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前略  作者: 実嵐
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闇からの歓迎

何時もより飲みすぎたのか足がふらついていた。別に遠くに帰るわけでもない。キチンとお金を払って出た。

「また、くればいい。此処は底辺のたまり場だなんて外野は言うけどな。」

「来ます。」

俺は今日知り合ったおじさんに右手を挙げた。それから俺はネットカフェへと戻った。静まり返った空気がある。どの生き方にもケチをつけたがる人もいるようだが、そんなのに耳を傾けていたら疲れる。それを教えられた。俺は個室へと入り、シャワーを浴びるために数枚の100円玉をもっていた。決まりがあるのだろうが、教えてくれなかった。新参者だということで試しているのだろうか。シャワー室に入る時にぶら下がったバインダーを見つけた。時間と名前が書かれていた。土木や公務員とまで書かれている。そこに時間未定の欄に経理と書かれてあった。受け入れられたうれしさがあった。俺はすがすがしい気持ちで浴びた。シャワーから出ると土木が立っていた。何処かのコンビニで買ってきたのだろうか。発泡酒が見えている。

「歓迎会をしようと思ったんだけどな。いうの忘れてしまってね。明日でもいいかなって思ったけど・・・。飲もうよ。2人だけで・・・。」

「有難うございます。」

堅苦しいのは嫌いだといわんばかりに俺が使うことになっている個室にずかずかと入って行った。2人でいっぱいになるくらいの狭さを感じた。

「そこそこ、給料がある人はグレードを上げていくの。それで暮らしやすくなっていく感じかな。」

「いいっていう人は出て行くんですか?」

「あぁ、不動産やの人がさ、定期的に訪れるから金の生る木とか言われているんだよね。それでもない人は出ないのが定義ってものよ。・・・面白くない話をしたところでしょうがないから乾杯しよう。」

発泡酒を開けて悪い音を響かせた。世の中をなめたわけじゃないのだと。土木が言うのは人生逃げてばかりではなかったのだと。世の中を甘く見ていた時は必ずある。そこから学ぶのだと。知識ばかりが先行する奴は聞いてられない。前提条件を全く効かないのだといった。時たま来る不動産やのことだろう。長年やっている人は寄り添うという感じが出ている人と成果を上げるための小道具としか思っていない人がいるのだという。若い人になるとまだ下っ端だと感じることも多い。

「明日にはキチンと歓迎会をするからさ、いてよ。明日だと都合のつく奴も多いから。」

「そうですか・・・。」

土木の口から出るのは格言でもあった。

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