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アネックス・ファンタジア ~V配信者による、神ゲー攻略配信日記~  作者: 風遊ひばり
第三章 ~異形の翼、歪む大空~
105/296

その翼に誇りを、その瞳に覇天の輝きを 24

評価・ブックマークありがとうございます!


『アネックス・ファンタジアをプレイ中のすべてのプレイヤーにお知らせします』


『現時刻をもちまして、堕龍おろち・ウンディーネ型が討伐されました! MVP、ラストアタックはプレイヤー名: ゴッドセレス です』


『参加したプレイヤー全員に、アイテム: 堕龍おろちの澪竜鱗 が与えられます』


『アイテム: 残されし希望 を所持しているプレイヤーに アイテム: 古龍の始原核 が与えられます』


『瞬間火力ランキングが変動します』


『プレイヤー名: ゴッドセレス が瞬間火力ランキング1位にランクイン!』





そんなアナウンスが鳴り響き、破滅の光は徐々に空気に溶けて消えていく。

あまりの威力に思わず目を瞑っていた私も、魔法が収まってきたのを感じてゆっくりと目を開けると———


輝銀の鎧に身を包んだ重騎士、『お非~リア』が私やセレスさんの前に立ち塞がり、【極魔の滅却エーテリアル・デストラクション】の余波を防いでくれたようだ。



あれ、というかこの人、余波とは言えあの威力を防ぎ切った?

この人もシレッととんでもないスペックじゃない?



「ふふふふっ、やってやりましたわよ! わたくしがナンバー1ですわっ!」


「いや、セレスにイシュタムは禁止カードだろ……そりゃランキング1位も取れますわ」



ダイヤモンドさんのツッコミに、ハッと思い出す。

そいえばそれ(・・)にツッコんでなかったわ。



「セレスさん、瞬間火力ランキングって?」


「ふふふ……このゲームの中で、一撃で最も高いダメージを叩き出したプレイヤーのランキングですわ! これで、瞬間火力であればわたくしがゲーム内最強だと証明されましたわ!」


「はぇー、すっごい」


・反応うっす

・まぁ自分じゃないし実感ないわな

・そりゃセレスちゃんにイシュタム持たせたらそうなるわ……

・百人以上のプレイヤーからアイテム貢がれてたしな



「それは良いとして、これで4体の分身は討伐しましたわ。サクッと本体もいきます?」


「えっと、古龍の始原核が私のインベントリに送られてきたのよね。これまたアーカイブのところに届けないといけないし……」



あれ?

分身を4体倒したってことは、『始原核』も4つあるってことだよね……私とMr.Qとヘルメスさんでドラゴンの石像を3つ持ち帰って……その後すぐに堕龍おろちが出現したから、あと一つ取りに行ってないよね?


置きっぱなし?

またあそこまで取りに行かないとダメなの……?


これは一旦アーカイブに持ち帰って、Mr.Qとか戻ってきたら相談かなぁ。



すでに疲れてきた頭を回転させてそんな風に色々考えていると、ふと聞きなれない声が耳に届いた。



「プレイヤーの皆様、ありがとうございます! これで私たちの里が、『閉ざされし大緑クローザー・フォレスト』が救われました!」


「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」」」」


「っ!!」



エルフの少女の言葉に、プレイヤー達の咆哮が響き渡る。

ウンディーネという強大な敵を倒したからか、それとも可憐なエルフの少女にお礼を言われたからか。それは定かではないけど、少なくとも一部の例外(・・・・・)を除いて、全てが歓喜を示すものであった。


一部の例外と言うのは、私とこの場にいる『アーカイブ』のメンバーだ。



閉ざされし大緑クローザー・フォレスト』とは、詳細不明であった4つ目のプライマルクエストの名である。アーカイブの誰かさんが『エルフ関係なのでは?』と言っていたけど、まさか当たっているとはね。


ふと視線を送ると、アーカイブのメンバーの一人と目が合い、コクッと頷きあう。

『確保しよう』 『了解』ってところか。



目配せしたプレイヤーの男は、スッとミカツキに近づいて声をかける。



「そこの君、ちょっといいかい? その、ふふっ……おじさんとちょっと向こうで話さないかい?」


「言い方ぁ!! 誰がどう見ても事案でしょうがっ!」



ほら、ミカツキちゃんももう通報ウインドゥ開いてるし!



