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さあ美味しいモノを食べようか  作者: 青ぶどう
41/91

40.能力開発 成功。

これで一旦、細かい能力開発風景は終わりです。

面倒だなという方はスルーしてくださいませ。




 次の部屋では、始まってすぐにボイフが動いた。

 ボイフとロジ少年と、補助にターヴを入れた班だ。


 そしてボイフが身体強化を覚えた。

 ハチの針を魔力でコーティングした腕でね返しながら身体強化で肉薄し、飛び蹴りで仕留めたのだ。

 彼はどうも肉弾戦がお好みのようだ。見事に着地を決めて自分の身体をじろじろと見回している。

 魔力の流れを見るに、自分の身体の中で魔力の移動を試しているようだ。


 私はロジ少年を見る。

 彼はじっと動かずに、まだ遠くにいるクモをじっと見つめて魔力の揺らぎを大きくしている。

 それを魔力回転ができる全員が、魔力回転をして補助をする。

 ロジ少年が何かを呟いていることに、口の動きで気付いた。もちろん盗聴したい。にょにょにょ~。


「速く動いて鋭く刺す。速く動いて鋭く刺す。速く動いて鋭く刺す。速く動いて……」


 ほうほう。自分のやりたい事を自己暗示で言い聞かせているのか、言いながらイメージを固めているのか。

 先にターヴがクモを仕留めた。今度は遠距離攻撃ではなく、接近してからのひと薙ぎだ。身体強化だね。

 さすがダンジョンに潜りたい執念を抱えていた男。頭の中でのイメージトレーニングはお手のモノなのかもしれない。

 ああ嬉しそうだこと。



 さてロジ少年はと。

 クモが間近に迫ってきている。

 ターヴとボイフはロジ少年の補助に入れるように、身体強化に魔力を練り込みながらロジ少年の邪魔にならなさそうな所で待機だ。

 クモがロジ少年の傍まで来て脚を振り上げた瞬間、ロジ少年は皆の視界から消えた。そして「ズドッ!」という音がしたと思ったら、ロジ少年の上に砂が降り注いでいた。


「ロジやった~~~~!!」


 誰の声? 私だよ!

 身体強化を加速に振ってロジ少年のとこまで瞬間移動した私は、ロジ少年を抱き上げてグルグル回っていた。

 興奮のままに、無意識に身体が動いてしまったのだ。


 ロジ少年はいきなり私が叫んだと思ったら目の前に現れて、さらに持ち上げられてグルグル回されるという状況に、「あ?」「え?」「おい?」「ヨリ?」とか回されながら言っていた。

