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アネックス・ファンタジア ~V配信者による、神ゲー攻略配信日記~  作者: 風遊ひばり
第四章 ~親愛なるーーーーへ~
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閑話 ボクシング部に通うとマッチョが増える

評価・ブックマークありがとうございます!


 【テルクシノエ】の謎に気付き、おそらくそれはスペリオルクエストに繋がるのだろう。


 クエストを発生させるためにもう一度【テルクシノエ】に行く必要があるとして、そのためには【霧隠れの霊廟】から回収したヘリを修理する必要がある。


 さらにヘリを修理するためには、【モラクス火山】にてオリハルダイン・オラトリアを討伐して素材を持ち帰る必要があるのだ。


 【モラクス火山】に住む金剛蟹やオリハルダイン・オラトリアを討伐するためには、強力な打撃アビリティが必要になることが予想されるわけで。


 強力な打撃アビリティとなると……私としては【妖仙流剛術】が欲しい。そうなると先に桔梗さんを攻略したい。


 桔梗さんに対抗するには、私がボクシングの動きを覚える必要があり……



「風が吹けば桶屋が儲かるじゃないけど……ボクシングを覚えると人類の謎が解ける?」


「カナっち、何言ってるの?」



 私が何気なく呟いたその言葉がうららちゃんに聞かれていたみたいで、ストレートにツッコまれた。確かに、端から見たら意味不明な台詞だもんね。


 昨日はセレスさん、ジョセフさんと色々打ち合わせを行い、目下の目標としてオリハルダイン・オラトリアの討伐を掲げた。


 その後すでにいい時間だったため、昨日はそこでゲームを終えたのだった。



「ただの独り言……ちょっとアネファンのことを考えてて」


「カナっちハマってるねぇ。毎日やってるでしょ?」


「あはは、うららちゃんは見てる(・・・)から分かっちゃうよね」



 うららちゃん達は、私が配信者の『カローナ』であることを知っている。私の配信を見ているだろうから、私が毎日アネファンに入り浸ってるのも分かってしまうというわけだ。



「ちょっとやることが多くなっちゃって。とりあえずボクシング覚えないとなって」


「あー、カナっちがボクシング部に通ってるのって、もしかしてアネファンのためだったの?」


「そうだけど、なんでそんなこと聞くの?」


「うーん、ちょっとカナっちのことが噂になってて」


「噂って?」


「ほら、何か特別な用事がないとボクシング部のところに行かないじゃん? だから、カナっちがボクシング部の誰かに会いに行ってるんじゃないかって……」


「……全然そんなことないんだけど?」


「それでも皆気にしてるんだよね~。カナっちってめっちゃ人気あるし……お相手はあの藤堂先輩か!? だって」


「誤解だからそれ!」



 いつの間にそんな噂になってた?

 まだ2、3回ぐらいしか行ってないんだけど?


 ……急に通い始めたら勘ぐられるかも。

 もしかして、ボクシング部の皆にも勘違いさせてるかも?

 それだったら申し訳ないなぁ。


 今のところは、そういうのに興味ないからね……。



「えー、でもカナっちも強い人って好きでしょ?」


「私が求めてるのはそういう強さじゃないの。意志が強いというか……真っすぐな人がいいの」


「まぁ、フィジカルスペックでカナっちに勝てる人っていないもんね……」


「それは……まぁ」


「謙遜しない辺り、やっぱりさすカナ。でもさ、どっちかって言うとマッチョの方がいいでしょ?」


「それはそうだけど———」


「やっぱりそうだよね! どうどう? カナっちがグッとくる場面とかってどんなの?」


「服が捲れた時に割れた腹筋が見えると……って、何言わせるのよ!」


「分かるわ~。良かった、カナっちもちゃんと女の子してた」


「あなた、私をどう思ってるのかしら……」












 その日の業後、とある運動部にて。



「なんだお前ら、今日はやけに気合入ってるな? ついに筋トレに目覚めたか?」


「監督……俺、ついに本気を出す時が来たんすよ」


「来月末の体育祭までに、腹筋バッキバキにしたいんです……!」


「お、おぅ……確かにスポーツに筋肉は大正義だけど、腹筋ばっかじゃなくて全身鍛えろよ?」


「当然っす!」


「ふんっ! ふんっ!」



 この日からしばらく、多くの運動部にて筋トレに力を入れる者が続出したらしい。



お読みくださってありがとうございます。

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