TS幼女は1日密着取材された
○○の朝は~ってやつ。 なんとなく書きたくなって投稿。
三人称視点と言うか、モブ視点と言うか、ナレーター視点と言うか。 いつもと視点が違いますので注意。
特殊な環境でない限り、常に適温となっているダンジョン。 その奥深くに住むダンマス幼女の朝は普通だ。
「……お早うございます」
特別に許可を頂いて撮影しているダンマスルームの中、我が国の誇るダンジョンの主が、眠そうな顔と乾き気味の声にて寝室から出て来た。
その容姿は寝起きに相応しいボサボサの爆発頭……を期待していたのだが、常識はずれな淡いピンク色した長い髪をキリッとポニーテールにまとめ、パジャマも着崩れが無い完璧な姿。
誰も信じられないと思うが、その髪色は地毛だと言う。
「普通あり得ないですよね、こんな髪色。 しかもこのナリが主神の仕業だって言うのも」
彼女こそ地球人類では到底たどり着けない力を持つ、最強の幼女だ。
いくら身長がとても小さく、寝起きでも愛らしいと分かる声と、起き抜けでしんなりとするアホ毛もあって威厳こそ感じられないが、強いのは間違いない。
立ち入りや撮影禁止な彼女の寝室を後にして、向かう場所は生産施設と呼ばれた部屋。
そこには生産スキルと関係する、あらゆる設備が邪魔しあわない形で設置されており、その中にはキッチンも有る。
キッチンに立った幼女は素早く清潔なエプロンを身に付け、エプロンを押し上げるSUGOIDEKAI(かも知れない)モノすら邪魔と感じさせず料理を行う姿に、熟練を感じる。
「料理をする人なら分かってくれると思いますが、【料理】スキル様々ですよね。 朝の焼き魚ひとつとっても…………ほら、こうですから」
鮭の切り身を魚焼きグリルへ放り込んで、およそ2秒と少し。
幼女のドヤ顔と共にアホ毛が偉そうにもピンと伸び、先ほどのグリルを開けて見せてくれる。
覗き込んだそこには、極短時間で理想的かつ完璧な焼き上がりとなった、焼き鮭が完成していた。
「世界が変わる前は時短時短とせわしなかったのに、いまや最大の時短手段はスキル上げ。 しかも、より美味しく作れる。 今さらな話ですが、良い世の中になりました」
インタビューの合間にも、次々完成して行く料理。 純和風の朝食である様だ。
しかし作った量は明らかに多い。
「サブマスの分です。 彼女は朝が弱いから、俺が作ってあげないと」
苦笑する幼女だがその顔には、ほのかな満足感……幸福が感じ取れた。
それからサブマスを起こしに一度場から離れ、彼女ひとり戻ってきて我々へ呼びかける。
「ついでにスタッフさん達の分です。 余計な気遣いでしたらすみませんが」
いただきます。
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サブマスも起きだし、朝食をダンマスルームにて済ませ、早速そのままダンマス業務へと移る。
今はパジャマから衣装を変え、白ブラウスと吊りスカート姿へ。 サブマスはレディーススーツに着替えている。
「俺はあくまでもダンマス。 ダンジョンアタックしてくる冒険者への手助けは、新米・駆け出しまで。 一人前になったら知らん。 そんな立場でいなければなりません」
ダンマスルームには沢山の監視モニターが、機械を使わず浮いているが、そこに映るのはダンジョン各地の様子。
ダンジョン管理の補佐として、幼女を模したリビングドールやドッペルゲンガーと呼ばれる魔物も使役して、異常が無いか監視をしている。
「あ、モニターのはじっこは撮らないでね? 冒険者が誰もいない時に、時々関係ない動画を暇潰しに流してるから」
ソファーに座るサブマスの膝に乗せられ抱えられ、恥ずかしそうにアホ毛をぴょんぴょんさせている彼女だが、モニターを眺める表情はまるで、子供を厳しくも優しく見守る母である。
低級ダンジョンで冒険者が危機に陥る様子を見かけたら、救援隊の動向をしきりに確認し、ボス部屋で戦う者達へはこぶしを強く握りしめて真剣に見つめる。
