第32話 (5/6)
現在
モスは、フレームがシャンデリアから落下するのを目撃した。
彼はすぐに駆け寄り、受け止めようとしたが、そこまでたどり着けなかった。
途中で、二体の幽霊が立ちはだかったのだ――モスを乗っ取ろうとして。
モスは助走をつけて跳び上がり、自分のふくらはぎに手をかけてサンダーガンを引き抜いた。
モンスターに狙いを定めて、引き金を引く。
エンターフックが彼らの心臓に食い込み、電流を流し込む。
「ありがと、ダーリン!」ディリーが彼の脇をすり抜け、シャンデリアの真下へ滑り込んだ。
――間一髪。
フレームが彼女の上に落ちてきたのだ。
モスは一瞬ヒヤリとしたが、すぐにディリーが親指を立てて叫んだ。「大丈夫よー!」
モスは安堵の息を吐く。
だが休む間もなく、新たな幽霊たちが彼に向かって突進してきた。
モスは二体を撃破したが、三体目には間に合わなかった。
――だが、海野が間に合った。
彼がモンスターに電流を流し、モスを援護する。
「助かった。」
モスが礼を言うと、海野は眉を寄せて、やさしく笑った。
「あとで一杯おごってよ。」
そのとき、煙の中から新たな敵が現れ、彼らを襲った。
モスと海野は飛びのいてフックを引き戻し、サンダーガンに電流を走らせる。
次の瞬間、彼らは銃をムチのように操り、電撃のワイヤーで進路をふさぐすべての敵を感電させた。
連続の一撃で、複数の幽霊を炭のように焼き尽くす。
「ちょっと、みんな!」ディリーの声が鋭く響いた。
モスが顔を上げると――
フレームが彼女の頭にサンダーガンを突きつけていた。
今、電流を流せば、二人とも感電死するだろう。
「乗っ取られてる!」海野が叫ぶ。「どうする?撃つわけには……」
ジモンには、できた。
危険を顧みず、彼女はフレームに体当たりを仕掛けた。
その一撃でディリーは解放された。
フレームは今度はジモンに銃口を向けたが――彼女の方が早かった。
肩をつかみ、体をひねって、フレームを床に投げつける。
彼が床にたたきつけられると同時に、ジモンは彼の背中にブーツを押し当てた。
フレームはもがいたが、身動きが取れない。
その隙に、ジモンは彼の腕を狙ってサンダーガンのエンターフックを放ち、こう言った。「これで借り一つね、ゴスター。」彼女は電流を起動させた。
フレームの身体が何度か痙攣し――やがて、動かなくなった。
幽霊が抜け出し、霧となって四散した。