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【連載版】TS幼女は神様に都合良く使われる  作者: まい
1章 TS幼女はダンジョン運営を始める
8/30

TS幼女は自身の事を語る

 今話は説明不足のダンジョンや主人公(ダンマスTS幼女)の設定で、現在できているけど未出の設定をちょろっと出したかっただけの回です。


「ここに気になる設定の穴がある~」って部分がございましたら、感想で送っていただければ嬉しいです。

 あの狂乱のチョコばら蒔き祭が終わって1週間。


 俺ことTS幼女がダンマスをしている初心者向けダンジョン3つで、以前から懸念されていた問題の発生が確認された。


「初心者向けダンジョンを巣立った連中の、一部が出戻りしたな」


 〈極一部なら絶対出てくるだろう事は許容範囲でしたが、まさかの3割。 ダンマス幼女の親切心に、少し甘えすぎですね〉


 つまりそう言うことだ。 冒険者達のヘタレっぷりに、少し呆れてくる。


「以前より想定していた事だ。 初心者向け(低級)ダンジョンと言うチュートリアルに、中級ダンジョンでも通用する知識や経験を押し付ける、役割別の有料研修所を追加する」


 〈またお優しい。 冒険者なんて辞めちまえ、と暴言のひとつでも吐いてやればいいんですよ?〉


「俺は向こう(異世界)の女神の力で、強くてニューゲーム状態だったからな。 奴等より苦労してないんだよ。 その埋め合わせみたいなモンだ」


 そこでひらひらぁ。 と地球の神(ド変態)からのメッセージカード。


[幼女ママが尊い……その母性で、神の用意した衣装を是非]


 べちーん!! 床に叩き付けて消す。


 〈仕様はどうするのですか?〉


 何事もなかったかのように、タマちゃん(ダンジョンコア)が話を戻す。


「そのままだな。 さっき言った通り、各役割の意識向上とスキルアップ。 あとはチームの連携強化」


 〈……となると、チームや個人別に放り込まれるインスタンスダンジョン式で確定ですか?〉


「いや、今までと一緒。 ダンジョンに挑戦する際に、どのダンジョンに挑むか選択して、普通のダンジョン式かインスタンス式か選べるようにする」


 〈なんで普通のダンジョン式を?〉


「同じ境遇、役割の者と相談したり協力しながら試行錯誤するのもアリ。 だが、ひとりや気の合う奴等だけでやりたいってのも居る。 だったら両方用意すればイイジャン! だな」


 …………。


 ………。


 ……。


 はい、月末になりました。


 宣言通り、研修ダンジョンをチャチャっと造った。 3つの初心者向けダンジョン、全てにコピペ。 かなり造り慣れたし、中身は単純だから早い早い。


 設定としては、収支はなんとかトントンだけど、ここへ入り浸ると赤字になるバランス。 一番の収益は練習環境や知識。


 そうしないと入り浸る。 絶対に。 自信をつけたら、さっさと上のダンジョンへ行け。 な?




