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アネックス・ファンタジア ~V配信者による、神ゲー攻略配信日記~  作者: 風遊ひばり
第四章 ~親愛なるーーーーへ~
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NPC vs プレイヤーのドレス作成バトル、ファイッ!

評価・ブックマークありがとうございます!


 “恋人ザ・ラバーズ”を討伐して手に入れたアビリティに注目しがちだけど、一応素材も回収できている。


 と言っても、本体の方がモンスターに食べられちゃったから、私が落とした花弁がほとんどだけどね。それでも20枚以上あるから、なかなかの量だ。



 そして、新しい素材を手に入れたら、次にやるのは装備の作成よね!

 まぁ私が作れるわけじゃないから、ヘルメスさんに丸投げなんだけどね。



 というわけで配信を終了した私は、ヘルメスさんのところに来たんだけど……



「ヘルメスさん、なんだか疲れてません?」


「分かるか? 『堕龍おろちの龍王鱗』を使った装備作成の依頼が多いのもあるが、ヘリの修理が一番キツイな。アーカイブから聞いているだろう?」


「あー、そうよね。【変転コンバージョン】の付与が必要となると、ヘルメスさんに偏っちゃうよね……」



 レアモンスターの素材を使った【変転コンバージョン】の付与は、行えるプレイヤーがそもそも少ない。


 そのうえ、ヘルメスのメインジョブである『アルケミスト』は、金剛蟹の甲殻を繊維状に細く引き伸ばすという並外れた加工方法を可能にする上位生産職だ。


 しかもプライマルやスペリオル関係の内情を知っているヘルメスだからこそ、秘匿度が高いヘリの修理を中心となって任されている。


 ヘルメスの仕事量が増えるのも、仕方がないことであった。



「ってことは、私が今から新しい装備の作成を依頼しても無理?」


「……また何か珍しいモンスターでも倒したのか?」


「アナザーモンスターをちょこっと……」


「えぇ……」



 私がインベントリから取り出した“恋人ザ・ラバーズ”の花弁に、ヘルメスさんがちょっと引いたような反応を見せる。


 なんだかひどくない?

 私は攻略勢だから、そりゃ色んな素材を持ち込むよ。



「アナザーモンスターの素材が持ち込まれたのは初めてだな。アナザーモンスター自体は数種類見つかっているらしいけどな」


「あら、そうなの?」



 ヘルメスさんが言うには、某掲示板でアナザーモンスターの話題が沸騰しているらしい。そのどれもが『ボコボコにされた』というもので、今のところ『討伐した』という情報は、少なくともネット上に(・・・・・・・・・・)()流れていないとのことだ。



「……ということは、加工方法が分からない?」


「加工方法自体は他の素材と大きく変わらない……と思いたい。が、その性能を最大限引き出すために色々と試行錯誤する必要が出てくる。引き受けてもいいんだが……かなり時間が必要になる」


「そっかぁ」


「それが嫌であれば他の生産職を当たってみるのもいいが……」


「でもヘルメスさんには装備の作成でかなりお世話になってるし……あっ」


「どうした?」


「じゃあさ、半分だけヘルメスさんにあげる! 半分だけど、これぐらいの大きさなら装備作れそうでしょ? 好きに使っていいよ!」


「それはありがたいが、いいのか?」


「もちろん! あとの半分は……別のところに声かけてみるわ」


「手が空いているプレイヤーを紹介するか?」


「ううん、NPCの生産職を頼ってみようかなって」



        ♢♢♢♢



 別に私に生産職のNPCの知り合いがいるわけではないのだけど、繋がりがありそうなNPCは知っている。


 今のところ、『冥蟲皇姫の鎧インゼクトレーヌ・クロス』や『妖仙姫ようせんのひめ——戦舞之装せんぶのよそおい』など、戦闘寄りの装備は充実している。


 それに、ヘルメスさんには戦闘で使える装備をお願いしたのだ。



 となると、私が欲しいのは『ダンサー』として使える綺麗なドレス系の装備……まぁ、戦闘でも強いことに越したことはないんだけどね。



「それで、思いついちゃったのよ。ティターニアちゃんが着ているドレスがめっちゃ良い物だから、それを作ったNPCがいるんじゃないかって……」


「そなた、私のところに来て早々何をぶつぶつ言っておるんじゃ」



 という訳で訪れたのは、ティターニアちゃんのところ。

 ティターニアちゃんを初めて見た時から思ってたのよね……彼女自身のとんでもない可愛さもあるけど、着ていたドレスも凄かったんだよね。


 素材も造形も、ヘルメスさんの装備と比べても遜色ないほどの出来。ただ、『戦闘向き』なのか『ファッション向き』なのかの違いでしかないぐらい。



「というわけで、ティターニアちゃ……様のところに、腕の良いドレスデザイナーとかいない? 一着作って欲しくて」


「ラ・ティターニアと呼ぶが良い」


「ラ・ティターニア様!」


「頼み事をするときだけ素直になりおって……まぁそなたには世話になっておるから、紹介するのも良いが……」


「なにか不都合があったり……?」


「依頼料は高いぞ?」


「う……まぁそれは何とかするわよ。素材の大部分は持ち込むからね」


「ま、そのあたりも相談すると良い。ライカンよ、彼女をメルルカのところに連れて行ってやれ」


「はっ。カローナ様、こちらへどうぞ」


「ライカンさん、お願いね!」



 よーし、上手いこと事が運んだようね!

 ティターニアちゃんのダンスレッスンは真面目にやってて良かった!



お読みくださってありがとうございます。

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