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TS幼女は神罰を遂行する

 おまけ(閑話)です。


 おまけの割には、結構大きな事件が起きていますが、この話で大事なのは馬鹿ふたりです。


 世は(なべ)て事も無し。

 おいーっす。 現在婚約期間中で新年度を迎えて、婚約者からより玩具とか抱きぐるみ扱いされるようになった、アホ毛付き薄ピンクポニテTS幼女だぞー(白目)


 晴夏(はるか)の奴め、プロポーズを迫っていた頃は俺を膝に乗せるの控えてた癖に、指輪を(おく)ったら手の平かえして、今まで以上に膝乗せで抱きついた上にねちっこく構い倒してきやがる。



 あ、そうだ。 メタ発言で申し訳ないけど、キャラ紹介を出した以上、詳細な自己紹介は今後しないからな?




 ここからが本題。



 今日も今日とてダンマス(ダンジョンマスター)ルーム。 管理しているダンジョンの内部を、問題が無いか監視中。


 外見の性別が女同士だから正式なものではないが、神前の結婚式に向けてやってる準備も、監視と平行してやってるが順調。



 室内着の紹介だが、今日の俺は正体不明のモコモコ着ぐるみパジャマ。 着ぐるみのてっぺんからピョロンと飛び出して主張する、俺のアホ毛が特徴的。


 シマエナガって鳥と言うか、人型モップ風を白くしたと言うか、まっしろしろすけと言うか、とっくに忘れられた森の精と言うか。


 とにかく、そんな感じのナニカ。 【裁縫(さいほう)】スキル全開で手縫(てぬ)いした、自作品。


 そして(それ)を膝に乗せている晴夏はと言えば……(チラッ)


「どうしたの? もしかして変な気分になった?」


 俺の視線に(さと)く反応したこいつの格好。


「その格好、なんだ?」


 アホ毛も一緒に“?”の形となって思わず(たず)ねてしまうと、少しとろけた顔をしながら頬に手を当ててクネクネしだす。


 ……おいやめろ、俺が膝の上にいるんだぞ。 グラグラする、落とされる。 マジやめろ。


 必死にバランスを取りながら、いっそのこと飛び降りてしまうかなんて、脳内で検討し始めた頃にようやく返答が。


「ネグリジェ。 ()かなくても、見れば分かるじゃない」



 …………うん。 どんな気の迷いか、このモコモコ着ぐるみを見た晴夏は、わざわざ短いふくらみ袖(パフスリーブ)でロング丈のネグリジェに着替えた。


 ネグリジェと言ってもスケてるのじゃなくて、しっかりした生地のやつだからな?



 これを機に言うが、ネグリジェと混同されやすいベビードールはかなり違う、TSしてから教わって知ったのだが。


 分類として大きな違いは、ワンピースパジャマか下着かだってよ。


 俺はてっきり、どっちもスケスケでスケベな夜用衣装だと思っていたんだわ。 違うと知って、結構な衝撃(しょうげき)だったなぁ。



「もしかして、スケスケのベビードール姿を見たいの? ごめんね、夜まで待っててね♪」


 少し放っておいたら、なんか変な流れになってる!?


「違うからな!? ただ俺の格好を見て、なんでそれに着替えたのか気になっただけだからなっ!!」


 慌てて訂正をかけるが、状況はほとんど変わらない。


 が、まあこの返答を分かっていたんだろう。 返ってくる晴夏の声は、案外落ち着いていた。


「モコモコしたクッションを抱える、内気で外出が苦手なものぐさ女の子とか、ぴったりかな~って」


 なるほど。 ズボラな女の子=真っ昼間の家でもパジャマ。 そんな公式か。



 ……でもな? つい思っちまう訳よ。


 20(ハタチ)越えて“女の子”は無いだろう。 俺も同い年で、身長の関係で“女性”と見られず女児だの幼女だの言われてっけど。


 それで俺はさ、こうも思ったんだよ。


 晴夏が女にしては平均よりちょい長身で、実年齢より年上に見られても、3サイズだけの数字で見れば女の子扱いも間違っちゃいないのかもなぁって。


 だからな?――――



 がしっ!



 ――――がしっ?


 ちょっと晴夏の存在を忘れてつらつら考えようとしていたら、なんだか頭を掴まれたような圧力がかかって、体が浮く感覚がして、ぐるっと体ごと方向を………………あ゛っ!!?


