プロローグ あの頃の夢
「おれ、いつかやくしゃになってヒーローがやりたい!」
「それじゃあ、さなかくんがレッドね」
「ええっ、おれもレッドがいい!」
「だったらぼくは、ブルーに……」
役者になって、みんなで特撮ヒーローを演じる。
六才の頃にミーハーな母親の勧めで入った、劇団で見つけた夢。そんな途方もないことを思い描いていた時期が、その少年にはあった。
ヒーローではなく、ヒーローの中の人。
少年は子供ながらに知っていたのかもしれない。この世界には怪人も、怪獣も、エイリアンも、悪の秘密結社もいない。ましてや――
ヒーローなんていないんだ、と。
これはヒーロー達の闘いの記録ではない。
役者を目指す少年少女のサクセスストーリーでもない。
平穏を望んだはずの元少年役者と、映画監督の少女が力を合わせ、トラブルに陥った人々を救い、時に悪党を成敗する――
大いなる英雄気取りの物語だ。
いやー、始まっちゃった(^_^;)。なろうさんで初の長編小説の連載。
ゆくゆくはラノベの大賞に応募したいのですが、
その前に一人でもたくさんの意見が聞きたくて始めました。
ビビりまくってますが、感想もダメ出しも全て受け止めます。
楽しんでいただけたら幸いです。
2021年7月10日土曜日にて修正




