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前略  作者: 実嵐
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ペテン師の言い分

政治家が背景にいると表立って行動することはしないだろうが、忖度というのは行われるものなのだ。隠蔽も安易に考えてしまっている。それによってどれだけの損害を起こそうと関係ないのだ。俺は阿久津の小さく覚悟しかない背中は以前の上司であったとは言えなかった。言えない。隣で笑いあっていたことが過去の出来事として認知してしまっている。俺の無様な経歴を知らなかったこその対応だった。

「それでお前は俺を止めに来たのか?」

「俺はそんなことをしませんよ。親父やおふくろが殺されたことは因縁でも何であっても今までで行った天罰だとしか思えなかったんですから。愚かなことを恨むなんてしません。それに俺は警察でもないので捕まえることができません。どうします?」

俺が小首をかしげたのを見て、阿久津は笑顔を返すわけでもなく、真顔っていうものでもなく、処理できないものがあるようだ。彼のポケットには拳銃があることは知っている。少しポケットに手をかけたりしている。

「小峠の事務所と黄劉会を狙うのはすっとんきょんですよね。まぁ、黄劉会の会社で化学関係を扱っていたとは言え・・・。」

「小峠はテレビに映れば被害者ぶった顔をしていて、加害者でもそうする。最初は恵美子の死は自殺かもしれないと思った時期もあった。警察も自殺だといったから。けど、可笑しいと思った時があった。淡々と済ませすぎていると思ってな。探偵事務所で探ってもらったら案の定圧力だ。そこで恵美子の持っていた手帳に小峠の名が記されていた。それでわかった。黄劉会の幹部と小峠がつながっていると。」

黄劉会は化学関係を取り扱い部署を作っていた。まぁ、株式会社でいたので気づかれるわけがなかった。大半は関係ない人達で構成もされている。ただ、一部の会社員がそれに該当するのだ。それが表に出てこないのは、政治家という権力にうぬぼれた連中の存在があるからだろう。無駄遣いをしても悪気はない。たとえそれがいけないことだとわかっていてするのは刑務所のいる連中と何が違うのか。詐欺師と何が違うのかも論破できるほどの語彙力のなさには落胆しかしない。学歴だけの看板と追加で医者だったり弁護士だったりしても全て成り下がってしまうのだ。世間を変えてなんかいない。力で動かしていない。そのままで放っておいているのだ。自分の都合の良し悪ししか映っていない。金を奪って何もしない。困ったと嘆いたとしてもだ。犯罪者を作り上げているのはきっと政治家だ。政治家がペテン師であるように。

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