道の誤り
偏った考えというのはいずれ崩壊の音を聞く元になることを知ったのは俺が高校の時だった。井の中の蛙の奴らがクラスで偉そうに威張り散らしていた。裸の王様を見たのは初めてだったのだ。いっている姿を見るのはむなしさにあふれているのだ。自己満足に頼っているだけにしか思えない。
「西條に来てほしくなかったんだろう。あの場じゃ言えなかったことが。」
「そう。裏に暴力団をにおわせているだけにしか思えなくてな。だって、爆弾の作り方はネットで簡単にわかるかもしれないが、材料をうまく得ないとぼろを出す恐れがある。」
暴力団にいた人間かつ科学の知識を持ち、材料を簡単に得られる人物。文章にしても普通にいなそうだ。そして、セキュリティーに手を加えれることを考慮すればかなりの知識を隠しもっている人物だ。能ある鷹は爪を隠すのように。うまそうに飲んでいないのは事実。指摘しないのは声に出したところでしている話がつまらないことも知っている。事件を解決するために動いている。
「そうだ。堂安、こいつのことを調べてもらってもいい?」
「構いません。では、調べておきますので何処に渡せばいいですか?」
「俺は久世に会いに行くことが多いだろうから、その時に。」
奥村から受け取った写真は見覚えのありすぎる人間だった。彼も黄劉会というところにいた形跡があった。拳銃を売買するのがうまい集団だ。アジトを見つけるのはたぶん簡単だ。安いビルにいるのだろう。高いビルでは柄の悪さで価値が下がってしまっては困るので遠ざけられる。いくら裏で動いても足跡を付けられるのだ。それほど嫌がるのである。俺にはやるべきことが増えたと思った。緑谷の飲み方は落ち着いている。堂安はせかせかとしているように思えるほどの飲み方だ。何時もならそんなことはないが、頼まれたりすると何処かせっかちな部分が騒ぐのだろうか。奥村はちびちびと飲んでいる。俺はいったいどうゆう風に映っているのだろうか。鏡にでも映った顔を殴ってしまうのだろうか。俺の自暴自棄というのは果てしない道で崖や丘、山も全て険しいのだ。自分で加工していることに気づいていない。それもそうだ。わかったらつまらない。俺は再び決意をするのだ。口に出さずに・・・。数多を守り、事件の真相を見つけ出すのだと。素人だの一般人だからだの言われるだけでは進まない。いうだけの簡単さに落胆する。絶望を味わっているのだ。誰が自分の作った橋を渡ってやるか。




