100万人記念特別コラボ配信! 21
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「【クレッセント・リッパー】!」
「ッ!?」
『隠密』&『急所』のダブル特効を上乗せしたラビリちゃんの大鎌が、ゲルナグラン・ディアボリカの首へと直撃した。
カサブランカさんと同じ『エクゼキューター』のサブ職業を持つラビリちゃんには、相手にターゲットを取られていない状態での攻撃に補正が入る『隠密特攻』と、急所への攻撃に補正が入る『急所特効』を備えている。
その上メイン職業である『グリムリッパー』の効果によって首への攻撃の威力が爆増し、その切っ先はゲルナグラン・ディアボリカの首に届いたのだ。
完全に意識外の一撃だった。
瞬間火力は、私の『ゴールデンアヴィス』シリーズにも劣らない威力だった。
だが───
「ギュルララララッ!!」
「なん、でっ……!?」
「止めた!?」
ゲルナグラン・ディアボリカの外骨格に食い込んだラビリちゃんの一撃は、奴の両腕の鎌によって止められていた。
ラビリちゃんのアビリティに反応したわけではない。攻撃を受けてからその刃が食い込む前に、超反応で止めたのだ。
複数の補正によって凄まじいエフェクトを迸らせるラビリちゃんの大鎌と、ゲルナグラン・ディアボリカの両腕の鎌との間で火花が散る。
しかし元々のSTRの差なのか、途中まで食い込んでいたラビリちゃんの大鎌は徐々にその首から離されていき───
まるで凍り付いたかのようにすべてが停止した世界を、黄金の光を纏った私は駆け出す。
【究極の神技───韋駄天】。全プレイヤー内最速たる私の代名詞でもあるこのアビリティを使うなら、この瞬間しかない!
効果時間はわずか5秒。
しかし永遠にもほど近いほどに引き延ばされたこの世界の中で動けるのは、【韋駄天】を発動した私だけの特権だ!
ラビリちゃんの大鎌とゲルナグラン・ディアボリカの鎌が拮抗したまま停止するその場所へ、私は駆け出す。狙うは、僅かに離れたラビリちゃんの大鎌……その一撃が付けた傷だ。
【極量閃舞】発動───すべてが停止した世界でなお分身して見えるほどの速度で振るわれた蟹鋼金箍による殴打が、ゲルナグラン・ディアボリカの身体を弾き飛ばす。
【旋閃崩壊】発動───黒紫のエフェクトを纏った私の貫手が、弾き飛ばされる途中であったゲルナグラン・ディアボリカの首の傷へと差し込まれる。
寸分たがわず傷口へとヒットしたことで、クリティカルが発生する。【旋閃崩壊】のクリティカルヒットの追加効果は、耐久値の全損だ。
目の前で外骨格が弾け飛ぶゲルナグラン・ディアボリカを見下ろしつつ、私が取り出したのは双頭剣アンフィスバエナだ。
【風烈砕撃】発動───超重量のアンフィスバエナが、局所的に起こったダウンバーストを纏って振り下ろされる。この一撃は、ボレちゃんの風を継いだ一撃だ。いくら女帝の眷属だとしても耐えられるものではない!
音もなく叩き込まれたアンフィスバエナから、確かな手ごたえが伝わってくる。それでもまだ両断できないとは……
けど───【ドゥルガースマッシュ】発動!
強力なノックバックを齎す多段ヒットの攻撃アビリティをもって、アンフィスバエナを振り抜く。
ついに両断されたゲルナグラン・ディアボリカの頭が、あらぬ方向へと飛んでいく。そこへアンフィスバエナをぶん投げて完全に破壊しながら、もう片方の腕で掴むのはゲルナグラン・ディアボリカの身体の方だ。
【究極の神技───韋駄天】を使用した状態の私と、ほぼ完全に停止している奴とでは速度の差は明らか。
さて、どれほどの威力になるんだろうか?
「“妖仙流柔術”───【黒旋颯】!」
刹那よりも遥かに短い時間の間に、ゲルナグラン・ディアボリカの身体は背中から地面に叩きつけられる。あまりの威力に地面が徐々に砕け、放射状のひび割れがゆっくりと広がっていくのを見つつ、私はバックステップを踏んでその場を離れる。
そして世界は速度を取り戻し───
「「「「っ!?」」」」
・!?
・はっ?
・えっ?
・何が起こった!?
【韋駄天】の効果時間が終わった直後、それまで私が叩き込んだ攻撃の衝撃と音がようやくフィールドを駆け抜けた。
私からすれば隙を見ての連撃だったんだけど、セレスさん達や視聴者さんからすると僅か数秒の間の出来事だ。ゲルナグラン・ディアボリカがラビリちゃんの大鎌と拮抗していると思ったら、いきなり地面に叩きつけられて粉々に砕けたらビックリするよね。
「カローナ様、もしかして……」
「あはは……アビリティをケチって勝てる相手じゃなさそうだったしね」
憂炎さんやレリーシャさん、ラビリちゃんはともかく、セレスさんは私の【韋駄天】を知っている。だから、私が纏う黄金の光を見て察したのだろう。
あまりに一瞬で全てが片付いたことに呆然とする憂炎さん達を他所に───
『ユニークモンスター: ゲルナグラン・ディアボリカ──“女帝隷属”の討伐に成功!』
強力なモンスターの討伐を知らせるアナウンスが響くのだった。
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