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アイドルの妹を持つということ  作者: 磨穿兼哉
3/4

兄は、改めて決意した

再度訪れてくださりありがとうございます。

今回の話は会話が非常に多くなっております。

口調や言葉遣いで誰が誰かわかるように気をつけているつもりではありますが読みづらかったらすいません。


授業は退屈だ。

僕は頭がいいわけではないが、そんなに悪くもないのである程度の点数は取れる。

まあ、豊島さんなんかは常に学年上位なのでそれと比べてしまうと凡人の域を出ないんだけど..


暇つぶしに丸めていた消しカスを僕の右斜め前に向かって投げる。

時間的にもそろそろ教師から指される頃合いだろう。

僕の投げた消しカスは綺麗な放物線を動きながら静かに上下する山の山頂に当たった。


「・・・・フゴッ!」


「はい、じゃあ次の部分を...向井」


「は、はい!えっと...」


「(駿くん、そのページの3行だよ)」


「(悪い、助かった!)えっとお、寝られたまはぬままには、我は、かく人に憎まれてもならはぬを、今宵なむ、初めて憂しと世を思ひ知りぬれば、恥づかしくて、ながらふまじうこそ、思ひなりぬれ、などのたまへば、涙をさへこぼして臥したり。」(源氏物語 空蝉より)


「よし、じゃあ次は.....」


----------------------------


「くぅ〜、昼休みだ〜!」


「駿くんほとんど寝てたじゃない、ちゃんと授業受けないと、ッメ!だからね」


「悪い悪い、ちゃんとするからさあ」


「もう、全く!」


「つーか通!古文の時間に俺に消しカス投げただろ!」


「起こしてやっただけありがたいと思よな....」


「それに関しちゃ感謝してるけど、起こし方ってもんがあるだろうが!」


「また、赤点とるのか?」


「うっ・・!」


「駿くーん、次赤点とるようなことがあれば・・・・わかってるよね?」


「はい!すいませんでした!」


全く、この馬鹿は学習しないのだろうか?

駿はいわゆる主人公キャラではあるが、おつむが弱い。

毎回テストの点はギリギリ赤点回避できるかできないかのレベルだし、テスト前には必ず豊島さんや僕に泣きついてくる。

僕達もそれぞれ自分の勉強があるのであんまり構っていられないのだが、ある時本当に駿が赤点を取って普段は温厚な豊島さんがブチギレていらい、なるべく協力するようにしている。


「赤点なんてありえない!普通に授業受けてれば80点は取れるでしょ!」


「わかんないもんはわかんないんだよ!」


「もう知らない!次赤点取ったら駿とは別れるから!」


あの時の豊島さんは本当に怖かった・・・

まあ、授業聞くだけで80点は固いのは豊島さんだけなのだが、駿にとって「別れる」というフレーズはよっぽど堪えたのだろう。

次の試験では僕に土下座で泣きついてなんとか赤点は回避した。

いや、自分で頑張れよ......


とはいえ、豊島さんも本気で言ったわけではないのは僕の目から見ればバレバレである。

2人はお互いゾッコンだし、駿が僕に泣きついてきた時もこっそり僕に要点をまとめたノートを手渡してきた。

まあ、駿は馬鹿なのでそんな気遣いには全く気付かないのだが....


「..る、おい、通!」


「んぁ?悪い、ぼーっとしてた」


「ったく、通はもう新曲聞いたのか?」


「当たり前だろ」


「今回の曲もなかなかいいよなあ」


「ほんとにロマンチックだよね〜」


キーンコーンカーンコーン


「ほら、午後の授業始まるから戻るぞ」


「駿くん、もう授業で寝ちゃダメだよ」


「おう、あたぼうよ!」


絶対無理だ、駿が授業を一睡もしないなんてことは天地がひっくり返ってもありえない。


「クカー.....クカー....」


案の定、授業開始5分で寝始めた。


------------------------------


さて、今日も1日退屈な授業が終わった。

結のことを考えていた僕にとってはいつもより早く終わったように感じる。


「おーい、通!帰るぞ!」


「今いく」


帰りは駿や豊島さんと一緒に帰る。


いつもの帰り道、来た時とは逆にいつもより長く感じる。

沈みゆく夕日を見ているとふと妹の心閉ざした顔が浮かぶ。

妹はアイドルに興味を持ってくれたけど、もう一度踏み出せるだろうか。

兄として妹の背中を押してやれるだろうか。

考えだすと止まらない。

浮かれていた気持ちを容易く踏み潰すほどの不安に駆られる。

妹が持つ傷がアイドルの力だけで癒せるだろうか?

むしろ僕ら家族がその責任をアイドルに押し付けて良いのだろうか。

妹は僕を、両親を嫌っているのだろうか。

もう一度、笑顔の妹が僕ら家族の元に戻って来れるのだろうか。

あまりにも浮かれていた。

あのCDだって僕が無理やり押し付けたものだ。

少し興味を持ってくれたところで明日にはまた元に戻ってしまっているかもしれない。

....また、あの悲しい歌を聞いてしまうかもしれない。

頭の中で負の連鎖が止まらない。

僕は楽しく話しながら歩く前の2人から1歩後ろを俯きながらただ、歩き続けた。


ドンッ

俯いていたら、いつの間にか立ち止まっていた駿の背中にぶつかっていた。


「ごめっ「なんつー顔してるんだよ」」


「お前のことだからどうせ今更になってほんとうに結ちゃんが立ち直れるか不安で不安で仕方ないんだろ」


「通くんって時々とんでもないくらいネガティブになるよね〜」


「だって、結は長い間...」


「んなことは俺らだってお前から聞かされてる。でも、そんなことは関係ない」


「関係ないって!結がどれだけ傷付いて」


「後ろばっか見てんじゃねえよ!お前の押し付けたCD受け取ったんだろ!他のもって取りにきたんだろ!」


「それは.....そう、だけど...」


「なら、信じろ。結ちゃんの強さを、お前は世界に1人しかいないあの子の兄貴なんだから」


「それに、ノブリジュなら必ず結ちゃんを前に向かせてくれるよ!だってノブリジュだもん!」


「なんだよそれ...笑」


「ほら、うじうじすんのはもう終わり!」


「妹が前を向いた時にこんな頼りねえ兄貴じゃ蹴飛ばされんぞ」


2人は満面の笑みで声をかけてくれる。

ああ、本当にこの2人には助けられてばっかりだ。

2人のこの明るさが僕の心の暗さを晴らしてくれる。

前を向こう、妹がどう思っているかなんて些細なことだ。

妹が1歩を踏み出した時、僕も同じように妹を助けようと1歩踏み出したんだ。

必ず取り戻す、あの頃の妹を。


こうして兄は、改めて決意した。


いかがでしたでしょうか?

まずは、読んでいただきありがとうございます。

話の展開が急すぎたかもしれません。一重に作者の腕のなさです。すいません。

通くんはスイッチ入るとすごいんですが、感情の起伏が結構激しい子なので暖かく見守っていただけると幸いです。


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