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CLOSELINE  作者: 冰通
2/2

遺跡へ

人気のないサバンナを一台の車が走っている

整備されていない獣道みたいな道は凹凸が激しくもう何度天井に頭をぶつけただろうか。


━━ アロ共和国 シヴァル国立公園



透き通るような青空

地の果てまで続くサバンナ

横には天を頂くアルトヴィラ山

山頂に雲がかかってないから明日もきっと晴れるだろう。



「アルベーグ先生ぃ~あとどれくらいですかぁ~?」


隣からはいかにも退屈そうな声をあげる同僚。

暑いのか薄手のTシャツを際どいラインまではだけている。


見えそうで見えない。



はぁ。



ため息をついて空を見ても青空と何かの鳥が飛んでいるだけ。

生憎鳥類学者じゃないので名前は分からない。


「そういえば、今から行く遺跡ってどんな遺跡なんですか?」


暑さに対して諦めたのか彼女は私に聞いてきた。


そういえば彼女に今回調査しに行く遺跡のことを説明していなかったなと思い出す。


キース遺跡

およそ1000年前に存在したといわれる国の王城の一部だった遺跡。

王城の一部だったことから露出した部分の装飾もなかなか凝っている様子から当時はかなり栄えた国であることが想像できる。

半年前の大雨の後にこの地の警備隊が巡回している際に山肌の一部が崩れて遺跡の一部が露出していたのが事の始まりだ。

すぐさま調査隊が派遣されて調査した結果、1000年前に滅んだ魔導帝国の遺跡であることが確認された。

今回調査するのは昔王城があったとされる場所の調査だ。

この国は不思議なことに一夜で滅んだ。

かなり栄えていた頃になぜ急に消えてしまったのか?


「まさに今世界で最も不思議な場所だよ。」


「そんな国があったなんて初めて聞きましたよ。」

彼女は関心しながら話した。


「そんな場所だったんか?ここが?」

「俺も初めて聞くな、それ。」


車の前の方から運転手とガイドの声が聞こえた。


「聞いたことなかったですか?」

私は思わず聞き返してしまった。


「俺の爺さんから聞いた話だと昔はここら辺は人族至上主義の国があったとかなんとやらしか。」

運転手の竜人族の青年がそう話す。

すると

「お、見えてきたぜ。キース遺跡。」

と、ガイドは言った。



そう言われて半開きの窓を全開にして頭を乗り出して前方を見た。



そこには


1000年経ってなお荘厳さを欠けない王城の一部が茶色い山肌から顔をのぞかせていた。

特徴的な模様が入った柱に人6人をたてに並べたくらいの高さの大扉らしきもの。

一部しか露出していないにもかかわらずその構造物は圧倒的だった。


素晴らしい。


思わず呟いた感想はなんとも短かった。





━━━


アロ共和国 シヴァル国立公園 キース遺跡ベースキャンプ



昼過ぎにここに着き、今日は明日の準備のために各々のチームで行動することになった。


アルベーグside


私は準備のために一度車に荷物を取りに戻った。


ここは中々日差しが強く風通しはあり、暑さもそれほどないが如何せん帽子が無ければ辛い。恐らく遺跡の中は涼しいだろうが外の日差しは強い。

帽子や調査のための機材を車から持ってくるために一度車へ戻った。その途中リキュリス先生に一緒に荷物の運搬を手伝ってくれないかと尋ねたら了解してくれたので一緒に車へ戻った。


車に戻り荷物を取っていると


「アルベーグ先生。」


呼ぶ声の方を向くと、つばの広い帽子をかぶった彼女がこちらを見て微笑んでいた。


「どうですか?似合ってます?」


私は内心ドキリとした。

彼女の黒色の肩甲骨辺りまで伸びた髪ととても似合っていたからだ。

一瞬、息が詰まってしまった私は


「あ、ああ。似合ってるさ。」


としか言えなかった。







そのときの彼女はたいそう嬉しそうな様子だった。


━━

キャンプに戻った私たちは私たちのテントで暫しくつろいでいるとテントの外から声が聞こえた。



「すいません。アルベーグ教授はいらっしゃいますか?」


テントの入り口に向かって


「はい、いますよ。どうぞお入りになってください。」



入ってきたのは人間種の男性だった。黒髪中肉中背の眼鏡をかけたどこか不思議な雰囲気の男性だった。


「はじめまして。時計塔の協会という組織にいるシン=リフォールと言います。」

「時計塔の協会?各地に食糧支援などをする団体でしたか?」

「御存知でしたか。今回この土地周辺の調査のために依頼されたのでここへ来ました。今回はよろしくお願いしますね。アルベーグ=モンストリアさん。」


そう言って彼は出ていってしまった。正直、私は彼のことがよく分からなかった。


本格的な調査は明日からの予定なので今から周辺の地形の調査に行った。




その夜

調査チームの親睦を深めるためにちょっとしたパーティが行われた。普段の調査では中々出てこないような料理が出てきたので聞くと時計塔の協会のフレディという体格の良い男性が作ったらしい。


聞くと、彼は料理中に

「んん~!!素晴らしいぃいい!!最高の料理だわ~!!!」

と叫んでいたらしい。



彼は料理をすると女性のようになるらしい。





さて、明日のために寝るとしよう。

一応、結末は既に考えてあります。

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