表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】TS幼女は神様に都合良く使われる  作者: まい
1章 TS幼女はダンジョン運営を始める
11/30

TS幼女は新生活を応援する

今回は新生活応援キャンペーンの実施。


初心者向けダンジョンを管理して、挑戦者を育てる仕事を任されているダンマスTS幼女は、ドンドコ教育者……保護者じみた思考に汚染されて行く。


このままだと幼女はママへと一直線。

どうなる幼女。

どうする幼女。


誰かの頭をナデナデしはじめたら、恐らく終わりの始まりだ幼女。

 今回の応援はボス戦じゃない。 ボスよりも手強い、新しい環境との戦いを応援するんだ!


 てな訳で、4月に入ったらどんなイベントをするかだが、ソレに決まったダンマスTS幼女だ。


 4月の第2週から、5月の連休が終わるまで。


 長い? 良いんだよ! 社会人がそんなに冒険者業を兼業できるか! だから長くやるんだよっ!


 それとコレ以外に、何もイベントが思い付かなかったからじゃないんだよ!


 話題を探しても、ここの絶景ポイントが一番美しくなる季節とか、どこぞの植物園でハナガサイタヨとか、そこらの動物園でやったねアニマルちゃん!新しい家族が殖えたよ! とかのネタしかねー! って絶望した訳じゃねーんだからな?


 言葉選びが不穏? それこそ知ったこっちゃねー。


 〈動物園でカワイイ赤ちゃんの動物が生まれたネタで、アホ毛をブルンブルン回しながら「ふおぉぉお!」とほっぺたを真っ赤にして興奮した顔のマスターは可愛かったですよ?〉


「うるせー!! それを持ち出すんじゃねーよっ!!」色んな感情でアホ毛がツンツンビンビン跳ね回って頭皮が痛くなるんだよ!


 〈……はぁ。 涙目幼女が可愛い〉


 …………話を戻そうか(涙目)


 イベントの詳細(告知内容)だが、前回検討していたバフアクセ。


 ソレがイベント期間中の初挑戦時に、特定レベル未満ならばダンジョンへと転送された瞬間にて挑戦者の腕に自動装着される。


 成長にプラス補正とステータス向上が少量ついて、他人へとアクセが渡ったり、規定レベルまで達したら塵になって消える仕様にした。 もちろん、期間終了後も同様。


 そしてこっそり最低級の回復薬を、いくつか連中の荷物に交ぜ込んでいる。



 しかしこのバフアクセには欠点がある。 ソレをつけている=ド新人だ。 そこにつけこまれてトラブル発生なんて勘弁だ。


 アクセ自体は組み紐風で、それほど目立たないよう配慮はしているが。


 対策はお巡りさん達との連携と、リビングドール達に協力してもらってダンマスルームからの監視の強化、そしてドッペルゲンガー達の一部に一般魔物のふりをしてもらってダンジョン内の巡回。


 これでトラブルが防げれば良いな~と思ってる。



 ……おいドッペル達? その階にいる魔物の姿は良いが、なんでアホ毛が生えているんだ? 楽しそうに揺らしてるそのアホ毛だよアホ毛。


 そんなのを生やしていたら、すぐバレ…………あ? 見分けがつかないほうが問題? それでなんで目印がアホ毛なの? 面白いから? 理解できん。



「……この初心者ダンジョンの挑戦者をみているといつも思うが、動きはぎこちないし、判断も遅い。 どうにもじれったいんだよなぁ」


 現在ダンマスルームで、各地のド新人を見守り中。 今日は新人育成気分だから、ニワトリの着ぐるみパジャマ。 以前着たヒヨコと同じ、尻が時折ワサワサ揺れるシリーズ。


 だがソファとかに座っていて動く余地がないと、尻はおとなしい。



 ……オイそこだ、そのタイミングで一歩踏み込……あー、攻撃チャンスがもったいない。 って、ソレは避けろ! 食らうと痛……ほらー、怪我しちゃったじゃないかー。


 〈新人なんですから、的確な行動をとるための経験が足りていません。 それが分かっているから、回復薬をあげたのでしょう?〉


「……分かっていても、どうしても言ってしまうものなんだよ」


 スポーツ観戦を趣味にしている人なら分かるはず。 どうにもならなかったのは見れば分かるけど、あそこでこうしていれば逆転出来たのに~とかつい言うやつ。


 俺の言い訳を聞いていたのか、タマちゃん(ダンジョンコア)に実体があればジト目になってそうな声を出した。


 〈聞いている側は、ずっと聞かされ続けてウンザリするのです。 控えて頂けませんか? 〉


 これには反抗する余地はない。


「……努力はするよ」


 俺とアホ毛はシュンとする。




 出来るだけ黙って見守り、有事に備えているとタマちゃんから話しかけられた。


 〈ところで、マスターの新人時代はどうだったのですか?〉


「無いぞ」


 素っ気なく返す。 これは事実である。 新人らしい時代など、俺は無かった。


この姿(幼女)はゲームキャラ。 プレイ当初でも、ありきたりなシステムのゲームだったからドキドキ初冒険!

