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前略  作者: 実嵐
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声なき声

高棚部長が行ったというのは決まりのようだ。主犯格ではなくても、きっと会社のためになると思ったのだ。阿久津のことが本当なら腐り切った組織は居心地が悪いのが全てだ。

「阿久津さん、メモのこと本当ですか?」

小声で言ったら仕事をしていた阿久津は少し乗り気な感じをにじませていた。きっと話しかけてほしかったのだろう。仕事などののんきなことをしているのかといっているのだろうか。

「本当だよ。さっき言っていたからな。まぁ、犯人知っていたのに何年も放っておいた会社の責任が問われるからもう対抗する措置を考えれば社長の動きも気になるな。」

「そうですね。阿久津さんは今後どうするつもりですか?俺は迷ってます。」

「若造は迷っていてもな、道は現れるんだ。俺らみたいな奴は後で道を変えてみたら崖だったこともあるのさ。会社の判断なんて考えていたら終わってしまう。そんなものだよ。」

「阿久津さん、哲学のようなこと言ってますけど、俺と1つくらいしか違いませんよ。」

指摘するとしたり顔を見せた。絡んでほしかった証拠をまじまじと見せられているのであろう。阿久津が絡むのはきっと実家のことがばれていないからであろう。阿久津もきっと最初はいい思いをしていただろうが、今は嫌な感じなのだろう。奪ってしまうのは未来なのだと心底思ったのだろう。心に問うと悪を裁くといっている裁判所も悪を生んでいるのである。警察も悪を犯しながらも消すという行動をとっている。組織のためと言い訳を続けていったい何を言いたいのだろうか。軽く裁かれるのならそれならいいのか。甘い考えを反映させたところで奪われた未来は何が映っているのだろうか。

「俺もやめるかな。こんな会社にいたところで恨みを買った連中が浮き彫りになるだけだから。」

恨みを買ったのを知っているのは会社の幹部くらいだろう。でも、もう週刊誌に載ってしまうのも知っている。それを補修するのはもっぱら関係ない奴だったりする。くだらないと声に出して空に向けて叫んでも何も起きないのだろう。匿名であるということだからと無視をしようとする政治家もいるくらいだ。愚かさを見せたところで称賛するとでも思っているのか。と問うのも愚問すぎて嫌なくらいだ。会社の責任を押し付けられるのもわかっている。緑谷の言っていた話に乗ってみるのがいいのかもしれない。大手の会社だといっていた。そんなにほしいのであろうか。誰も気づかないのだろうからと。


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