「ねえ……今、ヒトの胸を馬鹿にしようとしてたよね?」


 ちくしょう、何てこった! 晴夏のひんぬーコンプレックスを刺激する様な思考を、晴夏の膝上でしていた!!


 いくら揺らされていようが、ずっと座らされていたから馴れちまって、晴夏の存在を頭の片隅に追いやっていた!


 コイツが持っているスキルで、俺の思考を読めるんだった!!


 ああ! 目の前に! 目の前に!




 ~~~現在電波が乱れております。 復旧まで今しばらくお待ち下さい。 大変ご迷惑をおかけしております~~~




 ぐんにょり。


 俺のアホ毛も力を失って、完全に垂れてる。



 うん。 はい。 ね?


 晴夏ハトテモ可愛(カワイ)ラシイ女子(オナゴ)デス。 俺ノ(アイ)スル、(イト)シイ愛シイ彼女デス。 ハイ。


 女の魅力≠胸(おんなはむねじゃない)。 そんなのは教え込まれなくても、分かってるよまったく……そんなんだったら好きになってないっつの。


 それで、お前の肌ツヤが随分良くなったし、これで満足か?


 立ち上がれないほど俺をヤり込めて、ソファーに座るコイツの(もも)腹這(はらば)いで横たわるほどネチネチやって、騒ぎを聞きつけたダンジョン管理補佐(ドッペルゲンガー)に俺達を見せつけて、十分満足したか?



 あ? いつものだよ、いつもの。


 制裁を口実にした、スキンシップ。


 最近は制裁の度が過ぎて、謝ってから少しされるがままされて、ハイ終わりじゃなくなって来てるけどな。


 俺からの告白→プロポーズで、どれだけ遠慮をしなくなったのか、ここんとこずっと激しいの。 道具だって遠慮せず使ってきやがる。


 おかげで羞恥心の目減りがヤバいのなんの。


 それで晴夏がある程度落ち着いたら、タマちゃん(喋るダンジョンコア)がその様子を茶化して、変な雰囲気は霧散(むさん)して後始末もやって終了。 そんな流れがいつものお約束。




 ひと悶着(もんちゃく)済んで、適当に生産系スキルの指導を晴夏へ行っている時だった。


 地球の管理総責任者、通称主神(変態)からのメッセージカードが目の前にひらり。


 それを受け止めて読んでみたら、今回はお仕事モードだった。


 [ダンジョンを司る見習い女神へ、以前スタンピードを起こした国への再神罰指令です]


 こんな書き出しで始まった、今回の指令。


 なんでも、そこと友好関係にある国や国連のある国、それ以外の関係国のダンマスも全て引っくるめて、全てのチャンネルで伝えろと神託を出してもまったく従わないんだと。


 その国にいるダンマスと、ダンジョンそのものの軍事利用が止まらないんだそうな。


 それで神が憂慮(ゆうりょ)


 平和的な世界の発展を願って用意したダンジョンだが、このまま悪用するならダンジョン閉鎖するぞ。


 そう警告しても従わなかったから、ガチ閉鎖。


 ……うん。 この辺まではテレビやネットのニュースでも取り上げてたし、知ってる。


 平和的な発展なんてお題目の裏で、面白そうだったからダンジョンの概念を取り入れたのが、神々の真意とか言うのは、知ってるけど知らないからな。



 問題はそこから。


 これで止まるかと思ったら、今度は兵器としての核開発開始。


 ――――なお、俺が神にさせられたきっかけにもなった、核兵器関連施設ダンジョン化以降、平和利用の為の核研究以外は事実上禁止されている。


 はずなのに、それでも断行しちゃったってよ。


 どこまでも野心(あふ)れた国家であるらしい。



 んで、その行為も()めろと散々声かけしているのに、全然()まらない。


 そこで俺に白羽の矢。


 [その施設をダンジョン化するから、他のダンジョン化施設と同じく管理よろしく。 今回のダンジョン化は派手にアピール(実力行使)するから、内容(出撃させる魔物)を選んでね]と来たもんだ。



 拒否権? どうせ無いよ。


 人間目線では遠い未来だけど、不老者目線ではそう遠くない未来には、主神のいる場所へ俺は行かにゃならん。


 結婚する晴夏も、心変わりが無ければ一緒にって言われてるから、気分が多少楽だけど。



 つまりこれは、人間としての価値観を捨てさせる練習になる訳だ。



 重要クエスト:ろくでもない連中へ神罰を下せ!


 平和をよしとせず、武力を大前提として物事を考えてばかりの地球を壊す因子に対して、警告の意味を含んだ軽い神罰を与えよ!



 って所か?


 こんな感じで間違っていないか、脳内表示のクエストメニューにある、書式をかくにn……おっ、新クエスト? なになに。


 …………。


「おい、主神(変態)。 俺のインターフェースにあるクエストメニュー、ふざけて言ったのに、マジでそのまま登録してんじゃねーよ」


 カードひらひらーん。


 [テヘペロ♪]


「うわっ、キモ……」


 カードシュパーンっ!


 [ヒドイ!? と言うのはおふざけだけど、本当にお願いね?]