 なんて気持ちは薄かったし、幼女になって向こう(異世界)で活動しはじめた頃には既に激強ステータスで、スキルや魔法も特盛。 ミスとか命の危機なんざロクに縁がなかった」


 つまり、(かま)甲斐(がい)の無いガキである。 なのに、女性はやたらと俺を構いたがった。 訳がわからないよ。


 〈それはそれは、とても生意気そうな幼女だったのですね。 そんなツンツン生意気幼女がホンワリ微笑みかけてくれたら、どんなに可愛いことかと女性達は群がったでしょうね〉


「oh…………」


 だからしつこく関わってきた……いや、くるのか。 4年近く持ち続けた疑問が、さりげなーく解決しやがった。


 だがしかし、今の俺の態度は変えない。 笑顔の安売りをする? しねーよ、売りどころは見極めてからだ。 じゃなきゃ変なのが絶対にワラワラやってくる。


 それが理由だ、決して意識して笑うのが恥ずかしいから、ではない。 いいな?



 なんてタマちゃんと駄弁っていたら、その時はやって来た。 場所は支所ダンジョン(実家に近くない所の)


「あの引率がいない新人達、少しヤバいぞ」


 目視ではわからない距離で、中々にイキった格好のヤンチャさん達が魔物を大量に引き連れ(トレインし)て逃げ回ってやがる。


 そのヤンチャさん達の逃走経路上に、新人達がいるのだ。


 〈ドッペル達に救援を頼みますか?〉


「もちろん。 だがあのトレインの犯人連中は、映像と本人特定に必要な情報を用意してお巡りさん達にMPK(モンスターを他プレイヤーに押し付けてコロコロさせるのが由来)犯だと報告するだけで良い」


 〈MPK犯は了解しました。 ところで新人さんを救援するにしても、どのようにですか?〉


救援(それ)と気付かれないよう、新人達が死力を尽くせばギリギリ対処出来そうな数まで、こっそり減らす位だな。

 あとは何かがあれば指示する」


 〈新人さんに地獄を見せるのですか? 鬼畜ですね〉


 タマちゃんから批判の声がする。 が、ここは多少でも厳しくしてやりたい。


「地獄と言っても、ひどい疲れくらいだぞ? 冒険者をやっていれば、いつかはやって来る試練だ。 早い内に大量の魔物との戦闘を体験させてやれるなら、良い経験になる」


 コレばっかりは譲れない。 他所のダンジョンで魔物の溜まり場とカチ合わせた際の予行演習だ。


 それに、もしもの時に頭が動かないなんて危険な事態は、1度でも似た経験があれば大体避けられる。


 もしこんな数でへこたれるなら、冒険者は向いていないし、危険が大きすぎるから、一種のふるいにもなる。


 〈この状況を利用して、ドッペル達に支援させて安全の配慮をしながら、危険な経験を積ませる……ですか。 本当にお人好しな幼女ですね〉


 そこで毎度の、地球の(変態)からのメッセージカードがヒラヒラ~。


[幼女ママ。 その母性にふさわしく、今こそ縦セタとコルセットスカートを。

 母性の源であるおっ○いを全力で強調する、人妻チックな落ち着いた格好を……出来ればスラッシュ付きで]


 べちぃぃん!! 床に心を込めて叩きつけ、カードを消す。


 再びひらひら。


[ゴテゴテなフリル等がついたブラウスとコルセットスカートのセットも素敵ですが、ママは好まないみたいだから、そっちを提案したのだけど]


 バッチーーン!!


「言葉でセクハラしてくる変態は黙ってろ!!」




 〈神とコントなぞしていないで、新人達を気にして下さい〉


 神との格闘で、まだ息の上がっている俺に冷静な突っ込みをくれるタマちゃんに、現実へと引き戻された。


「どうなってる?」


 〈ヒイヒイ言いながら、ドッペル達の間引きに気付かず一生懸命、トレインに抵抗してます〉


「新人達のレベルはどうだ?」


 〈今回の騒ぎで規定レベルをさっさと越え、新人扱いは終了。 後は落ち着けば、ドッペル達の手助けがなくても対処可能になりましたよ〉


「ならばそいつ等を囲もうと動く魔物だけ、ドッペルの攻撃対象とするよう伝えてくれ」


 規定レベル以上なら、その階ではまず安全。峠は越えた。 俺のホッとした雰囲気をタマちゃんは読み取ったのだろう、声の調子が柔らかくなった。


 〈この新人冒険者達は、今回大量のドロップで大黒字でしょうね〉


「いや、赤字じゃないか?」


 〈???〉


「今回の経験で訓練エリアを使って、パッシブスキルを大量に取ったり、装備や消耗品を更新するだろう」


 〈ああ、より安全に立ち回る為に〉


「そう。 それで安全を過剰に意識して、余計なものまで買い漁って大赤字。 その出費を取り返すべく冒険者の泥沼により深く」


 ククク。 ダンジョン沼にいらっしゃい、ここは気持ちがいいぞ~。 強くなればなるほど安全簡単に金が稼げる。 しかも努力の成果がモロに戦果として表れるから、報われる努力と知れる。


