犯した罪の報い
あらすじ
ひとまず作戦を成功させた勇仲達。
しかし、まだ終わりではない。
蓮川の犯した不祥事を暴くまでが作戦だ。
勇仲達は結果を待つこととなるが……
「――――――夕方のニュースをお届けします。都内有数の進学校が、生徒の起こした傷害事件を隠蔽していた問題で、職員一同は事実を認め、謝罪しました」
作戦から三日後、事態は一変した。
各テレビ局のニュース番組がある一件を報道していた。
「都内の高等学校、《蜂須賀学園》では、生徒間でのいじめが横行しており、昨年の十月に生徒が階段から突き落とされ意識不明の重体を負う事件が、職員らの手により隠蔽していたことが発覚しました。
職員はいじめの主犯となる生徒の保護者から多額の寄付金を受け取っており、学校は私物化された状態だったとのことです。隠蔽行為は主犯となる生徒の保護者からの指示によるものであることがわかりました。
四月〇日の日曜日の夜。
主犯の生徒が警察署に駆け込み、事件について打ち明けました。
半年も経った今、自首に至った経緯については、『悪霊に殺される』と意味不明な供述をしており、警察は余罪があるものと見て追及する方針です」
あの夜、蓮川は旧校舎から逃げ出したのちに警察に自首した。そして自らが起こした悪事の全てを打ち明けたとのこと。名前こそ伏せられてはいるものの、蓮川あり奈から井原音々が受けた仕打ちについて報じられている。
学校ぐるみで行なわれたこの事件はメディアを介して日本国民に様々な感情を抱かせた。
「教育の現場を何だと思っているんだ」
「保護者として、教育者として以前に、人間として問題がある」
「被害を受けた生徒の皆さんにどう誠意を尽くしていくのかが気になります」
「こんな痛ましい事件を起こしてしまった生徒を、正しく導けるかが問題だ」
「問題の生徒自身が間違いに気づいたのはよかった。どうして今頃になって告白したのかは謎だけど」
蓮川が未成年であったため、本人が特定されるような報道はされていない。もっとも公けになろうがなるまいが、然るべき方法で裁かれるのは間違いない。
これから何がどう動くかは、誰にもわからない。
蓮川あり奈は真っ当な道へと進めるのか?
蓮川の父、職員達の進退は?
蓮川の取り巻き、被害者達は何を思うのか?
蜂須賀学園は再生するのか?
破滅するのか?
誰にもわからない。
だが少なくとも、これまで通りではいられない。変わらざるを得ないのは確かだ。
良くも悪しくも……。
前回、明らかになると言いましたが
この回は言わば結果発表の前半戦、後半戦(四十二話)をお待ちください
蓮川の悪事がニュースで取り上げられる……。
我ながら壮大な展開でした。
お気付きの方もいるかもですが、
物語もいよいよクライマックス
今週末までには終わるかと思います。
最後までお付き合いください。
2021年10月1日金曜日より修正




