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第34話 (2/12)

 

 それからというもの、彼らは毎日午後に顔を合わせるようになった。

 ある日、ルディは少し早く到着した。自分が一番乗りだと思っていたが、驚いたことに、サロンの扉はすでに少し開いていた。

 中に入ろうとしたそのとき、オミオの声が聞こえた。

「ねえ、もし将来、僕たちが結婚することになったとしても……ウェザロンと一緒にいていいよ。」

 邪魔をしたくなくて、ルディは部屋に入るのをためらい、そのまま入り口で足を止めた。そこから、園香がパブロンを大きな目で見つめているのが見えた。

「親の都合で結婚ってことになったとしても……君には僕に対して義務なんて感じてほしくないんだ。」オミオは笑った。「君が彼のことを好きなの、分かってるから。」

 ルディは初めて、園香の頬がほんのりと赤らむのを見た。

 そして彼女はルディの存在に気づき、さらに真っ赤になった。「ルディ?!」

 オミオも振り返って、ようやく彼に気づいた。「はは、いつからいたの?」

 バツが悪そうにルディはサロンに入り、扉を閉めた。「えっと……ごめん、盗み聞きするつもりじゃなかったんだけど……」顔が熱くなった。「でも……」

 彼は園香のほうへ歩み寄りながら、ずっと本棚に視線を向け、彼女の目を見ないようにした。

「……もし僕たちが結婚することになったら、君がウェザロンと一緒にいても、僕は大丈夫だよ。」

 しばらくの間、園香は何も言えなかった。だが次の瞬間、彼女の目が潤みはじめた。

「……ありがとう、ふたりとも!」彼女はふたりに飛びつき、抱きしめた。「でも……そんなの、だめだよ! 不倫になっちゃう!」

 女の子にこんなに強く抱きしめられたのは、ルディにとって初めてだった。オミオも同じように息苦しそうにしていた。

 ルディが本気で「これは死ぬかもしれない」と思ったそのとき、ウェザロンが勢いよく入ってきた。

 スタージスの顔は、彼ら三人がぴったり抱き合っているのを見て、髪の色と同じくらい真っ赤になった。

 彼はまっすぐ彼らに近づき、叫んだ。

「園香に触るな!」


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