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神のお告げだからって従うと思うなよ。




自分が悩んでいると、杖についた鐘が独りでにリリリンと鳴った。この音は聞き覚えがある。自分たちがよく使っていた音声チャットのコール音だ。

『あー、テステス。烏屋さん聞こえるー?東コエント平原本日晴天なり?』

「やはり貴様の仕業だったかカルネイロ!!こちら本日晴天なりィ!!」

何処からか聞こえたのは、覚えのある神絵師の声だった。神絵師はガチ神でしたってか?じゃかあしいわ。

『やぁ、無事転送もうまくいったみたいですし、元気そうですね!躯に違和感のあるところとかあります?うちの魔術体系と烏屋さんのとこの魔術体系は厳密にいうと違いますけど、コーデックがうまくいってれば問題なく使えるはずですんで!』

「神だからってやっていいことといけないことがあるんですよ羊助さん。我文系ぞ?文系ぞ?」

『えー…だって烏屋さんTRPGやってるじゃないですか。好きでしょRP。それにエデちゃん身体能力高めの設定になってるしイケますって!』

「二次元と三次元は違うんですよ!これ超重要!外国に行ったこともないのにいきなり異世界とか、ハードル高すぎっすよ!!てか自分、一人称だからってRPして書いてるわけじゃないんですけど???」

『えっ…だって烏屋さんつぶろぐでよくファンタジーの世界行きたいってぼやいてたじゃないですか。えっ、ていうかRPもなしにあれだけの作品ストーリーを?神…?』

「お前マジふざけんなよつぶろぐのぼやきとかガチで言ってるわけないじゃんただの現実逃避だぞ」

少なくとも自分は本気で余所に行きたいと思っていたことはない。治安的にも文明技術レベル的にも自国至上だ。信じられるか、ウォシュレット標準装備のトイレが一般的なの我が国ぐらいのもんだぞ?

『…てへっ?』

「男が音声だけでそれやっても可愛くねえんだよさっさと戻せや」

『あっ、それは無理です』

「は?」

『俺、世界に直接干渉しないタイプの神なんでエデちゃんを俺の世界に放り込むことはできても、放り込んだ後のことはアウトオブコントロールなんですよ。ほら、俺あくまでも絵師であって漫画描きじゃないし?』

「そこ開き直らないでくれます???」

『あ、あくまでも訪問者ゲストとしてのトリップなんで、いくらかしたらちゃんと帰れるとは思うんですけど』

その若干不安になる語尾やめてもらえます???

『シェアワールドじゃないんで、エデちゃんに有利になるようにラック回しても他に迷惑かかったりはしないと思うんですけど、烏屋さんそういうのいります?』

「…まあ、本当ガチで困らない程度にしてくれた方が、助かるは助かりますけど?どうせ各種イベントもセットになっているんでしょう?」

『あ、それ、烏屋さんのォ、ちょっと良いとこ見てみたい、フー!』

「ふざけんなよ???」

さては徹夜明けハイとかの異常なテンションだな?自分普通に社畜なんですけど?平日は仕事あるんですけど?

『いや、だって、どうせなら烏屋さんに俺の世界がっつり楽しんでもらいたいじゃないですか。あ、ちなみに南方のメイスアンフェ国はR18ゾーンとなっております』

「おっけ絶対その国には近寄らんどくわ!!」

『えー』

「エディドヤ美人なんだからR18ゾーンなんて行ったらエロゲ展開の総受け√でしょ知ってる!!見るのはともかく体験はしたくないわ…ちょっと第三者視点なら見たいけど」

まあ自分もうちの子エロはイケる口である。二次元のエロはファンタジー。三次元はグロ、いいね?

そういうわけで、自分がエロゲ展開はごめんだが、二次創作として見る分ならいいぞもっとやれ、ってやつである。見る分にはな。

『エデちゃんのエロゲ展開見たいよね…』

「よしそのエディドヤはアバターであって中身が文系社畜の烏屋ちゃんになってることを思いだそっか?」

『いや…俺は中身が社畜戦士ラジカル烏屋ちゃんでもイケる』

「自分いけませんけど???」

『ダメ?…がっかり。でも気が変わったらいつでも言ってくださいね、録画しますんで!』

「え、こわ…」

後で自分が三人称で見れるようにっていう配慮ですか、わかりません。いや、正直見たいけども、そこまで体張りたくない。

『で、エデちゃんこれからどうします?この世界(ラピュ・レ・ダンセル)の現在情勢的にいうとー、北方四国は睨み合いの冷戦中。東方諸国はまだのんびりしてるけど北方に接してるとこはちょっとぴりぴりしてて、西方のクリスタリア帝国は内紛でしっちゃかめっちゃかになってるんですけど』

「お前よくそんな状況の世界に他人を招こうと思ったな???」

安牌がない…お供の羊のいない羊飼いにどうしろっていうんだ。術師として動けってか。

『立身出世のチャンスですよ、先輩!』

「エディドヤは階級社会からドロップアウトした世捨て人ですけど???」

『…っと、そろそろ時間切れだ。烏屋さんの方から俺に話したいことがある時はズッ友リングでベルに干渉してくれれば呼び出しがかかるんで、では!』

「魔法の指輪にくそダサい名前つけるのやめてくれます???」

通話が切れた音がして声は沈黙する。どうやら本当にチャットは終わりらしい。

「…どうしたもんかな…」

何にしても、自分はこれから帰れる時間になるまで異世界スローライフを行わなければならないらしい。勘弁してほしい。





ちなみに本来のエデは顔と言葉の綺麗なヤンキーである

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