 私は喜びで満面の笑みのままグルグル回す。

 お花畑があれば完璧だったかもしれんが、贅沢は言うまい。


 気が済んだ私がロジ少年を降ろすと、「なんだこれ、グラグラして気持ちわりぃ」とロジ少年がヨロヨロしたので、すかさずもう1度持ち上げて反対周りに回してやる。


「え? ちょ、おい、ヨリ?」


 この反対回しは同じ数でなくていい。少しでいいのだ。なので数回回してロジ少年を降ろしてやる。


「どう? 治ったんじゃない?」


 私が訊いてみると、ロジ少年が「ん?」となって「あ、治ってる」と答えてくれた。

 良かった良かった。危うくモザイクを用意せねばならん状況に陥るところであったな。ふい~。

 私は心の汗を拭いてロジ少年に改めて言う。


「ロジ、良かったね!」


 これでロジ少年がダンジョンに潜っても、私はあまり心配しないで済む。

 誰だって友人が危ない目に会うのは気が気じゃないのだ。私も同じだ当然だ。

 私の晴れやかな顔に釣られてか、ロジ少年が満面の笑顔で強く頷いた。

 あまりの可愛さに、私はまた「ぎゅーー」っと抱き締めてしまった。


「こらヨリ、やめろよ!」


 うぬ。叱られた。



 まあそんな一幕を挟みつつ、能力開発は順調に進んでいる。

 後はビエル、ミノ、シガ、ノラン、サイダ、バル、ジルの7人だ。

 この7人は、燃え盛る今までのメンバーに比べてまだ時間がかかりそうだった。

 しかし、ここまで仲間たちの戦闘を見ていて、いろいろと考えがまとまってきたようだ。

 魔力は揺らぎ、大きくなっている。


「さて次は誰が行く?」


 私が訊くと、3人が顔を上げた。

 ミノとシガとサイダ。


 ふむ3人か。同じように何かが決まったという顔をしている。

 これは次に回さない方がいいかもしれない。そう考えた私は。


「ミノとシガとサイダ。補助にガザとターヴとロンさん。補助は1人に1人ずつ着いて、手助けはギリギリギリまで待つこと」


 そう言って送り出す。

 6人が頷いて次の部屋に向かう。

 私たちも安全圏で観戦する。


 この部屋では運のいい事に、クモもハチも部屋の奥に居た。

 これならばゆっくり時間をかけることができるだろう。

 魔力回転の補助を皆でグルグル。


 配置的にどうやらハチの担当はシガなのだろう。

 3人は目を瞑って集中している。

 それを皆も集中して、見つめる。

 もしかしてそれがいいのかもしれない。そうして見つめて魔力をグルグル。

 そして面倒見の一番良さそうな3人を付けてある。彼らが心配そうに見守り、グルグル。


 うん? 3人の魔力が変化した。

 魔力がゆらゆらから、そのままグルグルに。

 皆も気が付いた。勢い込んでグルグルさせる。

 いけ! あと少しだ! 皆の思いが一つになって彼らの魔力回転を助ける。


 魔力回転が速まり、「ぐぃ~~~~ん」と引き絞られ始めた。

 そして。


「はあ!」とサイダが叫んだかと思うと消えた。


「そいやっ!」とミノがそこから動かずに横薙ぎに剣を払った。


「ふっ!」と息を鋭く吐いたシガが走り出して、どんどん加速していく。


 スタートは、ほぼ3人同時だっただろう。

 まず「ドンっ」という音の方を見ると、サイダに剣を上から突き込まれたクモが砂になるところだった。

 そして「ザンッ」という音で、ミノの飛ばした魔力か風魔法で両断されたクモが砂になり。

「ズパンッ」という音で砂になったハチから少し離れた場所で、突きを放った姿勢のままのシガを見る。


 モンスターが奥に寄ってくれていたおかげで、3人の動きが同時に見れて良かった。

 次の部屋に向かう通路で、ノランとジルが「次は俺だかんな!」と私のすぐ後ろに貼りついて言ってくる。

「はいはい」と答えながら、黙って俯いているビエルと考え込んでいる様子のバルが気になった。


 次の部屋ではソルを付けてミノとジルを送り出した。

 私はそそっとビエルに近付く。


「ビエル、どうしたいか決まった?」


 こそっと訊く。

 ビエルが顔を上げて私を見て、首を傾げて「う~ん」と話し始めた。


「えっとね。僕は治癒を覚えたいと考えているんだけど、皆を見てると怪我をしそうにないなって思うんだよね。だから身体強化と攻撃を飛ばすのと、どっちにしようかな~って悩んでるんだよ」


 ほうほう。ならば。


「今は怪我してないけど、下層とボス部屋で怪我するかもしれないから、治癒は正直使える人がもっと欲しいところなんだよね。でも今は必要ないなって思うんだったら、まずは身体強化をお勧めしたいと思う」


「どうしてかな?」


「ガザとボイフとサイダが身体強化を覚えたからね。あの3人とダンジョンに潜るなら、あの3人に付いて行ける体力が欲しいと思うよ」


「そっか……」


「うん。それに治癒も攻撃を飛ばすのも、次に覚えればいいし」


「…うん、そうだね。ありがとう、決めたよ」


 納得してくれたビエルに頷いて返すと、後ろからバルが声をかけてきた。


「じゃあ俺もまずは身体強化だな。付与は後にするか」


 付与なら別に後回しにしなくても出来るんじゃないだろうか。そう思ってアドバイスする。


「じゃあユジみたいに、今のうちに付与しておいて、投げる時に身体強化試してみればいいんじゃない?」


 それにビエルとバルが首を傾げた。私の考えではあるが…、


「治癒は怪我人がいないと効果が判らないし、身体強化と魔力を飛ばすのは、同時には難しいかなと思う。でも次の部屋に行くまでに石に付与が出来れば、身体強化だけに集中できるからね」