休憩中の冒険者達が楽しそうにしていれば一緒にニコニコし、素行の良くないイタズラっ子を捕捉すれば眉がつり上がる。
「中級以降のダンジョンでは手助け禁止。 今日はまだいないけど、アタック失敗でボロボロになった連中は、あまり見たくないです」
ダンジョンアタックは自己責任。 危険度とその見返りは等価となる、体を張った命がけの仕事。
彼女の胸がサブマスの腕に大きく食い込むと同時に、アホ毛が今朝みたいにしおれているのを見てしまう取材班であった。
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昼食はダンマスのご厚意で作っていただいた、丼ものをありがたく平らげた(牛丼・豚丼・天丼・親子丼・海鮮丼他沢山ある丼ものの映像)
味はもちろん文句無し。 家庭の味を意識して作っていると説明された。
確かに毎日食べたくなるほど愛情溢れる料理だと感じたが、幼女に世話されながらごはんをがっつくサブマスを見ると、それだけで毎日お腹がいっぱいになりそうで遠慮願いたい。
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次は買い物へ出かけると言われた。
手を繋いで歩いたり、時々高めの身長を持つサブマスに抱き上げられて足などブラブラさせたり。
外を出歩くその微笑ましい様子は、身長差もあってまるで親子。
だがふたりの左手の薬指には、お揃いの指輪が光っている。
話を聴く限り、元同級生。 同い年だそう。
「出歩いての買い物。 実は大切な事なんです。 3つの低級ダンジョンから出る利益の分け前で、過剰に頂いたお金は町へ返さないと」
アホ毛も連動させて真剣に語る幼女。
見た目はコレだが成人を果たしており、地元愛に溢れている。
ここが本拠地となる町だが、折りを見て他の低級ダンジョンがある地へも、遊びに行くことが有るようだ。
「じゃあ、ちょっと行ってきますね」
(背景の地元商店街へ、サブマスに抱えられて向かっていく映像の後、暗転)
(画面が戻り、商店街入り口までサブマスが強引に幼女の手を引っぱり、途中からカメラへ向かってサブマスに肩車されて戻ってくる映像)
手に何も持っていないふたり。 買いたい物が無かったのだろうか?
「買った物は全部……はい」
何もない空間から突如として現れた、油を吸う紙に巻かれた肉屋のコロッケ。
どうやら幼女は魔法の鞄みたいな力を、自力で持っているようだ。
「みなさんのおやつにどうぞ。 油が気になるなら、タレか塩の焼き鳥も買ってきましたので交換します」
コロッケとトリの塩むね肉。 アホ毛をハートマークにして、とても可愛らしい無垢な笑顔で双方をサブマスの頭上から取材班へ差し出す彼女に、実家の母を幻視してしまう。
サブマスさん。 垂れたヨダレは誰も見てないし、撮影もしてませんからね?
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場面変わってダンマスルーム。
……から伸びる廊下。
買ってきた物を倉庫へ放り込んだ所から。
「午前中は本業紹介だったので、これからはダンマスルームの施設紹介でしょうか?」
そう言って案内されたのは、大浴場。
「今は誰も使っていませんが、いつもはドッペルやドールが使っています」
カメラをあちこち動かすが、どこにも湯垢や黒かびも無く、とても綺麗に使われていると解る。
設備や備品も上等。 ここが高級ホテルの大浴場だと言われても、信じてしまうだろう。
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次は農園。
大きな農地に所々植わっている果樹、そして周囲には不思議な光を放つ壁と、見た目普通なのに現地で圧倒的な存在感を見せる樹木。
農園。 そう言うには、とても良い実りを見せる果樹に対し、畑は何もなくて物寂しい印象さえ見せる。
「この畑は短時間で収穫が可能な特別製で、市場に配慮して全力稼働させないようにしています。 主にドッペルやドール達の食料確保用です」
記念にどうですか?