「だ、だってこんな歳の女の子に話しかけることなんて初めてだし……」


「いや、それで『経験がある』なんて言う方が怖いけど……まぁここは同じ女の子の私に任せなさい?」


「あ、脳筋のお姉さん」


「あ゛?」


・いきなりディスられてて草

・ミカツキちゃんキレッキレだなぁ

・あっ……カローナ様のその眼いい……



ま、まぁ相手は子供だ。今の発言も、戦闘中に私に矢を放ったのも水に流そうじゃないか。



「あな———」


「だってそうでしょ? 普通、物理無効なんて言われたら遠くから魔法で攻撃するでしょ。あ、もしかして魔法覚えてない感じ? ごめんね?ww」


「それは———」


「いきなり突っ込んじゃうぐらいだし、INT低そうだもんね。図星ついちゃってごめんね♡」



このメスガキがぁ……。

これはもう、分からせるしかねぇなぁ?



「ふふふ、ミカツキちゃぁん? ちょっとこっちに来てくれるかなぁ?」


「え……ひっ」


・カローナ様ニッコニコで草

・そりゃカローナ様を煽ったらそうなりますわ

・これはまさかメスガキ分からせルート……?(期待)



突然笑顔になり、雰囲気ががらりと変わった私を見て、ミカツキは小さく悲鳴を漏らした。


私はカメラを固定しておき、ミカツキちゃんを連れてフレームの外へ移動する。別に疚しいことをするわけじゃないし、私も怒っているわけではない


巻き込んでしまって悪いけど、動画的にもおいしい……まぁノリってやつだ。



「すっごいの見してあげるわ、ほら♡」


「な、なにこれ……」


「ほらぁ、どうかしら?」


「すご……とっても大きい、です……」


・っ!?

・な、なにが起きてるんだ!?

・くそっ、映してくれ!

・分からせルート来た———っ!?



「なんでこんなものを……」


「なんでって、こうするためよ♡」


「ひっ、そんなのっ、入らなっ……!」


「大丈夫、無理やりでも押し込んであげるから♡」


「らめっ……んんっ! うそ……入っちゃった……」


・カローナ様、付いてる説

・お得じゃん

・むしろ興奮する

・いやもう興奮してる

・カローナチャンネルの視聴者ってさぁ(脱ぎながら)



「ほらほらぁ、まだまだこれからよ♡」


「あっ、こんなにたくさん詰め込まないで……!」


「ふふ、そんなにうれしそうな顔をしておいて、どの口が言うのかしら?」


「ぁうっ……いっぱいになっちゃった……♡」


「今日はこれぐらいにしておいてあげるわ……また欲しくなったら私のところに来なさい?」


「はい……お姉さま、ありがとうございます……♡」



「ふぅ……まぁ私の手にかかればこんなものよ」


・エッッッッッッッッ

・切り抜き不可避

・分からせ完了

・カローナ×メスガキの薄い本が増えるなこれは

●カローナ様のブーツ:[¥5,000] カローナ様ってついてるんですか?

・何聞いてんだよお前ww



「ついてるって、何が? 私運はよくない方だけど。え、背後霊の話?」


・伝わってないぞ

●カローナ様のブーツ:[¥5,000] すみませんでした

・草

・一歩間違えたらアウトだったし、カローナ様に救われたな



「よくわからないけどいいや。それでミカツキちゃん。エルフのみんなをこのまま放っておくわけにはいかないでしょ? とりあえず移動して、色々と話を聞かせてくれない?」


「そ、そう言うなら……分かったわ」



よしよし、私の餌付けが効いたようだ。



「すっごいの見してあげるわ、ほら♡」(ワイバーンから採った素材を見せる)


「な、なにこれ……」


「ほらぁ、どうかしら?」


「すご……とっても大きい、です……なんでこんなものを……」


「なんでって、こうするためよ♡」(ミカツキの腰にあったアイテムポーチ(外付けインベントリのようなもの)に押し込む)


「ひっ、そんなのっ、入らなっ……!」


「大丈夫、無理やりでも押し込んであげるから♡」


「らめっ……んんっ! うそ……入っちゃった……」


「ほらほらぁ、まだまだこれからよ♡」(ほかにもディアボロヴェスパの素材の残りなどを大量に取り出し、アイテムポーチへ詰め込んでいく)


「あっ、こんなにたくさん詰め込まないで……!」(アイテムポーチの容量を心配し)


「ふふ、そんなにうれしそうな顔をしておいて、どの口が言うのかしら?」


「ぁうっ……(アイテムポーチの容量が)いっぱいになっちゃった……♡」


「今日はこれぐらいにしておいてあげるわ……また(素材が)欲しくなったら私のところに来なさい?」


「はい……お姉さま、ありがとうございます……♡」



こういうこと。


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[一言] (´・ω・`)おほーっ
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