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前略  作者: 実嵐
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家族とは

緑谷に嫌な思い出を思い出させたのだと感じてしまった。

「ごめんな。緑谷。」

「お前が謝ることはないよ。俺の家族がおかしいんだよ。兄貴を放っておくだけおいて自分の都合に合わなくなったらすぐに関係ないといい始める。あきれるしかないよな。」

緑谷は家族を嫌ってしまっているのだ。両親の行いが全てを引き寄せてしまったのだ。政治家を見ているみたいだ。いや、政治家だけじゃない、会社や組織のトップ、官僚などへと悪は連鎖するのだろう。記憶にも記録にもないのに会見したところで証拠もないのであれば無駄な時間を割いただけで。言い訳を続けるだけで億劫だ。釈明をする気もないなら時間を返せと言われも仕方ないだろう。ごたごたと演技をしてぼろを出すときを待っているのだ。ペテン師には本性をもっているのだ。それも素人の演者だ。時間切れを起こすのは確実。そう思ってテレビを見る。くだらないわかりやすい嘘を重ねる次点でバカにしているとしか思えない。

「俺もほとんど実家には帰ってないんだ。親父たちの対応を見てうんざりで、がっかりしてな。」

「お前の兄貴は今どうなんだ?」

「塀の中じゃないのか。刑務所で結構喧嘩を起こしたりしているらしい。出られないし、保護司なんてつかないとも言われているほどの奴だから。出てきても干渉する人なんていないし、色眼鏡の世界なんだからお人よしくらいしか仕事できないよ。口では更生するなんていくらでも吐けるんだよ。簡単なんだよ。」

新聞に載ったのだが、会社では関係ないという行動をしていることもあってばれていないのだろう。兄貴との関係悪化したのはもともとであったため、連絡をすることはないだろうと彼は見ている。

「お前もかえってないんだろ?実家。」

「帰るかよ。グループの話より自分たちの地位の話のことで喧嘩するんだから。嫌なんだよ。いくら表ではいい会社ぶっていてもな。跡継ぎがいないから俺や数多に戻ってきてもらいたいと思っているらしいけど、改心する気もないんだろうから。」

嫌な面を見ては逃げてきたのだろう。だから、此処にいるのだろうとも思ってしまう。久世グループを継いだところできっとうまくなんて行かない。信頼関係で培った会社ではないから。一から作り直すに決まっている。それなら自分で会社を作るほうが早いのだ。技術を奪うのをしたくない。技術を認めて買うとかならまだ許させるかもしれない。それも認めないところだってある。プライドというのは単純でありながら複雑なのだ。


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