ひと通りの説明が終わってからそう言われ、リンゴを沢山いただきました。
最後にドッペルゲンガーやリビングドール達が生活している施設の遠景と解説。
また、目を輝かせてやって来たドッペルに、何種類かの変身をしてもらい、それから次の場面へ。
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再び場所は生産施設。
夕飯までの時間を使い、サブマスへもっと強くなるための指導を、ダンマス自ら行っているそう。
今回は【調合】スキルを鍛えると聞いている。
いかにも科学実験然とした備品が置かれたテーブルに、サブマスとダンマス幼女のふたりが並んでなにか作業中。
それは良いのだが、今までの緩やかな空気とは一変。 ふたりで真剣な顔をしている。
両者の背後へ回り込んでみると、どうやら幼女は魔法で浮いているらしい。 まあそうしないと、踏み台がないからテーブルまで届かないのだが。
カメラが周囲を写すと、別の設備を使っているドッペル達が踏み台を占有しており、ダンマスが浮いている理由は察せられた。
「おいコラ。 生産スキルレベル上げには高品質な完成品を作らにゃ、効率が悪くなると言っただろうが。 そんで高品質のは何度も一緒に作って、覚えたとお前言ってたよな?」
突然響いた男口調の愛らしい声に驚き、カメラをダンマスへ戻すと、しゅんとしたサブマスへアホ毛を尖らせて叱りつける幼女が映る。
それぞれの前には、薬液と思われるなにかが詰められたガラスのビン。
幼女の前にあるビンはきれいな白色をしているが、対するサブマスのビンは少し濁っていた。
「入れる物の処理は問題ない。 悪かったのは火加減だな。 もしかしてアレか? カメラの前だからって、玄人気取って補助器具いらん。 とか格好つける気でいたのか? それで品質落としたら訳ねーわ」
俯きながら顔を真っ赤にして、ポカポカと幼女を殴るサブマス。
それも気にせず、作り直しを指示するダンマス幼女に、サブマスが渋々と従う。
そんなサブマスを見て満足そうになんども頷く様子は、弟子を我が子同然に厳しくも温かく見守る職人そのもの。
それからキッチンへふわふわ移動した幼女が、またエプロンを装着しながらこちらを見て、ニコリと笑った。
どんな意図があるのかと近寄れば、チラリとサブマスを見てからこう言い放つ。
「夕飯はあの子の好きな物でご機嫌を取りますが、みなさんもいかがですか?」
ごちそうさまです。
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メニューはオムライスのビーフシチューがけ、サラダとオニオンスープのセットでした。
美味しい食事も済み、ダンマスルームは満腹感と満足感で幸せな空気に包まれていた。
こんな空気でするべきでは無い……と言うか、こんな空気だからこそするべきと言うか。
質問してみたい事を、取材班は思いきってぶつけてみた。
Q.どうやってダンマスになれた?
A.主神から押し付けられたから。
Q.ダンマスになってみてどう思った?
A.正直助かりました。 神の都合でこんな体にされて、どうやって生計をたてようか悩まず済みましたから。
Q.こんな体? 以前はどうだった?
A.身長を小さくされました(にっこり笑顔)
Q.ダンマスは大変?
A.そりゃあ大変ですよ。 冒険者がなにかやらかさないか、いつも気が気じゃないですから。
Q.良いところは有りますか?
A.管理している低級ダンジョンを卒業して、立派に別のダンジョンで活躍している奴を見ると、面倒みた甲斐があったと嬉しくなります。
これじゃあ学校の先生視点ですよね(笑)
Q.質問の毛色が変わりますが、サブマスとお揃いの指輪ってことは、つまり?
A.ノーコメント!(顔真っ赤)
Q.ダンマスルームでは、いつもそうやってサブマスの膝に?
A.こいつが無理矢理、ね?
Q.その割には、嫌がる様子もないようですが?
A.うるさい! 次っ!(アホ毛がサブマスの腕へ巻き付く)
Q.家事全般のスキルがかなり高いようですが、花嫁修行などなさっていたのでしょうか?
A.してません! 独り暮らし等の経験から、必要となって自然とMAXになっただけです!
Q.ダンマスは女性ですし、男性……異性と交際しようと思ったことはありませんか?
A.無い! 生涯でサブマス以外となんて考えられない! これと別れたら多分、誰に迫られても受け入れるなん――――だぁ!? 何が起きたっ!?