 やることやって一息ついたタイミング。 今日は外出する予定も無いし、白Tに膝丈デニムジャンパースカートと白黒ニーソのお気楽衣装でソファーに埋もれる。


 ……季節が冬?ダンマスルーム内は一年中適温だ、問題無い。


 〈貯まってる質問、消化しましょうか〉


「とても嫌な予感がするが、気のせいか?」


 タマちゃんにその提案されてから、アホ毛がなんかカピカピしてきてるんだよ。


 〈知りません。 予感なんてどうでも良いのです〉


 なんて強引に始まりました、ダンジョンや俺へのQ&A。



 〈訓練エリアの筋トレ施設で、ステータス補正効果のあるパッシブスキルが手に入るそうですが、これは仕様でしょうか?〉


「仕様です。 ルームランナーはSPDとVITに対応したスキルが手に入ると評判です。

 魔法に関係したスキルも訓練エリアで入手できます。 今後の冒険者活動を楽にするためにも、ご利用をお勧めします」


 〈今後初心者向けダンジョンを増やす予定は? もっと地方に点在していると有り難いのですが〉


「増やせば相対的に中級以上のダンジョンが減りますので、結果として国力低下に繋がります。 お勧めしません」


 〈季節に併せたイベントだけでなく、イベント限定魔物や採取物の用意は無いのですか?〉


「検討します」


 〈初心者向けダンジョンに登場する激強魔物である、ドッペルやドールが欲s……テイムしたいのですが〉


「あげません。 テイム不可設定にしてあります。 しつこくテイムしようとすると、お巡りさん達へ発報される仕組みです。

 諦めてください。 もし強引になにかしようとすれば、その瞬間に他のドッペルやドール達が貴方を排除しようと動きます」


 〈ダンマス幼女の本拠地ダンジョンだけでも良いので、ダンマス幼女製中級ダンジョンを挑戦先として作って頂きたい〉


「神との約束で、中級以上の作製は不可能となっております。 ご了承ください。

 今回増設した対中級研修ダンジョンは、中級ダンジョンで失敗した方の再挑戦を支援する目的で用意した、神公認のダンジョンです。

 他の中級ダンジョンのような儲けはありません」


 〈ダンマス幼女と一緒にダンジョンへ挑みたい〉


「お断りします。 俺の存在はバランスブレイカーですので、ダンジョンアタックは神からある程度制限されています」


 〈他のダンマスが現れたとして、その相手とイザコザが起きて戦争へ……とかの懸念は有りますか?〉


「まずありません。

 各国にひとりはダンマスを置くと神から聞いていますが、ダンマス同士の争いやダンジョンアタックして、制圧占領はしないよう言われています。

 無視すればペナルティがあるそうです」


 〈ダンマス幼女は大きくなりますか?〉


「……成長しきっていて、これ以上身長は伸びません。 老けもしませんし、体力の衰えもありません」


 ゲームキャラとしてこいつ(俺の姿)を作ったが、ゲームではどれだけゲーム内の年月が過ぎようと、幼女のままだった。


 そして身長の違いで、主人公(プレイヤーキャラ)の扱いが変わることはない。 つまりそう言うことだ。と俺は思ってる。


 と言うか、だ。 俺はもう4年近く“幼女”をやっていて“少女”になっていない。 無駄とか言われる毛が生える気配すらない。 背を伸ばすのは諦めた。 ……くない。


 〈ダンマスは寿命が無いと創作で書かれることが有りますが、現実のダンマスも同じでしょうか?〉


「俺も神に訊いていませんので、不明です」


 〈ダンマスはスキルや魔法が豊富と聞きましたが、どうやって手に入れたのですか?〉


「ただ努力、継続してひたすら努力です」


 〈地球にダンジョンができ始めた頃に、勝手に入手していたスキルはなんだったのでしょうか?〉


「本人の経験と記憶と実績、そう言ったモノを読み取って相応しい形・レベルとして生成された、皆様それぞれの初期スキルだそうです」


 〈ダンジョンの基礎知識が欲しいです〉


「政府のダンジョン関係ページに基礎知識は載っています。 そちらをどうぞ」


 〈一度にダンジョンアタックできるチームメンバーの上限はありますか?〉


「6人です。 この質問はダンジョン基礎知識です。 政府のダンジョン関係ページをご覧下されば、回答を求めずに答えが分かります」


 〈倒した魔物は、実体のままなのでしょうか?〉


「魔物が倒されたらどうなる、どうする? と言う質問でしょうか?

 それでしたら、魔物はドロップ品と言う形に変わり、それが報酬になります。

 が、この質問はダンジョン基礎知識です。 政府のHPの該当の部分をお読みくだった方が、詳しく載っています」


 ちなみに以前魔物を三枚下ろしにしたのは、魔物の姿が変わる前にささっと素早く切ったからできた、チカラワザだぞ。


 〈ダンジョンのボス階に帰還魔法陣がありますが、一方通行ではなく双方向で通行出来る転移魔法陣はないのでしょうか?〉


「初心者向けダンジョンでは設置しておりませんが、中級以上には設置されているダンジョンもございます。

 その設置されていないダンジョンに慣れて頂くために、初心者向けダンジョンはあえてそうしております。

 なおこれはダンジョン基礎知識――――以下略」


 〈ダンジョンアタックには冒険者カードを持たないといけないとは聞いていますが、魔物の出ない訓練エリアや支部ダンジョンのふれあい動物園等の施設だけ使いたい時にも、冒険者カードが必要なのでしょうか〉


「申し訳ありませんが、必要となります。 カードは電子決済カードとしても使える便利なカードです。

 期限はありませんから、冒険者になるつもりがなくても、身分証代わりやダンジョン施設利用のために登録するのもありだと思います」


 〈ダンマスは自身のステータスをどう確認していますか?〉


「皆様と同じです。 確認したいと望めば、情報が脳にするりと入ってきます。 鑑定も一緒」


 〈よく動くアホ毛が可愛いです〉


「ありがとうございます」


 〈チョコが嬉しかった。 アレは本命チョコですね? 結婚しましょう〉


「義理チョコです。 お断りします。 お前に好意など何一つありません。 さようなら」


 〈どこかの事務所に所属して、アイドル活動する予定はありませんか?〉


「絶対にありません。 そのお誘いはお断りしています」


 〈バストサイズを知りたい〉


「お巡りさん、この人です」


 〈ブラのサイズは?〉


「お巡りさん、この人もです」


 〈私のベッドに空きがありますよ?〉

 

