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前略  作者: 実嵐
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疑惑を告げる

堂安に甘えて車の中で寝ていた。久しぶりに帰るという行動は緊張してしまうのだろう。アパートにつくと優しく叩いて起こしてくれた。

「すまないな。休みを返上させてすまなかったな。」

「いいんですよ。私の仕事ですから。また、用事があった時にお呼びください。」

恭しく礼をした。夏目が必死に教え込んだのだろう。元からいなかったとしても後れを取らないようにしているのだろうから。夏目には頭が下がる。一番最初に見つけたのも夏目だったから。違和感を覚えると感じてしまうのだろうから。アパートで別れた。

「ただいま。」

空間に告げただけであった。数多はどうせバイトに明け暮れているのだろうから。冷蔵庫を見ると、缶ビールがそろっていた。リビングで都会の雑踏から逃げてみていた。つかめないのだろうから。支えられているのだとまじまじ実感しても関係ないのだ。冷蔵庫から冷え切ったビールを飲み干してチューハイをもって自分の部屋へと入った。暗闇に陥れたようにも思える。事件を解決しなければと思った。堂安は送ろうとしていたが、今日会えると知って手渡しにすることにしたのだ。茶封筒は何時見ても変わりげがないのだと。はさみで上を切った。伊丹の情報がびっしりと書かれている。堂安はこう言った事務作業はたけている。

『伊丹幸次

黄劉会の情報者として活躍していた過去あり。幹部生になりかけたところを捕まえた人間がいる。

一時、技術者として会社で使った後に別の会社の関係ない部署にいるとの情報あり。』

黄劉会といって名を知らないものはいないというほどの暴力団なのだ。親父も関係があったと噂が流れそうになったところを週刊誌に圧力をかけて消えたのだ。芸能人気取りもよっぽどなのだと感じてしまうのであろうから。堂安は施設で活躍できたことを得たのだろう。パソコンを扱いを得たに過ぎないのであろうから。幹部になりかけた人間がいる。付属の紙の束を見つめた。知っている人間だった。揺さぶるだけ揺さぶったらぼろを出すのだろうと考えたのだ。

「あいつもグルか。」

空の缶を握りつぶした。ぐしゃぐしゃとなっているのである。心の向きなのだろうか。空を映す色なんて目に映っていない。自分に嫌気がさすのかもうわからなくなった。事件を終わらせればいいのだ。

『黄劉会は拳銃の売買にたけているとの情報あり。危険。

幹部候補に挙がった人間は必ず優遇されるうえに隠すことにも部下として使うのだということだ。』

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