機に触ること
僕はロックなんかしない。ロックするなんてカッコ悪い。ありのままのスマホの方がカッコいい。別に後ろめたい気持ちがないのならロックなんかいらない。隠す必要のない僕にロックは必要ない。僕のスマホを触るような関係にある人は彼女のみ。ただ彼女が憤るようなものはスマホの中に山ほど存在する。
彼女は誰もが認めるほどの素晴らしい女性。美しい容姿、美しい性格、美しい頭脳、美しい声、美しい振る舞い。全てが完璧に見えるが、極度の機械音痴。美しい頭脳を持つ彼女でも機械操作との相性だけは悪いみたいだ。彼女にスマホを充電したいと言ったらスマホを持って一生懸命振り始めたこともあった。ロックをしなくてもいい環境が整っているから僕はロックをしない。
私はロックをさせないように、わざと機械音痴を演じたが、ロックをしてもらっても別に構わない。私にロックなんか利かないのだから。しばらくは大人しく彼の様子を伺うことにする。