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【連載版】TS幼女は神様に都合良く使われる  作者: まい
1章 TS幼女はダンジョン運営を始める
13/30

TS幼女は神様の行いに戦慄する

 急展開を迎える短い回ですが、その急展開なんかより、己の体裁の方を気にするダンマスTS幼女です。


※ 2023/03/14 対処の方法を変更(追加)しました。

 現在5月半ば。 新生活応援イベントと連休中の小イベントも終わり、母の日には俺のスキルで調合した基礎化粧品とか言うのを一式と家の家事代行をしてみた。


 母の日イベントはしてない。 ダンジョンアタックしてねーで、親と接してやれってな。 母の日に関係ない方達は、いつも通りご利用下さいってやつだ。



 ……ん?俺をママと呼ぶ変態()をどうしたかって?


 どれだけメッセージカードをヒラヒラ寄越そうが、総スルー。 物を送って来た際には、神社エリアへ直行して即奉納で叩き還した。



 そんな日を送った数日後。 緊急依頼と言う文字が、視界に表れた。


[大量破壊兵器搭載の飛翔体が一基、国へと向かって飛んでいる。 その対処を頼む]


 そう書かれており、読み終わった瞬間から赤い三角矢印が点滅して方向を示している。


 コレはゲームでよくある方向ガイド。 その先に依頼の目標がありますよってアイコンだ。 コレのお陰で色々助かった。 なんて過去を振り返っていた時だった。


 ヒラヒラ。


[緊急依頼は神から。 ママなら安全確実に対処出来る。 お願いします]


 とオフザケ無し(ヒトをママと呼んでいるのはこの際無視)のメッセージがくる。


 その後、神とのやり取りと準備を手早く済ませて出動!




〜〜〜〜〜〜




 地上を突っ走るだけ突っ走り抜いて、現在崖のフチ。 ここから先は海で道がない。

 常人なら、ね。


 っつー訳で、アイキャンフライ!


 重力操作の魔法で無重力。 推進力は強烈な追い風の魔法と、魔法やらスキルやらで固めた不可視の足場を蹴った反発力。


 大急ぎの仕事の為、恥を捨てて以前使用した恥ずかしい外見のガチ装備。


 装備の補正能力でガンガン進む進む。 調子に乗ったアホ毛は空気の壁をものともせずに、三角矢印と同じ方向を指し示す。


 もちろん装備も空気の壁などなんでもない。体がゲーム仕様に近いからか、高速移動してますよ~って程度の揺れしか起きないのだ。


……考えたら負けだよ。 そう言う物だと思えばみんな幸せ、いいね?



