1.1初期人類家族型・近親相姦忌避のための核家族選択
原初人類の家族型
原初人類は採取狩猟生活をしていたが、この生き方はいくつかの制約を生む。
収穫が限られる、という点で原初社会の集住に限界を与える。
数戸から、十数、多くても数十戸家族の集住が限界だった。
また採取狩猟生活は不安定な所があり定住ができず、かなりの頻度で移住をする。
現世にも多くの未開地域があり、原初人類と同じ暮らしをする部族は多々ある。
それらの家族構成を調べると、ほとんどの部族で支配的なのが核家族となる。
多くの考古学的発見からも、原初人類の家族形態は核家族が支配的だったという。
第一、大家族の複雑構造よりも単一の核家族の方が原初的なのは自明である。
原初人類が核家族を選択したのは集住の限界性と、もう一つ別の理由から来ている。
核家族選択理由
原初人類が核家族を選択した理由は、近親相姦の忌避である。
近親相姦を忌避した理由は類似DNAの危機と停滞を招くためだ。
類似DNA型が増加すればそのDNAに致命的な疾病が流行ると、集落は絶滅する。
また類似DNA型同士の結合は、遺伝子的停滞を招き、進化が促進されない。
これを避けるために原初人類は四方向イトコとの婚姻をなるべく忌避した。
最大十数戸の家族が構成する集落の大人が兄弟姉妹で、イトコ婚が忌避される。
そうなると集落内では婚姻することができない。
集落で生まれた子どもは、将来的に集落を出ることが定められる。
その意味で核家族は、子供の手離れがとてもいい。