 ~~~


 晴夏、タマちゃん、俺、変態。


 神罰の執行時期や内容、その辺を4人で詰めて、現在は神罰遂行中。


 今の格好は、俺がやる初めての神罰って事で、ゲーム装備から和風女神っぽいのを適当に。


 晴夏は神の嫁だからとかで、巫女服。 コスプレの安っぽい物じゃなく、どこでどうやって入手したのか分からん、本職が着る本物。


 ……うん、夜に気が向いたら頼むのも、アリかも知れん。



「すげーな、コレ」


 ネットで生中継してるってんで、注意を動画へ戻し惨状を観てる。


「これを、わたし達がやったのよね……」


 相変わらずの膝乗せ抱っこだが、今は追加として晴夏と手を繋ぎ指も絡ませている。


 晴夏から伝わってくる手の様子は少し冷たくて、震えている。 これは罪悪感から来てるかもな。


 それとアホ毛? にゅるんと伸びて、繋いだ晴夏の手の甲へぴとっと貼り付いたのは、どんな意味があるんだ?



 俺は異世界へ飛ばされて、そこで人類相手に切った張ったをしたり、このダンマス業でヒトの生き死にを見守っている経験から、幾分かマシだ。


 ……更に異世界(向こう)で魔物のスタンピードによる大量駆除経験もあるし、ここまで大量のヒトが~ってなっても、心構えの有る無しは大きい。


 晴夏もサブマス(サブのダンマス)として近い立場にいるが、高難度ダンジョンの様子は見せない様気を回していた為、今回生中継を見せたのは失敗だったかもしれん。



 光景? 知りたい?


