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魔物に育てられたこども  作者: 酒のムニエル
6/10

人間の街



ルゥ達が湖へ向かってるのと同じ頃、

魔物の森から一番近い人間の街、アストリアでは男の子たちが街の中心に集まり話し合っていた。


「今日はどこまで冒険にいく?」


「今日はアラン王子も一緒に遊ばなきゃいけない日だろ?あんまり危ないこともできないし少し退屈だよなぁ」


アルコス男爵の次男、バンが不満そうに漏らす。

バン6歳、エディ9歳。この兄弟がこの街の子供達の中では中心人物だった。


そんな話をしていると、アランともう一人同い年くらいの男の子を国王の側近が連れてやってきた。


「アラン王子!お久しぶりです!!今日遊ぶのをとても楽しみにしていました!」


バンが誰よりも先にアランの前に飛び出してきた。

お世辞が上手いのはどうやら、父親譲りのようだ。


「弟がいつもお世話になっております、アルコス家長男のエディと申します。本日は私もご一緒させていただきます」


「やぁ、バンいつも元気だね。エディも初めまして今日はよろしく」


6歳とは思えぬしっかりとした受け答え、さすが国王の息子だ。


「それより、アラン王子の隣にいるのは……?」


王子の隣にいたのはアルストリアでは見慣れない、黒髪に黒い目の子供。王子と同じぐらいの年齢に見えた。


「この子は、フィン。隣国から、魔術や魔道具を広めにきてくれたゼッセンハイト侯爵の息子だ」


ゼッセンハイト侯爵とは昔から少し変わり者で、外部との交流があまりないことで有名だったが、魔術や魔道具の製造はピカイチで一目置かれている存在だった。

息子がアランの同い年ということで目をつけられ、息子同士の交流も兼ねて、しばらく滞在することになったようだった。


「フィン・ゼッセンハイト。よろしく、エディ、バン。」


黒髪・黒目というだけで目立つ存在なのに顔立ちも整っている。それにアストリアでやっと流通し始めた“メガネ”なんてものもかけている。エディやバンは面白くなかったが、アランが連れてきたので、大人しく笑顔で握手をした。





「みんな、今日は護衛も下がらせているから気にせず遊ぼう。いつも僕といる時は安全なところで遊んでくれているだろう?」


アランが突拍子も無い提案をし始めた為、バン達はさっきの話を聞かれていたのかと一瞬驚いたが、フィンの方をチラリとみてほくそ笑んだ。



「そうですね!せっかく魔術が得意なフィンがいることですし、少し森の中までいきませんか?最近は魔物も全く現れないのでよく湖で水遊びをしているんです!」


フィンはバンの視線に気がついたようだったが、特に反応はしなかった。



「森の中の湖……楽しそうだし行こう!フィンもいいか?」


フィンはこくりと頷く。

その様子を見てアランは満足そうに笑った。フィンのかしこまりすぎていない、普通の友達のように接してくれるのをとても心地よく思っているようだった。



ニンゲンイッパイ

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