表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前略  作者: 実嵐
7/111

日々に違いなし

堂安と飲んだ後、終電があったため駅で別れた。いい感じに酔ったのでベンチで座った。数多を呼ぶほどではない。バイトをしているのに邪魔をするなんていけない。ふと横を見るときれいな電気の色どりがあった。遠くから見るのは申し分ないが近くで見ると違うものなのだと心底思ってしまう。地下へと向かった。広告が敷き詰められている。じっくりと見ることもなく、電車が来た。乗り込むと混んではいないのでゆったりと座ることができた。携帯に目線を落としている人が多いのだ。他人は他人だと割り込んでいたりするので冷たさがひしひしと伝わってくる。ネットの世界へといってしまって面と向かって話すことは少ない。下を向いて対応しているのである。電車を降りると駅を出て道路を歩く。寂しいだなんていう精神的な感情はない。何時も寄っているコンビニへといった。

「いらっしゃいませ。」

丁寧に大きな声が聞こえた後にけだるそうにした声が追いかえた。最近入って来たのだと店長が言っていた。バイトだとなめ切っているのだと愚痴っぽく言っていた。注意をしているのだと。雑誌コーナーに行く。週刊誌を横目で見る。国会議員のゴシップや芸能人の熱愛とか書かれている。呼んで満たされるなんてことはないため、通り過ぎた。店長が声をかけてきた。

「久世さん、いつもありがとうね。こんなご時世さ、人づきあいだなんて嫌がられるのに。」

「俺は好きですよ。人の愛しいさが見えてくるから。」

「そう。さっき、俺の挨拶追いかけたのが新人。使えるようにするのが店長の役目なんだけどね。研修中という名札付けているから付き合ってくれ。」

練習に付き合えということなのだ。嫌ではないのだ。酒を買うつもりなんてもともとないため、新商品のジュースを買うように持った。レジへと行くと青年がマニュアル通りにしているのだ。いずれわかるだろう。マニュアルを超える時が訪れたときの決定的な瞬間の違いをじかに感じることができるのだ。

「有難うございました。」

青年は少し上がった声で言った。あがり症なのを隠すために小さな声で言っていたのだろう。接客を選んだのはたまたまであろうからと踏んだ。ビニール袋をもってアパートまで帰った。鍵を開ける。

「ただいま。」

返事が返ってこないということは数多はバイトが終わったが少しばかり飲んで帰ってくるというのだろう。風呂に入る準備を着々と進めているのだ。風呂が沸くまでテレビを見て時間をつぶすのが日課だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