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ファミリーシステムのメモランダム  作者: (・∀・)
0.概要
3/18

0.2家族型性格の予想と初期研究の失敗

代表的核家族型の性格予想

核家族はすべての子供を早期に家庭から放出する。

この意味において核家族の構成員は自由主義的になる。

直系家族は家に長男が残る点で権威的である。

さらに長男とそれ以外の子供を差別する点から差別的である。

共同体家族は父母の元にすべての子供が残る点で、直系家族と同じく権威的である。

しかし平等に遺産を分配するという点から、子供たちは平等といえた。

3つの家族型は、実は様々分派するのだが、大枠はこの通りとなる。

3種の家族型の人間は、論理的にはこのように判ぜられると考えられる。


エマニュエルトッドの気付き

1970年台の終わり、エマニュエルトッドはその後の人生を決する発見をした。

自主的に共産主義を選んだ国々の家族形態が、共同体家族な事を見つけたのだ。

それまでも共産主義政権の誕生はどうして起こるのかの試論は多数あった。

ただ大方が革命の経緯に理由を求めるものが多かった。

しかしトッドは家族システムこそが、すべての背景にあると考えた。

すなわち上位が権威的で下部は平等主義という共同体家族は中露の主流だった。

故に中露は、上位が権威的で下部が平等的な共産主義政権を選択したのでは?


簡単な検証

簡単な検証でも、はこの確証は深められる。

共産党の強いイタリア中部、セルビア、ベトナムが共同体家族を持っていた。

またその他の家族システムの確認も、この論を補強した。

日独は直系家族を主軸に持つ国で、そこにナチスと大日本帝国が生まれた。

これは人は生まれながらに不平等である事を体現する政体といえた。

また核家族を基本とする米英仏蘭ベルギーでこそ、自主的に民主主義が発現した。

国家の政体という最大のものでさえ、居住民の好悪に左右される。

米独立、清教徒革命、フランス革命も革命家や啓蒙主義から生まれたのではない。

在所に住む農民たちが、自分たちに最も近しい形態を選択したに過ぎない。


初期家族型研究の失敗

このような理論は自由と民主主義を生み出したと主張する欧米でウケが悪い。

また家族型は時代によって変遷するが、推移の推論については研究時に悶着あった。

当初、家族形態は西欧アメリカで主流の核家族こそが先端と思われた。

理由はイデオロギーが優先してしまったためだ。

「自立した強い個人」が近代化を成し民主主義を確立させる思考が西欧にある。

この思考が前面に出てしまい、核家族だった西欧アメリカを先端地とみなした。

そして遅れた地域にある直系家族や共同体家族は、遅れた家族型だと思われた。

今現在でもこの誤解は一般に多くあり、長く家族構造の研究の足枷となる。

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