「お巡りさん、助けて」


 〈ダンマス幼女がトイレへ行く様子を見た事がありませんが、病気でしょうか? 心配です〉


「お巡りさん、この人ストーカーです。

 体をキレイにしてくれる魔法を、対応臓器に集中して使用しているからトイレへ行く必要がありません」


 以前(異世界にいた頃)ネット小説でしていたのを思い出して、真似したら出来たんだよ。


 ゲームキャラの体だから筋肉の衰えは無いし。 重宝してます、ありがとうございます。


 〈ダンマス幼女はいつ見ても平然としていますが、毎月の悩みは来ないのでしょうか?〉


 来ますが、ソレを止められる魔法があって、定期的に使っています。



 これ、本当に助かった。 向こうで初めてキて、その時は本気で慌てて大騒ぎしたし。


 ゲームキャラだからその辺無くてもいいじゃん! と叫びたくなった事もあったけど、生理現象(トイレや月のモノ)がないと怪しすぎるってんで、実装された。


 と地球に帰ってから、変態()経由で体の製造者(異世界の女神)に回答を貰った。 ……女神め、余計なことをしやがって。


 〈なぜダンマス幼女は着ぐるみパジャマを愛用しているのでしょうか? もっと似合う、可愛い服とかがあると思うのですが〉


 …………。


 ………。


 ……。


「……これ、答える必要の無い質問もかなりあったよな?」


 疲れた。 視界にぺったり貼り付いたアホ毛の色素が、なんか薄くなってる気がする。


 〈ありましたね〉


「じゃあなぜ答えさせた」


 〈質問でしたので〉


「除外しろよ!」


 〈私も気になっていた事が混じっていましたので、ちょうど良いかな? と〉


「お前の都合コミかよっ!」


 こんな理不尽な事があるか! アホ毛がムクムク立ち上がり、バックに炎をまとっている。属性防御で熱くないが、常人なら耐えられまい。


 〈でも、政府のダンジョン関係ページで人気らしいですよ? ダンマス幼女に訊け! って〉


「確かにそこへQ&Aを載せてるけど、全部は載せる必要がないだろ!!」


 〈ないですよ? もちろん載せる物は選びますし、質問文がアレでも有益な回答と判断した内容は、質問文を変えて載せる予定です〉


「時々出てくるセクハラ質問は!?」


 〈載せて欲しいのですか?〉


「絶対にNOっ!! なんであんな質問をしたの!? って意味だよ!」


 〈えっと……趣味?〉


「趣味ぃぃっ!?」

該当ページが更新された日の夜。 幼女の実家にて


妹「お姉ちゃんのページが更新されてる~」


母「あそこは冒険者向けページで、それ以外の人に関係はほとんど無いでしょ?」


妹「そうでもないよ? お姉ちゃんは成長しきった姿で、幼女のままなんだって~」


母「そんな事も書いてあるの?」


妹「堅っ苦しいだけだとつまらないから、余計なものも混ぜてるんでしょ」


母「へぇ……。 あ、ダンジョンアタック中のトイレ事情は便利そうよ」


妹「“ダンジョンでトイレが心配”回答で、体の汚れを落とす魔法をお腹の中にかければ、解消できる。 なるほど」


母「注意書きに、それに頼ると筋肉が衰える恐れあり。 ……家庭では外出中の緊急時に使う位が限界ね」


妹「それでも、それが出来るなら本当に助かるって。 他にも月のモノを抑える方法……へぇ。 覚えようかな?」


母「本人に習う?」


妹「生活に便利な魔法全般。 折角だから教えてもらってもいいかも」


母「連絡できる?」


妹「オッケー」




妹「タダだと角がたつから、授業料を貰えれば。 だって」


母「仕方ないわね」


妹「以前お姉ちゃんから貰ったお小遣いの残りからでも、十分払えるよ。 しかもひとり分で全員OKだって~」


母「あらあら。 早速お願いしちゃって」


妹「は~い。 2人でお願い、っと」


父「ちょっと待って。 誰か忘れてないか?」


妹「大丈夫、忘れてないよ」


母「忘れずに……ふふふ」


父「怖いよ! ちゃんと答えてよ!」


妹&母「うふふふ……あははは……」


父「ねぇ、お願いだから!!」


妹&母「……(にっこり)」


父「怖い怖い怖い!」

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[良い点] ダンマス幼女はトイレにいかないのか… 全身どこでも甘い匂いしそうですね
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