表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

昔日

作者:

 心地よい風は丘の上を吹き抜け、草花と土の匂いを運んできた。

 その香りを胸いっぱいに感じ取った私は自然と伸びをしていた。どこまでも続く青空は私の存在を頭の先からつま先まで許してくれている気がした。

 恐らく、多くから弾かれた私を許容してくれるのはこの空だけなのだろう。

 私は両足でしっかりと土を踏みしめ、丘の上を目指した。

 少しでも空へと近づきたかった。

 しかし、そんな私を真正面からの向かい風が吹き抜けた。

 慌てて脱げかけてしまった帽子を押さえ、反射で目を閉じた。

 風が収まり、再び丘に向かって目を開くとそこには何かの影があった。

 ピントが合い始めると人影だと気づいた。

 大きな傘を持った少女は紫色のワンピースをはためかせ、こちらを見ていた。

 その温かさと寛容さを滲ませる瞳孔はどこか空に似たモノを感じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