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アネックス・ファンタジア ~V配信者による、神ゲー攻略配信日記~  作者: 風遊ひばり
第七章 ~天地貫く太古の慟哭~
288/301

100万人記念特別コラボ配信! 1

評価・ブックマークありがとうございます!


 ・来た、来た……

 ・ザワ……ザワ……

 ・来るぞ、祭りの準備をしろ



「なんだか随分準備が早い方が居ますねぇ……。はいっ! と言うわけでお待たせしました! 登録者数100万人記念、特別生配信やっていきますよーっ!」


 ●オルゾ・イツモ:[¥10,000] キタァァァァァァッ!

 ●プレーンかき氷:[¥10,000] 待ってました!

 ●テングスタン:[¥10,000] 100万人おめでとう!

 ・ついに大台に乗ったか

 ・カローナちゃん……こんなに大きくなって……

 ・ワシはカローナちゃんがこんな小さい時から知ってるんやで



 私の宣言と共に配信が開始し、コメントが爆発する。

 『冥蟲皇姫インゼクトレーヌ』シリーズに身を包んだ私は、さらに肩から『本日の主役』と書かれたタスキをかけている。


 その文字通り、今回は私の登録者が100万人を突破した記念の配信なのだ。予告によって『特別コラボ配信』と宣言してるから、開幕からなかなかの視聴者数だ。



「さーて、今回は特別版ですからね! 私ひとりじゃ寂しいですよねぇ?」


 ・楽しみ

 ・カローナちゃんがわざわざコラボって予告するぐらいだから期待値が上がる

 ・なんとなく予想はできるけど



「と言うわけでさっそく紹介です! まずは皆さんお馴染みのこの方!」


「皆様ごきげんよう! カローナ様のママ、ゴッドセレスですわ!」


「なんか私の知らない間にママになってる!?」


 ・知ってた

 ・まぁセレスちゃんは来るよな

 ・いつもの

 ・お通しセレスちゃん

 ・お通しは草

 ・カローナ様のママ!?

 ・まぁ確かにカローナ様も甘えてたりするし



「ちょっと皆さま!? 私の登場を『いつものこと』みたいに流さないでくださいまし! お通しってどういうことですの!?」



 早速盛り上がるセレスさんとコメント欄。

 まぁ……セレスさんって私の配信に登場する頻度がやたら高いし、『いつもの』って言われるのも仕方がないかも?


 セレスさんが私のママを自称してるのが気になるけど……いや、確かにあの包容力は何物にも代えられない素晴らしさがあるけど……その内変なこと要求されそうだ。


 『ママって呼んでほしい』とか……。



「まぁいいや、次の紹介です! 私の特別配信に真っ先に名乗りを上げてくれたこの方です!」



 私がそう宣言しつつ、カメラを掴んでフレームを移動。映し出されたのは、中華服に身を包み、眼鏡と糸目が特徴的な男性プレイヤーだ。



「バーチャル配信者兼『蒼峰龍ツァンファンロン』クランリーダー、『憂炎ユーエン』アル。皆よろしゅう」


 ・で、でた———ッ

 ・うさんくせぇ……

 ・あぁ、ついにカローナちゃんと出会っちゃったか……

 ・カローナ様に手出したらぶっ飛ばすからな

 ・というか手出しそうな顔してるし今のうちにぶっ飛ばすか



「なんか私への当たり強くないアルか!?」



 胡散臭いだのなんだの言われているこの人は、登録者数なら私より遥かに多い人気配信者、憂炎ユーエンである。視聴者さんからは散々な言われようだけど、実力は本物のプレイヤーである。


 以前から『私とコラボしてみたい』と言っていたようで、今回の100万人記念でようやくそれが実現したというわけだ。


 人気があるには理由があるだろうし……どんな風になるのか楽しみだ。



「お次はこの方! 実は私も大好きな配信者です!」


「エクレシア教会から来ました、『シスター・レリーシャ』です。さぁ、皆様懺悔を……主はきっとお許しくださいます」


 ・シスターさん来たぁぁぁぁぁぁぁっ!

 ・エッッッッッッッ!

 ・恒例の懺悔タイム!?

 ・レリーシャちゃんマジ?

 ・そのおっぱいでシスターは無理だろ……

 ・憂炎とは盛り上がりの差がエグすぎて草

 ●中年神父[¥5,000forシスター・レリーシャ] 懺悔します! この前モラクス火山に行ったら、たまたま金剛蟹のハサミが落ちててぼろ儲けしてしまいました! 戦わずして超希少素材を手に入れた俺でも許してくれますか!?

 ・はっ?

 ・ギルティ



「……主は『流石に許さん』と言っておられます」


 ・草

 ・レリーシャちゃんの公認だ、みんなでボコろうぜ

 ・流石に許さんww

 ・まぁこれは許されんだろうなぁ



 ……彼女の登場でかなり流れを持っていかれたけど、気を取り直して……。



 『シスター・レリーシャ』は、憂炎ユーエンさんと同じく、真っ先に了承してくれた配信者だ。


 優雅にウェーブした金髪と同じく金の美しい瞳。着用している修道着は飾り気のない質素なものだけど、見る人が見れば分かる質の良さ。


 そして何より、誰もが見惚れる抜群のプロポーションと、その見た目からは想像できないぶっ飛んだ戦闘スタイルが人気の配信者である。



 かく言う私も、昔から彼女の配信をよく見ていた。そんな彼女と肩を並べて配信だなんて……もう感無量だ。



「そしてもう一人! 最後の一人になりますが、新進気鋭のこの方です! どうぞ!」


「ぴょんぴょ~んっ! 森のキュートな首狩り兎、兎々とともりラビリです! よろしくお願いしますぴょんっ♪」


 ・ラビリちゃん!?

 ・あれ? 最近配信者の仲間入りした子だったっけ

 ・バ、バニー服……だと……?

 ・サイバーパンクっぽさも残したバニーちゃん!?

 ・かっ、ハッ……

 ・んぁぁあぁぁっ! 癖に突き刺さる!

 ・んか゛わ゛い゛い゛っ!



「ひぃぃ……コメントが狂ってるぴょん……」



 コメント欄を覗き込んで引き気味のラビリちゃんの表情も可愛い。


 彼女は、登録者数10万人にも満たないまだまだこれからな配信者である。と言ってもアネファン自体はかなりやり込んでるようで、彼女のトレードマークである『サイバーパンクバニー服』とぴょこぴょこ動くウサ耳が、そのやり込み具合を物語っている。


 噂では彼女もまた『ギャップ萌え』な戦闘スタイルらしいけど、はたして……



「と言うわけで皆さん、今日はこの5人で配信していきますね! ハチャメチャな配信になりそうですけど、皆さま楽しんでくださいね!」


お読みくださってありがとうございます。

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