 やがて見えてくる飛翔体。

「当たり前だが、実物は初めて見た~」

 なんてボンヤリしてる場合じゃない。


「はい、インベントリに収納。 これで終わりっ」




 帰りはひどくあっさり。 転移する魔法で、ダンマスルームへ一瞬で帰還。 ただいま~。


 〈お帰りなさい。 早かったですね〉




〜〜〜〜〜〜




 …………なんて事はしないで、打ち合わせ中に神が教えてくれた詳細な弾道だともっと楽な方法を見つけたんで、そっちに変更。


 神もそれでOKと返事をもらってる。



 その弾道だけど、本拠地ダンジョンの上空を通るようなんだよな。


 だから政府に手出し無用の連絡と対処法の通達をした上で、飛んでくるのをダンマスルームで待つ。



 そんで上空まで来たら、一時的に特例で現実の上空にまでダンジョン領域とできる設定に変更。


 変更した瞬間にダンジョン内ワープで飛翔体の隣にワープして、インベントリに収納。


 再びワープでダンマスルームへ戻る。


 の後に、ダンジョン領域を通常通りに戻す。


 うん。いちいち海まで行かずに済んで良かったわ。




 〈……全然盛り上がりませんね〉


 なんか呆れ声にも聞き取れるタマちゃん(ダンジョンコア)の声。


「インベントリに収納するだけの、簡単なお仕事だったからな」


 壊そうとすれば爆発するかもだし、地球外に投げ捨てても軌道修正して戻ろうとして変な所で爆発するかもだし、跡形もなく蒸発させる……のはもったいないし。


 ならどうするか?で収納。 そしてインベントリ内のその飛翔体を対象に解体スキルで大まかにバラした。 あとは撃ち込んだ証拠として政府か自衛隊かに提出するだけ。


 〈撃ち込んできた経緯とかは分かりますか?〉


「神から聞いた話だと、頭のおかしい誰かがスキルや魔法を組み合わせて、トンデモハッキングツールを開発。

 それで飛翔体の分厚いセキュリティを突破してこの国に飛ばしたんだとよ」


 〈どんな組み合わせだったんでしょうか〉


「知らん。 知りたくないし、神が対処すると言ったから再現不能だろう」


 なんて話している所でヒラヒラー。


[組み合わせたら違う効果になるよう対処したよ。 ついでに実行犯はスキル魔法完全封印、レベル1に低下でステータス数値固定効果のある称号をプレゼント。

 おまけで記憶を覗いたら、ムシャクシャして軽い気持ちでやった、反省もなにもない。 だって]


 〈……こんなのに世界規模の戦争が始まりかねない、重要な引き金を引かれたと〉


 追加のヒラヒーラ。


[打ち合わせ通り、緊急の神からの会見を任せるよママ]


 これを読んだタマちゃんは、なんか嬉しそうな声で俺に訊ねてくる。 その声色と次の予定から、気力もアホ毛もしぼんでくる。


 〈マスター、会見場所は?〉


「神の広報官らしく、神社エリアで。 政府に告知を任せてから、飛翔体の回収にでかけた」


 〈何を話すのですか?〉


「飛翔体を飛ばされた事に対する経緯と対応の公表は国へ任せて、神がやる事を神に代わって」


 〈具体的には?〉


「地球上にある飛翔体置き場と、載せる物の研究所全てを、外部からの干渉を一切排除する方式のダンジョン化。

 そしていつもの異空間を設置する形じゃなくて、土地そのものを変える、最悪スタンピードも起きるタイプの奥深くに安置するって」


 〈ダンジョンの難易度も聞いてますか? 簡単すぎたら意味がない処置ですし〉


「現在最高難度の超級を越えて、俺位じゃないと踏破不可能な神級。 中身は全10階のボスラッシュだって。

 俺が会見で発表すると同時に実行するそうな。 神は管理しきれず乗っ取られた危険物に、本気で怒ってる」


 〈……実質の封印と神罰ですね〉


「現地のやつが自力踏破したり、ハッキングへの対処法が確立したら何か緩めるだろ。 多分」


 俺がなげやりにテキトーな返答をすると、なんかさっきまでよりイヤらしい声色がタマちゃんに混じる。


 〈会見には、どんな衣装で?〉


 ……あー、久し振りにオヤジっぽいタマちゃんになりやがった。 これを言いたかったのか、コイツ。 と直感で理解した。


「真面目な会見だからな。 以前使ったスーツに決まってるだろ」


 〈それではいけませんよ〉


 俺の返しに納得していないらしい。


 〈場所は神社。 神の言葉……神託を下す訳ですから、それにふさわしい衣装が有るでしょう?〉


 ……言いたい事は分かる。 伝わっているが、着たくない。 だからすっとぼけて逃げる!


「分からん」


 〈初詣で着た巫女服ですよ〉


 しかし まわりこまれた !


 ひらひらー 。 かみ(へんたい) の ついげき !


[真面目な会見です。 巫女服でお願いします。 改造巫女服がいいと、ワガママは言わないから、お願いしますママ]


 べちーん! と床にカードを叩きつける。


「巫女服を着ろって時点で、ワガママになっとるわぁ!!」


 〈確かにワガママではありますが、場所を考えると巫女服が正装であるのも否定は出来ません〉


「ぐぅっ……!」




 やはり逃げられなかった。


 〈ついでに、上へ羽織る千早も有れば一緒に――――〉


「そこまでこだわる必要は無いからっ!!」

※恒例の遊びチックな後書きはありません。


 次を考えると、ここで遊ぶ訳にはいきませんので。

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