第34話 (4/12)
それからというもの、ルディは毎日午後を園香とふたりきりで過ごすようになった。ウェザロンもオミオもサロンに姿を見せず、お互いに顔を合わせたくなかったのだ。
もしルディがまだ園香との結婚を本気で考えていたならば、これは彼女にアプローチする絶好のチャンスだったかもしれない。しかしルディは、家族の結婚計画などとっくに心の隅へ追いやっていて、今や集まりに顔を出す理由はただ一つ――友達と過ごす時間が欲しいからだった。
だからこそ、あのふたりが来なくなったことを寂しく感じていたし、園香も同じ気持ちだった。
「ふたりとも会いたいな……」園香は、みんなでよく遊んでいたカードゲームの箱を手に取った。「休暇が明けたら、もうオミオの研修が始まるんだよ。このまま仲直りしなかったら……」
このままじゃ、オミオにはもう会えなくなる。ルディには彼女の言いたいことがわかっていた。訓練が始まれば、遊びやお茶の時間なんて与えられないだろう。喧嘩していなくても、収穫期以降は会うだけでも難しくなるのだ。
「ウェザロンってほんとに頑固!」園香は怒りながらカードの箱をテーブルに叩きつけた。「オミオならきっと乗り越えられるって言ったのに、目をそらしてばっかりで!」
「たぶん、そういうことじゃないんだと思う」ルディが言った。「彼は、ただオミオが傷つくのが怖いんだよ。」
園香は驚いたようにルディを見つめた。「ルディ、あなたから話してみてよ!」
「えっ、僕が? でも……なんて言えば……」ルディは不安そうに鼻先をこすった。「君の言うことも聞かなかったのに、僕の話なんて……」
「私は信じてる!」園香は強く言った。「お願い、試してみて!」