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崩れゆく砂の城

あらすじ

勇仲は操から生徒会の仕事を手伝ってほしいと持ちかけられる。

きっぱりと断ると操は報酬を差し出すと言い出して……。

 操は瞳を閉じ、頬を紅潮させ恥じらいつつも、艶っぽく快楽に満ちた表情がうかがえる。

(はあ? なにしてんだコイツ!?)

 勇仲は身体は石膏像ように硬直する。脳内回路は情報処理が追いつかず、感じたことのない種類の衝撃に思考が停止し――


『カシャッ!』


「はっ!」

 どこからか機械音が聞こえ、我に返った勇仲はバッと操の胸から手を放す。

「おばんですぅ――――!」

「うおあ!?」

 丁度二人の真横のパソコンデスクに置かれた段ボール箱が開き、中からニョキッと女子が顔を出した。

 勇仲はその女子に見覚えがあった。

 入学式で操と同じ壇上にいた。


 黒髪のポニーテールに、いつも眠たそうなぼんやりとした目。学校指定のブラウスではなくピンクのパーカーを着込み、ブレザーの襟からフードだけ出している。スカートの下には体育の授業で穿くハーフパンツ、身長は小学一年生並み。だか彼女はれっきとした玖成学園高等部の二年生であり生徒会副会長、


黒古川くろこがわ伎巳たくみ》。


 映研部の部員でもあり、機材や小道具の管理、編集なども担当している。操とは中等部の頃からの付き合いだ。

(何で段ボールの中に!? というか今の、全部見られていたんじゃ……)

 突然の出来事の連続に勇仲はたじろいだ。

「伎巳ちゃーん、うまく撮れた(・・・)かしらぁ」

「はい、大成功ッスよ」

「あっ――」

 勇仲は目を疑った。

 伎巳の手にはあるものが握られていた。


 それは、――スマホだ。


 上部がネズミの耳の形をしたカバーのスマホ。

 そう、さっきの機械音は写メを撮った時のシャッター音。段ボール箱の持ち手となる穴からのぞき込むような形で、決定的瞬間を撮られてしまっていた。操が自分の胸に勇仲の手を押し当てていた瞬間が!

 画像だけ見れば勇仲が操の胸を揉みしだいているように、痴漢を働いた決定的瞬間に見えてしまう。

 勇仲は後頭部が冷たくなるのを感じる。

 伎巳はニタッと笑みを浮かべ勇仲を見やると、

「さて、雄方勇仲君。この画像を流出されたくなかったらいうことを聞くッス!!」

 敵将の首を打ち取ったかのように、高々とスマホを持った手を突き上げた。

 全て仕組まれていたのだ。生徒会室に呼び出すために財布を盗み、猥褻行為をでっちあげ、全て勇仲をハメるための罠だったのだ。

 こんな画像が流出されようものなら、勇仲の人生が詰む。

「勇仲ちゃ~ん、私の身体は高いわよぉ~ん」

 操は口元に人差し指を置き、妖艶な笑みを浮かべて言った。

「あ…………俺、終わった」

 小動物の鳴き声くらいの小さな言葉がこぼれた。


 かくして、勇仲の理想の学校生活は満ち潮に飲まれる砂の城のように、音もなく崩れ去るのだった。

ここから様々な苦難を経て勇仲の成長を

描いていきます。


余談ですが今回は

予約掲載設定を利用しての更新を試してみます。

上手くいくといいなあ(>_<)




2021年7月24日土曜日にて修正

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― 新着の感想 ―
[一言] いや主人公がわいせつしたように見せたの!? すみませんなんだか別の構図が私には見えていた(ぇ というか生徒会長。 そこまでするか! まるでハ〇ヒ(;゜Д゜)
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