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恋なんて知らなかった 【前編】  作者: 湯川 柴葉
第五章 お姫様願望
48/50

第48話 講習会無事終了

毎日2話投稿予定(午前3時と午後3時に1話ずつ)

 木曜日。先週の木曜日からこの1週間は、取り立てて記録するようなこともなく、静かに過ぎていった。

 近藤先生と4人での食事会は、明日の金曜日の夕方18:30ということになったので、今日は講習会だけ。

 

 天野さんと社長秘書の森山結心さんは食事を済ませて、少し早めの13:00に会場の教室に入り、パソコンをプロジェクタに繋いでテストをしていた。

 10分ほどでマイクのテストも含めて完了し、結心さんと雑談しているところに近藤先生がやってきて、学生たちも続々と集まってきた。


「天野さん、本日はお忙しいのにありがとうございます。資料も早速作成していただき申し訳ありません」

 近藤先生が頭を下げて挨拶をした。

「いえいえ、パワポ資料はこの森山が全部やってくれたので、私は大したことしてないです」

「ああ、そうなんですか。森山さんもありがとうございました」

 近藤先生が結心さんにも頭を下げた。

「あ、こういうのは慣れていますので、お気になさらないでください」

 結心さんはにこやかに微笑む。素敵! 美人秘書!


 そうこうしている内に、院生たちが全員集まったと合図が入った。

「じゃ、少し早めですけど、揃いましたので始めましょうか。近藤先生、挨拶と紹介をお願いいたします」

 私は近藤先生に言った。

「それでは、まずこの講習会をすることとになった経緯から簡単に説明します。――省略――そういうわけで、私たちの研究にどう利用すればいいのか、その操作方法の一部を含めてアクセスへの入り口を教えて貰いたいと思い、矢野先生に天野さんをご紹介いただきました。天野さんはお忙しい中、ボランティアでこの講習会を開催してくださることになりました。それでは、天野さん、よろしくお願いいたします」


 「みなさん、こんにちは! ご紹介いただきました天野です。アクセスを中心に業務用ソフトウェアを制作しています。これからお見せするパワーポイントは、ここにいる森山が作成しました。どうぞよろしくお願いします」

 と簡単な自己紹介。


 ――――――――以下、天野さんの講義内容を要約。


 ビジネス社会ではエクセルやワードそしてパワーポイントなどが利用されているのですが、アクセスはマイナーなようです。

 ところが、このアクセスを覚えた途端に、ひとランク上の『できる人』という称号を貰えることになります。ほんのちょっとコツがわかった瞬間に、実は得意になれるのです。エクセルは表計算、アクセスはデータベースと呼ばれています。エクセルとアクセスは、それぞれ得手不得手がありますので、使い分けると便利です。


 アクセスで何ができるのか? エクセルの表のようにパターン化された情報の集合体を管理することが得意です。身近な例は住所録ですね。

 近藤先生からも聞かれているかも知れませんが、入力フォームによってデータ入力が楽になりミスの軽減を図ることができます。もちろん、見るのも楽になります。それから、クエリを使うことで、複数の並び替えパターンなどが簡単に実現できます。エクセルとデータの互換性があります。その他、色々あるのですが、今日は、その辺を中心に説明していきます。


 近藤先生に簡単なサンプルデータを作成していただきましたので、本日は、それを利用しながら説明させていただきます。きっと身近に感じる内容のデータですから、流れを理解しやすいかと思います。マイクロソフトオフィスのプロフェッショナル版に収納されている「アクセス」を使用していますが、単独のアクセスでも同じです。バージョンによっては、デザインが違うかも知れませんが、基本的には殆ど同じです。


 今日は、私のパソコンで操作している状態をキャプチャして、初めてアクセスを立ち上げてからデータ分析を完了するところまでを、順を追って説明します。この講習会を終了すると、これと同レベルの操作なら、なんと一人で出来てしまう! ……はずです。


 それでは、まずアクセスのアイコンをダブルクリックして起動します。起動しても画面中央には何もありません。何もデータがないからです。そこで、エクセルのサンプルデータを読み込んで、アクセスの中に『テーブル』を作ってみます。画面の上がエクセルの表のデータです。下がアクセスのテーブルで、エクセルのデータを取り込みます。テーブルを直接データ入力して作ることも当然あります。

 

 リンクとインポートがありますが、リンクだと、エクセルの元データに連結するのでデータに手を加えることができます。インポートはコピーを取り込むと思ってください。今回はインポートによって取り込みます。アクセスでは、この表のことをテーブルと呼んでいます。インポートが完了しました。上のエクセルと同じ形の表になっていますよね? 理論的には完全に同じではないのですが、ここでは同じだと思ってください。テーブルには名前を付けておきます。このテーブルをエクセルに吐き出すこともできます。

 同様にして、もう1つのエクセルデータもインポートします。これで2つのエクセルデータがアクセスの中に入りました。


 ――――中略。


 次は、このテーブルにリンクした「クエリ」を作成します。実は、このクエリがアクセスの心臓部だと言ってもいいくらい重要な部分です。ここさえ理解すれば、もうアクセスなんてお茶の子さいさいです。でも、今日のクエリは難しくないです。というか、普段みなさんが使うだろう程度のクエリであれば、難しい部分は殆どないはずです。


 論より証拠。作ってみますね。ほら、一瞬とまではいかないけど、難しいところはなかったでしょ? 殆どの部分が自動的に作成されるのですから。

 あ、今ごろ言うのもなんですが、分からないところがあったら、遠慮せずに質問してくださいね。分からないまま次に行くと、余計分からなくなりますからね。時間はたっぷりありますので、自由にどうぞ。

 

 このクエリで、データの並べ替えをしてみます。ここで、並べ替えキーとなるフィールドを選んで、どういう基準で行うのかを指定します。これだけです。ここを変えたら、いくらでも作れます。もう、これは工夫次第で、自由自在に変更できます。複数の組み合わせも可能です。エクセルより簡単でしょ?

 

 ――――中略。


 ――――入力フォームや印刷フォームなどの説明があったが、以下省略。


 こんな感じで、1つずつの操作を丁寧に説明しながら講習は進んでいった。本当に天野さんの講義は分かり易く丁寧だ。確かに、この説明なら同じパターンなら簡単にできるようになるかも知れない。それから、少しずつ次のステップに上がっていけば、独学でできるようになるというのは可能だと思った。


 こうして、1時間に10分程度の休憩を取りながら、3時間が無事に終了した。案外、学生たちも気楽に質問をしていた。天野さんも丁寧に答えて好評だった。びっくりしたのは、ベテランの講師がやるようにこの3時間ピッタリで講習会を終了したことだった。

 そして、結心さんの作成したパワーポイントも凄く綺麗だった。自信があると言ってたのは間違いなかった。あの才能を寝かせておくのは勿体ない。

 いずれにしても、あとで、皆から感想文を書かせてみよう。


 講習会が終わったあと、私の研究室に寄って、お茶を飲んでから二人は帰っていった。お疲れ様でした。明日は4人で食事会だ。



読んで頂きましてありがとうございます。


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