 しゃーねえ、聞きたくない奴は耳を(ふさ)げよ?


~~~具体的には、黒丸(●)の並んでいる所まで読み飛ばして下さい~~~



 新たに神級(通常人類ではまず死ぬ)ダンジョンが当該(とうがい)施設から変化する形で出現して、その入り口からヤバい魔物が出てきた。


 最初はとても小さな点……イルカやジュゴン等と見間違われそうなソレが、ダンジョンから出てきたら見る見る内に巨大化してしまった。


 基本はダンジョン内の床面積1割サイズ、最大全長2キロまで体の大きさを変えられる、陸地を泳ぐクジラ型魔物。



 本当は現地の神話を参考に、大地震を起こして大災害! って狙いたかったが、神話を見つけられず断念。


 次善として、架空のどんな神話でも出てきそうにない、どことも角がたたない超強力な魔物の採用となった。



 そいつがダンジョン神に許された権能で設定された、半径30キロの範囲で1ヶ月泳ぎ続けて、デカいトラクターの如く周囲を無慈悲に(たがや)す。


 進路にどんな頑強に設計して建てられたビルだろうが、立派に育った木だろうが、簡単には折れぬようそびえる展望塔だろうが、あっさりとポキポキされる。



 防衛の為にご大層(たいそう)な兵器を幾ら投入しようが、魔物の総HPから見れば全て豆鉄砲とか輪ゴム鉄砲程度のダメージ。


 そもそも通常兵器では、魔物へまともなダメージを出せないんだよ。


 ダンジョンの魔物は魔力で出来てるみたいだから、人間の生体エネルギーだの魔力だのが乗った攻撃が有効なんだよ。


 だから引き金ひとつで撃ち出せる飛び道具では、オカルトパワーを満足に載せられず、あまり効果がない。



 兵器(そんなの)を進路に無い限り無視して、悠然(ゆうぜん)と泳ぎ回る魔物。


 目の前に障害物があれば口を開けて飲み込み、口の範囲に無い物は体で潰し押し退けて、堂々(どうどう)まかり通る。


 上空からの映像で(あと)に残るは、赤い点々やゴミみたいな残骸(ざんがい)、そして巨大なナニカ(クジラ型魔物)が通った痕跡のみ。



 ●●●●●



 これがダンジョンの神に許された権能か。


 戦略兵器並の危険性を持った災害を、簡単に起こせる力。


 俺自身の魔法でも似た事は出来るが、こちらの方が悪質だな。


 魔法は自力で発動させるから、自分の力でコレだけの破壊を撒き散らしたと自覚できる。


 しかしコレはゴーサインひとつ。 まるでロボット掃除機の電源を入れるのと似た感覚で、お手軽大災害だ。


 やらねばならない執行側が負う、責任の重さを軽くしてくれる部分は良いが、これに馴れるべきじゃない。


 人の命を極限まで軽くしてしまう、デメリットが恐い。



 その辺を晴夏はどう思っているだろうか? 手がまだ大分震えているし、心に酷い負担を強いてはいないだろうか?


 そう考えて顔色を(うかが)うと、血色自体はあまり良くないが引き締まった表情で、動画をしっかりと見据えていた。


 俺が晴夏を観ているのに気付いたのだろう、向こうも俺をチラッと見て、ポツリ小さく言葉を(こぼ)す。



「この程度は受け入れて、見届ける位が出来ないと、一緒に居られないものね」


 それって、


「ずっと、俺と()()げてくれるのか?」


 つい()れてしまったモノに晴夏が、


「アンタからのプロポーズを催促したのは、わたしなのよ?」


 いや……でもさ、


「普通の人間なんて比べられない、永い時間だぞ? それにお前まで付き合う必要は無いぞ?」


 大変だぞ? 老後なんて来ない、3桁年なんて目じゃない時間ずっと夫婦とか、多分普通の人間じゃおかしくなるぞ?


 相手の欠点とか嫌いな所とかを、ずっとずっと見続けて行くんだからな?


 時々聞く熟年離婚とかさ、


「やかましい。 わたしは、貴方(あなた)と、ずっと居たいの」


 でもさでもさ。


 こっちからプロポーズしたは良いが、心配事項は尽きない。


 まだ質問を重ねようと開いた口が、何か柔らかいものに(ふさ)がれた。



 口と口が離れ、晴夏の顔とも距離が空く。


 姿勢が姿勢だけに、首がちょっと痛い。


 それから真面目な(つら)で怒鳴られた。


「ごちゃごちゃ本当にうるさい! わたしは理屈抜きで貴方を愛してるの! 貴方はどうなのよ!?」


 さっきのキスとこの迫力に負け、思ったまま口走る。


「──────」


 その胸中は、神罰がどうとかの問題はとっくに消えていた。



 そして俺は何と言ったのだろうか?


 まあ相対している奴の滅茶苦茶(めちゃくちゃ)に赤くなって、魚みたく口をパクパクさせている顔とか見れば、大体予想がつくけど。


 ……恥ずかしいこと言っちまったんだろうな、大好きだ~だの、愛してる~だの。


 そんでもって多分俺も顔が赤くなってると思う。


 でもキスなんて今更だし、ちょっとされただけじゃ何ともないはずなんだが……どうしたんだろうな、俺。


「なら、なんの問題も心配も無いじゃない!」