 危険な体験を繰り返して、危機に対する恐怖感が薄れてスリル的な楽しみとなり、ドッキドキでワックワクな冒険人生を貴方も。


 なお、冒険者業で命の保証はありません。 初心者ダンジョンだけは救済の仕組みがあって、ある程度は安全ですが。



 〈マスター、なにやらマスターの背後から黒いモヤモヤが出ていて、アホ毛が不気味にうごめいてますよ?〉


 ――――おっとイケナイ、演技スキルを全開でぽわぽわーっと幼女スマイル幼女スマイル。 ついでにアホ毛もハートマーク、っと。


 〈…………黒いモノを誤魔化すためなら、あざとく微笑むのに抵抗がないですよね。 可愛いから良いですが〉


「モヤモヤが出るほど黒すぎると、幼女の外見だと必要以上に恐がられるからな。 それを向こう(異世界)で見せちまって、面倒事に巻き込まれた経験から気を付けてる」


 〈幼女なのに、苦労してますね……〉


「外見はな! 中身はガッツリ普通の男子だぞ!!」


 〈普通の男子は幼女の外見をしていませんし、女装にも抵抗があります〉


「その辺の原因は全部、向こうの女神! 俺は悪くねぇ、被害者だ!!」


 ひら~りひらり。


[今は完全無欠の幼女ママ。 元は何だって構わない。だから是非とも神のママになってよ。 そして黒いママの状態でなら、踏まれるのも良いかも]


 ズベチーンッ!!!


「黙ってろって言ったのに、黙っていられないのかよ! この変態がぁーーーっ!!!」

〈マスター。 今回のイベントの反応について、まだ半分位ですがまとめてみました〉


「そうか。 よろしく」



〈神社エリアの桜復活希望〉


「まだ言ってるのか」


〈また桜を見ながら酒を呑みたい〉


「おい」


〈なんで桜を消しちゃったの〉


「イベントに関係の無い、桜復活要望は除外で!」



〈アホ毛付きの魔物が強すぎて勝てません〉


「ダンジョン入り口の注意書きに書いてあっただろうに、なぜ挑んだのか」


〈アホ毛魔物をテイムしたい〉


「できねーって注意書き!」


〈組み紐を欲しいと言われたので、あげようとしたら消えてしまいました〉


「ダンジョンアタック前に、まず落ち着いて注意書きをしっかり読みましょう(こめかみピクピク)」


〈この間町へ出た時の変装は何? わざとらしく小さくしやがって。 そんなにこっちを挑発するんだったら、本当にもぐわよ?〉


「は? あの時は気が向いて変装スキルと幻影の魔法、ふたつの手段で姿を変えて遊んでたのに、見抜いたの?

 もぎ子(仮)さんって何者? っつーかどこからそれを見てたの? 怖いんだけど。 いやいや、そもそもこれはイベントと関係ないよな!?」


〈この間、沢山の魔物を誰かから押し付けられました。 対策をして頂けませんか?〉


「しました。 ですが、中級以上でもっと大変な目に遭う練習だと思って、ある程度は甘んじて許容して、苦労して下さい。

 そもそも初心者向け難易度でトレインして魔物を他者へ押し付けるようなら、冒険者として大成できません。 逆に鼻で笑ってあげましょう」


〈引率をしてくれていた先輩冒険者に、良いなと思って近づいた女の子をとられました。 ぜひ報復を〉


「知りません。 痴情のモツレは管轄外です。 頼らないで下さい」


〈一緒に冒険者登録をした仲の良い男性からの告白をせっつく為に、引率して頂いた先輩冒険者に気があるフリをしたら、変な勘違いされて仲をこじらせてしまいました。 助けて下さい〉


「お前ら勝手に爆発してろ。 そんなトラブルまで対処してられん」


〈いつの間にか、持っている回復薬が幾つか増えていました。 バグでしょうか?〉


「その回復薬については運が良かったと思って、ありがたくもらってしまいましょう。 もしそれ以外にも増えたものがあるのならば、報告してください。 バグとして対処します」


〈いつの間にか腕に巻かれていて、いつの間にか消えてしまった組み紐を返してください。 アレに願掛けをしていたのです〉


「規定レベルになったら消失するよう設定した物です。 それにあなたが願掛けをしていたのは、こちらの不手際ではございません」


〈新生活の応援……冒険者ギルドの本部から懲戒解雇を受けた者ですが、私も応援して頂けませんか?〉


「てめーは俺を怒らせた。 その報いを受けているのに、怒らせた相手へ頼ってどーする。

 まともに対応をしなかった者に対して、応援・救済を求めるなんて筋違いです。 お帰りください。 つーか2度と関わってくるなゲスが」


〈先日引率した新人女性冒険者に、一緒にいた男への当てこすりなのは分かっていても、すり寄られて本気になりそうでした。

 ダンマス幼女も、これは本気になってもいいと思いませんか? 後押しを下さい〉


「お前ら揃いも揃ってアレばっかか。 先輩は諦めろ。 その内絶対に刺されるぞ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