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前略  作者: 実嵐
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会議のつもり

飲み切ったコーヒーカップには少しの飲み残しがあった。全て飲み干すことは不可能ではないが、全てを飲み干すことはあまりなかったりするのだ。奥村は仕事に忙しいはずなのに焦った様子はない。

「大丈夫なのか。こんなに長居してさ。」

「いいんだ。部下に託してきたから。それにお前のことを上の連中に言わなかったからって言おうとするんだ。厄介な奴だ。お前が伊丹なんて奴を巻き込む爆破事件を起こすはずがない。うんざりしていたんだ。家族に対する恨みはあっても、伊丹にはないから。」

「ご名答。そうだよ。俺にとって最大の敵は親だ。関係ない奴は放っておけばいい。」

奥村はいい休憩時間になっているというより息抜きといってもいいのかもしれない。俺を心配をしているというよりは報告を繰り返している。犯人じゃないことくらいは長年の付き合いでわかっているのだろう。

「テレビの政治家のようにさ、未練をたらたらと言い訳を言う人間は権力を持ったつもりかそれらしき奴だろうな。仕切っているつもりも多いんだろうな。」

嘘偽りを言うやつは人を思って言っているものと自分のために言っているものとでは違うのだ。価値が違いすぎる。自分のために長い言い訳を言ったとしても響くものがない。反省なき苦情というべきだろうか。矛盾を指摘する奴もいないもお粗末なのか単に言える状況に作ることもできないのか根本が腐った輩が多いだけなのだろうか。浮かれ切って何も吸収することもできなかったのだろう。器のかけらもないのだろう。

「本当のものを得ることができない愚か者だよ。うわべだけで何もないのである。」

「奥村はそんな奴いないのか?」

「いるよ。そんな奴。だけど、相手にしているだけでうんざりするんだ。もう・・・やっていけない。」

「俺はさ、無視をするつもりでいるんだ。頭ごなしになっている人間なんて憧れだの尊敬だのうわべを言わなくちゃいけないのが嫌でならないから。そんなの持論の塊じゃんってな。」

2人でなんだか愚痴の言い合いをしている。子供には嘘をつくなと言いつける癖にろくな大人が少ないじゃないかと思ってしまう。助言者も存在しないのだからお笑い草だ。打開を生まないし考えることもないのだろう。うわべで騒いでいるだけなのだから勝手に言えばいいのだと。叫びなんざ聞かない人には聞こえないのか聞こえないふりを繰り返しているのか。返事なき叫びをしているのだろうからと。

「まぁ、口ではなんでも言えるという証なのかもしれないな。」

「人が愚かなのか、限られた人間だけが愚かなのか。わからないよ。」

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