 真っ赤なまま、全力でそっぽを向いて叫ぶ晴夏が可愛く見える。


「このままわたし達のペースで、おしゃべりして、どっかで遊んで、口喧嘩(くちげんか)して、喧嘩なんて無かったみたいに又はしゃいで、笑って行けばいいのよ!」


 内容が酷い。


 酷いけど、でもそれは実に俺達らしい。


「……そう、だよな」


 晴夏に迫られた勢いから始まった、今の関係。


 俺達らしく、お互いの関係は勢いに任せた方が()()()んだろうな。


 アホ毛も同意してるのか、ピョンピョン跳ね回るみたいに動く。



 俺達らしく勢いで結婚式を行い、勢いで夫婦生活を送る。


 そして勢いで、神だから可能と言われた同性での子どm……。




 なんか溶けてたっぽい脳が、急速に修復されて行くのが解る。


 さっきまで楽しそうだったアホ毛さえ、今はとても大人しい。


「晴夏、俺達らしい勢いで進むのは良い。 だが家族計画だけは、絶対勢いに任せちゃならん事柄(ことがら)だから、そこだけは否定するぞ」


 経済面は本当に問題無い。 もしヤバくなっても俺達の超高ステータスにモノを言わせて、高難度ダンジョンのドロップを集めて、必要なだけ売ってやれば良いんだし。


 でも子供だけは、きちんとしてあげねば!


「ええ~~~~~っ!!?」


 こっちに向き直って勢いのまま不満を見せるこのおバカには、歯止めをかけなきゃならん。


「結婚1年目で、赤ちゃんの健康を気にして夜は我慢とか、お前が出来ると思うか?」


「無理っ! お腹が大きくなっても、絶対にするっ!!」


 アブノーマル!!?


「そんなんだから家族計画が必要なんだよ、このおバカ!!」


「なにをーーーーっ!!」



 〈膝抱っこしながら、至近距離でこんな話してるバカップルの夫婦が、簡単に離婚するとか絶対あり得ませんって……〉


 タマちゃんが何か言った気もするが、今はそれどころじゃない。 アイツへは双方の両親に頼ってでも、ちゃんと教育してやらねーと!

幼女の実家、クジラ型魔物のニュースを見て



妹「なんかトンデモない事になってるね?」


母「何度も何度も警告する神託が降りていて、これだもの。 今更よ」


妹「それにしてもこの映像。 横から撮影したものにしては、クジラ以外ほとんどモザイクって、どれだけアレな映像だってのよ」


母「ご家庭へ見せるなんて、とてもじゃないけど出来ません。 って部分としか思えないわね」


父「…………(ちょっと想像してしまい、口に手をあてている)」


母「ところでこのクジラ、あの()達なら倒せたりするのかしら?」


妹「あー、うん。 楽勝だって」


母「流石神様になるだけはあるのね」


妹「素手で、中級の打撃スキル技1発。 口から中へ入ってしまえば、普通の全力パンチ1発。 あのふたりなら、それで倒せる位だって」


父「OH……夫婦揃ってそれか。 本気の夫婦喧嘩が始まったら、地球は滅ぶかもしれんな」


母「心配はいらないわよ。 あの娘達、特に晴夏ちゃんが問題なんて、スパッと切っちゃうだろうから」


妹「あー。 お姉ちゃんは変な心配をすぐし始めて、ウジウジとヘタレるもんね」


母「異世界の経験から……も有るんでしょうね。 見当違いとか価値観の違いとか、持ち出したりして」


妹「それをスパッと晴夏さんが。 ……うん、ヘタレお姉ちゃんを引っ張ってくれる、相性の良い相手だ」


父「でも、それで暴走するとかも、あり得るだろ?」


母「そこはまあ……(妹をチラリ)」


妹「あのヘタレお姉ちゃん、夏休みの宿題とかで追い込まれると、すごく強くなるんだよね(母をチラリ)」


母「それに、取り返しのつかないミスには敏感で、それから逃げるのはとても上手なのよ」


父「…………つまり、ほとんど全力にならないグータラ娘(呆れ)」


妹「いやいや。 アレ、趣味には全力を出してるから」


母「困ったものよね。 お願いした事以外も、ちゃんとして欲しいわぁ」


父「趣味や頼まれ事以外は手を抜く、グータラ娘。 余計悪くなってないか、それ?」


妹「そんな性格だったから、駆け出し冒険者が世界一手厚い補助を受けられるダンジョン。 とか言われるのを作れたんでしょ?」


父「ヒトの役に立つ事をしたのは良い……けど、ちょっと素直にほめるのはなぁ」


母「あの娘には、せっかく用意してあげたゴスロリとかの可愛い衣装に、興味を持ってほしいのだけどね?(ギラギラした目)」


妹「ぼそっ(趣味へは全力……それの大元はこっちだったかぁ)」

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― 新着の感想 ―
[良い点] シマエナガってなんだ?(調べる) なんだこのかわいい生物は、これはいけませんわ。 茂木さんも止まらんわけだ。 [気になる点] ダンマス幼女と茂木さんとの子供は神になるのかな? [一言] ネ…
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