質問の途中で前屈するように後ろから、ダンマスを巻き込んで倒れ込むサブマス。
その体は小さくプルプルと震え、さらに何やら小声でうなっている。
我々が心配でしばらく観察していると、幼女が抜け出してきた。 巻き付いていたアホ毛もほどけて、少しヨレヨレになっている。
でもどこも悪くしていないようで安心したが、問題はサブマスである。
ようやく震えが止まったとおもったら、勢いよくソファーから立ち上がり、たちまちの内にダンマス幼女を米俵みたく担ぎ上げた。
「今日の取材はここまでで良いですか?」
かなりの迫力で訊いてきて、取材班の責任者から「十分です」と返せば、女性は満足気にスマイル。
「おい○○!(プライバシーの問題により伏せ字) 降ろせコラ! お客様の前だぞテメェッ!」
ハートマーク型のアホ毛を生やして、顔もリンゴみたく色付いた幼女から口汚い怒鳴り声が聞こえるが、サブマスの耳へは一切届かない。
「わたし達はこれからお風呂です。 今日の取材お疲れ様でした」
「○○! 聞いてんのか○○! お客様がいるのに、なに○○○○○○○!!」
耳まで赤くしたサブマスがこちらへ軽くお辞儀をしたと思ったら、次の瞬間に我々はダンジョン入り口まで、お土産コミの荷物までまとめて瞬間移動していた。
何を言っているのか分からないと思うが(以下略)
~~~~~~
(映像はダンジョン入り口周辺の夜景&犬の遠吠えSE)こうしてダンマス1日密着は終わった。
この密着で分かった事は、ダンマス業の過酷さ。
取材中、緊急事態にこそ遭遇しなかったが、そうなったら取材どころではなくなっただろう。
注意深く観ないと判らないが、何かがあった際、自然体に見えてもすぐ動けるよう常に気を張っていた様子だった。
そうし続ける心構えに耐え抜く精神は、我々には無い。
今頃はサブマスとふたりで、つかの間のリラックスタイムだろう。
このままトラブル無く、1日が終わりますように。
取材班一同がダンジョンへ一礼し、それが取材終了の合図となった。
ダンマス幼女の実家
番組開始
母・父・妹『あっ……』
妹「寝起きでひどい顔と声なのに、パジャマがきれい過ぎるね」
父「ちょっと待て。 なぜお前がそれを……。 じゃない、テレビだから身なりを整えたって考えるのが、普通でしょ? 娘をそんな風に育てた覚えは━━」
母「はいはい、番組に集中集中」
父「いやいや、いまのはちょーっと聞き逃せないぞ!」
母・妹『……焼き魚美味しそう』
父「聞いてよっ!」
妹「お姉ちゃんの客用口調がキモい」
母「頑張ってる方よ? ちゃんと社会人してる様で安心だわ」
父「…………」(涙目)
朝ごはんを食べてから
妹「あれ? いつも着ぐるみパジャマのお姉ちゃんが、普通……まとも……じゃないけど、服を着てる」
母「さすがにお客様がいて、着ぐるみパジャマは無いでしょ。 ……本音としては、できればロリータファッションで出てほしかったけど」
妹「お母さんはブレないなぁ。 ……でもまあそれは置いといて、格好が女子小○生と、そのママ」
母「昔を思い出しちゃうわねぇ」
妹「何言ってんの、お姉ちゃんはお兄ちゃんだったでしょ」
母「あらあら、うふふ。 そうだったわね」
父「……疎外感」
午前のお仕事
妹「何言ってんの。 緊急事態がなければ、テレビ・ネット・ゲーム・スキルレベル上げとか、気ままにやって時間潰してるくせに」
母・父『ぷふ……』(肩震え)
昼食の場面
妹「うわ~、あれ全部お姉ちゃんの手料理でしょ? 美味しそう」(携帯端末いじりー)
母「でも全部別種の丼なんて、大変だったでしょうに」
妹「スキルで楽勝~ってんでしょ。 ……お、晴夏さんから返事きた。
あれは元々、なんでも注文しろってリクエストを受け付けて、ドン引きされた後で晴夏さんがフォローした結果だってー」
