表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/45

孤独

あらすじ

勇仲は同期の友達のみんなと最悪の形での別れを遂げてしまう。

自分が頑張った結果、みんなの活躍の場を

奪ってしまった事を悔やむのだった。

 みんなが辞めてから数カ月が経過。放っておけばいずれ薄れていくと思っていたが、寂しさからまだ立ち直れない勇仲。

 皮肉なことに、そんな時でも仕事は止めどなくやって来る。

 それでも投げやりになることなく全うしてきたのは、世間から期待されていることへの責任感ゆえだったようだ。

 どんなに寂しくても、苦しくても、やる気が出なくても、人前では弱さを見せてはならないのがプロだから。

 

 たまにその胸の内を大人達に相談しても、

『それは悩んだって仕方ないよ』

『君は結果を残してきたんだ、堂々としてなさい』

『いちいち気にしていたら、ここではやってはいけないぞ』

『それは役者として覚悟しないといけないことだよ』

『あなたは何も悪くないのよ』

『そんなことより今やるべきことがあるだろう』

『もうあの子達のことは忘れなさい』

『いつまで引きずっているんだ!』

 誰も彼もが『大した悩みじゃない』と言いくるめようとするだけで、勇仲の気持ちをわかってくれる人はいなかった。


(どうして大人は、こんなにも簡単に割り切れるんだ……?)

 勇仲にはとても、そんな風には考えられなかった。

 無理もない。当時十一才の子供にそんな大人の世界の(ことわり)を理解させるなど、とてつもなく残酷な話だ。

 みんなは今頃、どこで何をしているのだろうか?

 今でも勇仲のことを恨んでいるのだろうか?

 今、会ったら何ていうのだろう?

 役者は人に夢を与える仕事なのに、同じ夢を持つ者の芽を摘み取らなければ前に進むことができない。そんな大いなる矛盾の中で勇仲の心は摩耗していった。

 孤独に打ちひしがれながら、止むことのない大雨の中を、砂嵐の中を、吹雪の中を、あてもなく彷徨い続けている。

 そうしてポツリと呟く。

「俺、――――何で役者やってるんだっけ?」

 人前では気丈に振る舞えても、もう自分の心までは騙せなかった。


この日、片頭痛が起きて更新が遅れました(´;ω;`)

予兆が出た瞬間ロキソニンを飲んだので

程度は軽くて済んだのですが、

前もって新規小説を保存して保険かけといてよかった。




2021年9月4日土曜日にて修正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