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外伝:これが僕らのFFA!

 僕はゲームには一家言がある自称ゲーマーだ。だから投稿する作品もMMO絡みの物が多いのだけど、実は主戦場はどちらかというとインディーズゲームにある。メイプルストーリーを主題としたエッセイでこんなこと言うなって?


 インディーズゲームと言うと、Steamやらのゲームを思い浮かべるかもしれない。あるいは『Elona』や『らんだむダンジョン』のような一部の名作フリーゲームを思い浮かべることだろう。


 僕としてはフリーゲームについて語るに当たって常にそれらの作品の話しかされない現状について物申したいこともあるのだけど、タイトルに従って今回はMMOについての話。


 そう、インディーズにもMMOはあるのだ。


 このエッセイは、『MMOはバランスをちゃんと修正してくれる?バグも修正?平等?んなわけねーだろ!どんな幻想だよ!』という反発から生まれたものなのだけど、実際ちゃんと修正されるかはさておきとしてバランシング調整はメイプルでも行われている。バグも2〜3年後に治ったりするので実は反論としては全く成立していない。


 だからこの場で語るのはインディーズなオンラインゲーム『FFA』。


 『FFA』をMMOと呼ぶことが果たして適切なのかと言うと多分適切では無い。しかし広義のオンラインゲームであることは間違いないだろう。


 CGIゲーム全盛期に一斉を風靡した今でいうと『アセット』で作られたゲーム。プログラムの雛形を配布サイトからダウンロードし、自分のサイトに立てて改造したりしていく。


 大昔のゲームなのでそのゲーム形式は余りにもシンプルだ。バトルボタンが付いてるのでそれをクリックすると、


スライムが現れた!

卍荒罹崇卍の攻撃!

ブレイズスロアー!

スライムに1e+2.555244565585のダメージを与えた!!


 などと言う支離滅裂なテキストが自動的に生成されて戦闘の勝敗がわかる。プレイヤーが戦闘の流れに介入する事は無く、事前の装備や職業の変更・技の選択を行うのがゲーム性の全て。


 1e+なんたらかんたら〜という表示もFFAではよくある事。これは作者がゲームに改造を施した結果、文字通り桁違いのダメージインフレが生じて桁の省略がされたと言うことを表している。ここまで来ると1桁減ったところで表記的にはほぼ変わらないし緻密なバランス調整なんて不可能。


 もちろん全てのゲームがそうという訳ではない。設置した人の数だけFFAは存在し、その改造は千差万別。中には原型がまるで残らないレベルの別ゲーへと変貌させた作品もあるし、バランスが取れているゲームもある。


 『魔人街のFFT』とか。


 『魔人街のFFT』。ゲームシステムは基本的にはFFAと同一だ。バトルボタンを押すとなんかずらーっと戦闘ログが流れる。で、装備とかを選んで強化するゲーム。


 ここまでは普通なのだけど、装備の種類が他とは一線を画していた。


 例えば10ターン後に相手を即死させる装備とか、低確率でランダム即死させる装備とか。即死しか無いんかい!って突っ込まれそうだけどあくまでこれは例。言いたいこととしては強力な効果を持った装備が結構あって、しかもそれが初心者にも手に入る低級装備。


 そんなんでバランスは成立しないと思うかもしれないけれど、これが案外上手くいっていた。


 なぜならモンスターとの戦いは1回戦って終わりじゃない。上振れすればどんな強大な敵をも打倒できるとしても、上振れでしか勝てないようなら時間的効率は悪い。だから装備として即死は選択肢の1つに過ぎず、そういった意味でレア度的には適正だったのだろう。


 と、単独の評価としては即死の力はそこまででも無いのだけど、他の装備を組み合わせると話が変わる。自分の与えるダメージと相手から受けるダメージを抑える耐久装備をして即死が出るのを祈るなんて戦い方もあり、この構築なら上振れとは逆に下振れしなければほぼ勝てる。こういった組み合わせのコンボが非常に面白く、ある意味ではなろうの不遇スキルを活躍させる系の発想にも似た戦い方もできる。


 戦闘の勝利を放棄してひたすら遅延しつつ、発動するとステータスが上がる装備によって筋トレをするなんていう戦いの常識をひっくり返したコンボもあり、こうやって頑張って育てたキャラを使って最終的には大会で他のプレイヤーと戦ったりする。凄く面白い。



 けれどユニークスキルがあった。



 厳密に言うとユニークスキルではないのだけど、まあ似たような物。装備に付いているスキルに時折『卍荒罹崇卍奥義:ブレイズスロアー』のように明らかに特定キャラの個人名が入ってたりする。


 これらのスキルは本人だと1/2で発動、その他のプレイヤーだと1/4で発動というように完全な優遇措置が入っていて、奥義に記されたキャラクター名はゲームで実際に活動していたプレイヤーの名前だ。


 ユニークスキルを貰うにはゲームになんらかの貢献をしていたりとか特定のレアアイテムを手に入れたりしたとかそういう感じの条件があるようなのだけど、当たり前ながらその効果は運営が手動で作る。


 これによってその特権を持っているプレイヤーと持っていないプレイヤーには結構な格差が出来るのだけど……実は特権同士でも明らかに強弱に差があって、優遇補正受けた上でも使いものにならないのでは?とツッコミを入れたくなるような効果があったり。


 と、このシステムは恐らく相当な萎えポイントだと思うのだけど当時の僕は気にせず遊んでいたし、なんなら全盛期は同接100人余裕の人気ゲームだった。え、同接100人とか少ないって?インディーズならそんな事無いんだよ。


 今冷静に考えるとツッコミどころだらけだし、恐らく不満に思っていたプレイヤーは少なくなかったのだろうけど、少なくとも僕は本当に気にしなかった。レアアイテムとやらを手に入れれば良いという点で、自分にとっての平等性は保たれていたのだろう。入手できる可能性があるならそれを獲得するために頑張る、そんなゲームをプレイするに当たっての動機付けにもなっていた節がある。


 それはそれとして、癒着的な陰謀も裏では渦巻いていた様子が散見されるのだけど……。まあユニークスキルというシステムは成立しない訳ではない、というサンプルとして今回は書いてみました。


 インディーズゲームだから成立するような話をVRMMOに持ち出すなって?知らないよ!ほんとに唐突に思い出しただけなんだってば!メイプルストーリーを早くプレイしろって?そうだね。

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[一言] >>バグも2〜3年後に治ったりするので実は反論としては全く成立していない。 全く…? もうそうものだと浸透した頃に修正って1番タチが悪いような
[良い点] MSタクティクスとか箱庭とかやったなぁ…クッソ懐かしい
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