母「上の娘は、どうしてああまで料理上手になれたのかしらね?」(妹をチラッ)
妹「あーあー、聞こえなーい!」(耳ふさぎ)
商店街入り口
妹「何やってんの、あのふたり」(携帯端末いじりー)
父「見た目は完全に、おねだり失敗した子供だな」
母「暴れる子を上手に肩車するなんて、晴夏ちゃんはテクニシャンねぇ」
妹「判明。 お姉ちゃんが商店街で売られてる、おやつになりそうなのを全部買おうとしたみたい」
父「なんだそりゃ」
妹「取材に来た人だけじゃなくて、収録したデータを編集する裏方さん達にも……いやいやいっそのことテレビ局全員にも、お土産をやらないと不公平だ~とかって。 際限無く対象を増やそうとしたって」
母「あらあら」
父「大きなスーパーにも負けないよう、商店街へ補助金として寄付しているのは知ってるが、やりすぎだ馬鹿野郎め」
施設紹介
妹「あのリンゴってお姉ちゃんか時々持ってきてくれる、MPの上限が少し増えるやつだよね?」
母「そうね、あんな所で育ててたのねぇ。 ひとつおいくら万円のアレ」
父「贅沢だなぁ」
妹「アレの本領は美味しく料理できた時だよね?」
母「そうね。 生でかじると、ひと桁前半。 上手に料理したら20とか増えるのよね。 あの子が焼いてきてくれたアップルパイが、そうだったのよね」
妹「あいつら、リンゴの価値を知ってて隠したのかな?」
母「どうかしらね?」
施設紹介で、寝室へ触れずに終わって
妹「あー、やっぱ寝室は取材NG? どうせ部屋に、口には出せないブツが堂々と置かれてるんでしょ?」
父「…………」(白目)
生産施設でスキル訓練
妹「へえ。 生産スキルは、出来がキモねぇ。 回数回数、とにかく回数。 そんなのを周りは唱えてたけど」
父「…………」(妹を涙目で見ている)
母「あのキッチンを使えば、スキルの伸びがよくなるかしら?」
妹「そして3度目のメシテロよ。 お姉ちゃんに料理おねだりしちゃおっと」(携帯端末いじりー)
母「自分で作るって気概は?」
妹「ん~~~、ないっ!」
母「はぁ」(ため息)
質問タイム
三人『…………』
妹「前半と比較して、後半のノロケっぷりよ。 砂糖吐きそう」
母「良いじゃない。 今後も安心だわ」
父「上の娘は心配してない」
妹「あ゛?」(父をにらむ)
(ここで晴夏の暴走開始)
妹「あ~……うん。 晴夏さんはそうだよね。 いつも気持ちを口にしてほしいって、ぶーたれてたし」
母「腰砕けになったら、変なスイッチ入るのねぇ晴夏ちゃんって」
父「ピー音乱舞……これ、こっちが明日職場でからかわれそうだ」
妹「まずい事を言わないよう頑張ってたのに、こんなところで……」(肩震え)
母「微笑ましいわねぇ」
〆(しめ)のナレーション
妹「何言ってんの、こいつ」
母「ダンジョン整備でやれること全部やって、娘がしばらくいなくても大抵なんとかなる体制を整えたって、自慢してたものね」
父「番組としての体裁が有るんだろ? 多分だけど」
妹「今このネタで、お姉ちゃんをからかってやろうかな?」(携帯端末いじりー)
母「下の娘は、いつ姉離れするのかしらねぇ」
父「っ!!?」(母をガン見)
妹「お母さん!? 変な勘違いはよしてよ!!」
父「っ!?」(妹をガン見)
母「あらあら、勘違いなのかしら?」
父「!?!?」(母をガン見)
妹「勘違いったら勘違いですぅ!!」
父「!!!?」(妹をガン見)
総評
妹「お姉ちゃん、猫被りすぎて気色悪い!」
母「ふふふ。 この子ったら、息子が娘になって帰ってきてから、ずいぶんお姉ちゃんっ子になっちゃって」
妹「知らない! そんな訳無い! つーかお母さんだって、お姉ちゃんがお気に入りじゃんっ!」
母「フリル・レース・リボンが沢山付いた服を着せたくなる、可愛い子は大好きよ?」
父「………………」(妻子の様子に絶句)
父、娘の事情へ過敏になるお年頃。




