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アネックス・ファンタジア ~V配信者による、神ゲー攻略配信日記~  作者: 風遊ひばり
第三章 ~異形の翼、歪む大空~
114/300

その翼に誇りを、その瞳に覇天の輝きを 33

評価・ブックマークありがとうございます!


話の内容がずれていることに気付き、調べてみたらなんと一話分飛ばして投稿しておりました……。

111話のところに一話追加しましたので、そちらも読んでいただけるとありがたいです(_ _)


ドラゴンと共闘って……マジで言ってるのカグラ様……?


たった今ドラゴンのブレスで、私死にかけたところなんだけど?

しかもそのドラゴンは、『人間なんか眼中にない』みたいな感じだったんだけど?



まぁでもそうか。

ドラゴンが4体居るとしても、それだけで堕龍おろちが倒せるようになるほど戦況が変わるかと言えば、微妙だろう。


それに、ドラゴンがプレイヤーを巻き込めば、それだけドラゴンがヘイトを集めることになる。堕龍おろちを攻略するためにドラゴンの力が必要であることは分かってるのに、三つ巴の戦争なんて始めたらプレイヤーが不利になるばかりだ。



そう予想して、カグラ様は私に指示を出したのだろう。

Mr.Q(クウ)にも協力しろと言っているあたり、対象はプライマル発生者かな?



なんとなくそう考えていると、崩れたクラン拠点の方からこちらへ近づいてくる人影が二人。ヘルメスさんとミカツキちゃんだ。



「あ、ヘルメスさんとミカツキちゃん、やっほー。あなた達も参戦?」


「そうだ。カグラに言われてね」


「あの子、なんかちょっと生意気じゃない?」


「カグラ様は控えめに言って最強だから、悪口とか言わない方がいいわよ?」


「つーかさ、スペリオルクエスト始まってやっと『ディー・コンセンテス』のメンバーが揃ったか」


「今まで別行動だったからね……今からはクランで動く?」


「そうだなぁ。ドラゴンは4体でこっちも4体だし、一人当たり1体を担当して———」


「ちょ、ちょっと待って。私もその数に入ってるの?」


「そうだな。クロ……じゃなくて、4つ目(・・・)って、ミカツキだろう?」


「あ! それならさ、ミカツキちゃんも俺らのクランに入る? ミカツキちゃんが良ければ、だけど」


「え……?」


・まさかの新メンバー!?

・4つ目って何が4つ目なんだろう

・まさかのヘルメスも前線に行くんか?

●カローナ様のブーツ:[¥5,000] おねロリ百合展開期待

・お前さぁ、一周回ってすごいわ

・今日の配信だけでいくら使ってんだよ……



「それはいいかもね! 私も、女子一人だけだとちょっと心細かったし……」


「別に入る分にはいいけど…………脳筋お姉ちゃんと一緒かぁ……」


「聞こえてるわよ? 文句でもあるの?」


「ちょっ、カローナちゃんが『脳筋』って呼ばれてるの面白すぎん?」


「しかし否定できない辺りが何とも……」


「ヘルメスさんにまで言われるとは思ってなかったんだけど!? ミカツキちゃん! この二人はミカツキちゃんから見てどう!?」


「え? えっと…………『ゲームしか取り柄なさそう(Mr.Q)』と『アイドルオタクそう(ヘルメス)』かな……」


「「  」」


「プッww ほら、あなた達も言い返せないじゃん! ざぁこ♡ざぁこ♡」


「うわぁ……」


・さすがに草

・絶妙に的を射てるんだよなぁ

・クランメンバー→ゲームオタ、ドルオタ、脳筋、メスガキ(New!)

・カローナ様とMr.Qが一番子供

●カローナ様のブーツ:[¥5,000] ありがとうございます! ありがとうございます!

●オルゾ・イツモ:[¥5,000] カローナ様の『ざぁこ♡』の破壊力……

・あー、もうっ、あーっ!

・子供か!

・一番年下のミカツキちゃんが一番落ち着いてるというね

・だからそういうところが好きになるんだって!!

・ドン引きしてるミカツキちゃんも可愛い……

・いや、カローナ様は『ざぁこ♡』より『キモ……』の方がいいだろ!

・なんだぁ、てめぇ……

・お? お? やるか?



「いや、人の配信のコメ欄使ってケンカ始めないでくれる?」



私は別に狙って言ったわけじゃなくて、『ミカツキちゃんの真似すんなよww』みたいな反応を期待してたのに、私のチャンネルの視聴者さんはどうしてこうも業が深いのだろう……。


……いや、私のせいか。

よし! このことは考えないようにしよう!



「じゃあミカツキちゃん、クラン加入の申請送るから、承認お願いね?」


「はーい」



うーん、こういうところでちゃんと返事ができるんだから、ミカツキちゃんって根はいい子だよね……。あのメスガキムーブはファッションなのかな? ファッションメスガキ?


そんなくだらないことを考えつつ、私からミカツキちゃんへとクラン加入申請を送る。



「えっと……」


「ん? あぁ、ここをこうして……」


「あっ、なるほど。ありがとう、お姉ちゃん」


「ふへっ……ううん、どういたしまして」


・カローナ様もロリコン

・にやけ顔が変態のそれ

・ゆうてお前らも、ミカツキちゃんに『お兄ちゃん』って言われたら暴走するだろ?

・それはそう



ミカツキちゃんが可愛いから、コメント欄の失礼な言い方も水に流そう。

私には優秀な弟しかいないしねぇ、こんな素直で可愛い妹がほしい人生だった……。



「ところで、ミカツキちゃんってあんまりアネファン歴長くない? UIの扱いとか慣れてなさそうな感じだったけど……」


「まぁ……そうだけど。一か月経つか経たないかってぐらいかな?」


「え、短っ」


「むっ、短いとダメなの?」


「えっ、いや、そういうことじゃなくて……期間の短さの割に優秀過ぎると思って」


「えっ……あ、ありがとう? 褒められてるの……?」


「そりゃもちろん」



閉ざされし深緑クローザー・フォレスト』の発生もそうだし、エルフ族と親睦を深めている点もすごい。それに堕龍ウンディーネに一発で麻痺を入れたあの攻撃も相当なものだったし、聞けばあの時に使っていた武器は『神装武器(ミソロジー・ウェポン)』だというじゃないか。


神装武器(ミソロジー・ウェポン)』と言えば、Mr.Qの『エクスカリバー』と同じ系統の武器。その名に恥じない能力を持っているはずだし、それを使いこなしているミカツキちゃんも相応の実力なのだろう。



優秀な中距離アタッカーが増えて、『ディー・コンセンテス』も少し成長したことだろう。



「よし、とりあえず俺らも堕龍おろちのところに行かなきゃ話にならん」


「そうね……ドラゴンと共闘ってどうすればいいのか分かんないけど……」


「———ォォォォォォオッ!!」


「お? 噂をすれ……ば?」



突然聞こえてきたドラゴンの声と、私たちを覆う影。

嫌な予感を抱きながら視線を上げると、堕龍おろちにぶっ飛ばされたのだろう、ドラゴンの一体が私たちの頭上へと迫っていた。




お読みくださってありがとうございます。

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