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アネックス・ファンタジア ~V配信者による、神ゲー攻略配信日記~  作者: 風遊ひばり
第七章 ~天地貫く太古の慟哭~
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素材集め・ルナティック 6

評価・ブックマークありがとうございます!


 空気を焼き、空を裂く極大の雷が、ジャガーノートΩの尻尾に突き刺さり、その猛威を振るう。


 この雷は数えきれないほど多段ヒットする! いかに強度が高かろうと、アンフィスバエナのフルスイングを何度も受けて傷付いた尻尾が耐えられるものではない!



 眩いばかりのエフェクトと轟音を響かせる【禍震霆かしんてい】に飲まれ、ビキッ! と音を立てたジャガーノートΩの尻尾は、根元から離れて吹き飛ばされていった。


 ・行ったぁぁぁぁ!

 ・尻尾壊しよった!?

 ・これで勝ち確か?

 ・いや、追撃来てる!



 状態異常の回復を担っていた尻尾が無くなったことで、【恋人ザ・ラバーズ】の毒が有効になる。


 が、毒が有効になってから実際に毒が回るまでの僅かな隙に、ジャガーノートΩは身体を反転させて私の命を狙っている……!



 そんなジャガーノートΩの動きを認識すると同時に、私の背中から完全に消える黒翼を認識……つまり、妖気切れで『鴉天狗』が解除されたのだ。


 くっ……やっぱり『妖仙之姫』シリーズ無しでの運用は消費が早い……回避のための【妖仙流棒術】が使えない……!



 振り向き様のジャガーノートΩの爪が迫る。


 回避は……いや、掠りでもしたら終わりだ! 【蜃気楼しんきろう】はさっき使ったばかり、【バニシング・ステップ】でデコイを───



「いやっ!」



 頭で結論を出すよりも早く、私は『ドレッシング・エフェクター』を弾いて着替えを終えていた。


 身に纏うのは金の重装備───『ゴールデンアヴィス』シリーズだ。


 正直賭けだけど、行ける気がする!



 叩きつけるように横薙ぎに振るわれるジャガーノートΩの爪に対し、私は真っ向から拳を振り上げ───



「【ドゥルガー・スマッシュ】!」


 ・えっ

 ・殴りあったww

 ・間に合うのかよそれ!?



 オレンジ色のエフェクトを纏う私の拳と、ジャガーノートΩの爪がぶつかり合い、白いエフェクトが弾ける。


 ジャガーノートΩが放つ赤黒いエフェクトでも、私のオレンジ色のエフェクトでもなく……白いエフェクトが発生したのは、相殺・・が成功したからだ。



 『相殺』とは、同じ系統の技をほぼ同じ威力で、全く逆の方向からぶつけることで発生する現象である。


 互いの攻撃が完璧に打ち消しあうことによって無効化され、ダメージはもちろん、ノックバックすら発生しない。


 残るのは、白い光のようなエフェクトだけだ。


 拳を突き出した状態の私と、その拳に爪を当てた状態で固まるジャガーノートΩ。互いに硬直に陥り、一瞬の空白が生まれた後───



「これで終わり、ね」


「ッ───」



 【恋人ザ・ラバーズ】の毒が回り、身体のコントロールを失ったジャガーノートΩがその場に沈み込み、私へとその頭を垂れる。


 これでチェックメイト。



          ♢♢♢♢



「いやー、ジャガーノートΩの素材が丸々手に入るって美味しすぎるわね!」


 ●オルゾ・イツモ:[¥5,000] おめでとう!

 ・尻尾壊した後は一瞬だったな

 ・そりゃあラバーズが残ってたし、状態異常が回復できないならね……

 ・なるほど、ジャガーノートΩはこうやって攻略するのか!

 ・なんかこっちまで強くなったように感じるわ

 ・真似しようと思ったらまず黄金蝦蛄4体倒さないと

 ・アホ程ハードル高くて笑えない



「オルゾ・イツモさん、ありがとうございます! いや、これでも私からしたらかなり苦戦でしたからね!?」



 【韋駄天スカンダ】無しとはいえ、複数の装備を何度も入れ替えながら『妖気解放』と【恋人ザ・ラバーズ】も使い切り、ようやくの討伐成功だ。


 ジャガーノートΩ……さすがアネファン内で最強格と称されるだけはあった。けどおかげでレベルも上がったし、いくつかのアビリティも進化した。


 女王蜂討伐に向けての準備は順調のようだ。



「さーて、素材の回収も終わったし……次は獅子王・・・のところに行きますか」


 ・マ?

 ・このまま連戦行く気なん?

 ・やっぱ脳筋なんじゃ……?

 ・キングランディアって一応ジャガーノートより強いって前評判なんだけどな

 ・こんな激戦して、なぜ『次に行こう』となれるのか



「ん~……私も色々と調べたんだけど、どっちかというとジャガーノートΩよりキングランディアの方が私的には得意かなって」



 『レオニダス・ランディア』の群れのボス、ユニークモンスター『レオニダス・“キング”ランディア』。赤褐色の身体に黒く立派なたてがみが、まさに王者の風格を纏うモンスターだ。


 単純にフィジカルが非常に強いうえ、キングランディアは発熱と放出によって機動力を確保しており、空中を駆け抜けることも可能となる。



 攻撃力・機動力ともに高いレベルで調和しているキングランディアだからこそ、こちらも最強格と称されるほどのモンスターなのだ。



「でも、熱の放出と高機動でしょ? それって、『ゴールデンアヴィス』シリーズを装備した私なら封殺できると思わない?」


 ・あっ

 ・た、確かに……?

 ・あー、キングランディアの熱放射を全部黄金蝦蛄の鎧で吸収するつもりなのか

 ・機動力だったら獅子王がカローナ様に勝てるわけないし

 ・けどそれって、純フィジカルの殴り合いになるんじゃ……

 ・あっ(察し)



「そう! だから私が目指すのは、キングランディアの強みを封殺した上での殴り合い! 純粋なPSが物を言うわね!」



 ボクシングの動きを覚えた効果がここでも発揮されるなんてね。獣相手にやったことは無いけど、久々に腕が鳴るわね!


お読みくださってありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
(´・ω・`)獅子王がナレ死しちゃうわ……
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