済学でも勉強したらどうだ?」
ルディの腕は止まらなかった。
彼は銃を降ろし、ぽつりと呟いた。「俺が、やりたいことを自由に選べるとでも思ってるのか?」