 バルの顔が引き締まった。足元の石を拾い出す。


「とりあえず試してみるわ」


 そう言って隅っこに行って石を握り込んで目を閉じた。

 私はビエルに向かって「頭の中でイメージできるなら、たぶん同時に出来ると思うんだけどね」と言っておく。

 ビエルは「いや、同時には無理そうだ。ひとつずついくよ」と首を振った。


 そういうやり取りの間に、ノランとジルは身体強化を覚えていた。

 次の部屋へ向かいながら、ビエルとバルの様子を伺う。

 ビエルと目が合った。強く頷いた。よしビエルの準備は出来たようだ。ならバルは。

 バルは俯いたままだ。

 次の部屋に着いた。


「ビエルとバル、いけそうかな?」


 声をかけると、「うん」「ああ」と返事が返ってきた。

 彼らにはロンさんとボイフとターヴを付けた。


「ビエルとバルは、自分が狙っているのだけに集中してね」


 と声をかける。どうも緊張気味で硬くなっているようだ。


「これで覚えなくても、下層には連れてくから大丈夫だよ。そうすれば嫌でもそのうち覚えるだろうし」


 と緊張をほぐすために軽口を叩いてみる。


「もう下層には連れてかれたけどな!」

「ほんとだよ。もう2度とあんなことしないでよね!」


 おや、そういえばもうやっていたっけな。

「あはは」とごまかしたら、呆れられてしまった。

 2人してため息を吐いて首をフリフリ。


「そうか。またアレやられるなら、身体強化は絶対だよね」

「だな~。付与はできた気がしないし、まずは身体強化覚えねえとな」


 いい具合に力が抜けてくれたようで良かった。

 いや、わざとボケたんだよ? ほら、彼らの緊張をほぐすために!

 実際に緊張がほぐれたのだ。結果がすべてなのだよ諸君。


 独り言い訳を終えて、彼らの戦いに集中する。

 2人は身体強化を覚えたい。

 2人の魔力はゆらゆら。2人以外が全員でグルグル。

 グルグルしてる方は、願わんばかりに2人を見ている。


 これはあれだね。

 野球とかソフトボールで、負けてる時に「打ってくれ~~」って祈るのに雰囲気が似ているな。


 じっと待つ。

 先に動いたのはモンスターの方だった。ハチがこちらに気付いたのだ。

 クモを狙っているビエルの方へ移動した時だった。ビエルの方へ向かってくる。

 ハチに遅れて、クモも向かって来た。

 ハチとクモの位置が近くなっていたから、ほとんど同時にビエルの方に向かって来たことになる。


「わ! わわわわ!」


 ビエルが慌てて後ろに跳んだ。そして…


「えっ?!」


 そして跳んだ本人が驚愕の声を上げた。

 そりゃそうだろう。ビエルは一気に後ろの壁際まで来ていたのだから。

 ひと跳びで相当な距離を稼いだぞ。


「ビエル! 身体強化使えてるぞ!」


 ボイフが大声で教える。ハチはロンさんが撃ち落とした。

 バルはビエルが心配で見てしまったのだろう、ビエルの方を見ていた。

 まあバルの方のクモはまだ離れてるんだけど、よそ見は駄目だろう。


「バル! 自分のことに集中!」


 この世界に来てから、一番大きな声を出す。6年間部活内で不動の1位だった私の本気の大声に、バルが「ハッ!」とクモの方に向き直り、また集中しだした。

 安全圏に居た全員がビクッとしたのは脇に置いておくとして。

 ビエルは後ろに跳んだが、バルは前に跳んでクモの後ろに着地した。そしてクモを後ろからズブリ。

 あのジャンプ力と突きの速さは、確実に身体強化だと思われる。おめでとうバル。


 さてビエルは…思うように身体強化を扱えていないようだ。

 踏み切っては上に跳び上がったり、クモを行き過ぎてしまったり。

 う~ん。


「ビエル! クモをその場で待って、来たら剣で攻撃!」


 カウンター攻撃を教える。向かって来るモンスターは、それだけで倒せるのだ。何も向かって行く必要は無い。

 ビエルが頷いて、剣を構えて待つ態勢になった。

 クモが来る。そして跳ねた。ビエル目掛けて跳んで来る。

 これは我慢して待って着地前に刺してもいいし、1度よけてから着地を待って攻撃をしても自由な場面だ。


 ビエルは動かない。

 真剣な顔でクモを待つ。

 そしてクモと接触する瞬間に、剣を「シュッ」と突き上げた。

 クモは一拍後に砂になった。

 その砂にまみれてビエルが「はあっ」と息を吐いた。

 あらまあ疲れた顔。


「ビエル、お疲れ」


 声をかけてやると、ビエルが砂の上に座り込んで叫んだ。


「つ、疲れた~~~!」


 安全圏を出てきたメンバーと、補助に入っていた皆がビエルの周りに集まって、笑顔で労った。

 私はバルが歩いて来る方に向かって行って、バルにも「お疲れ」と言う。

 バルは眉を片側だけ上げて「おう」と答えた。

 よしじゃあ皆の所へ…と向きを変えた私に。


「あの喝は効いたぜ、助かったよ」


 と照れた風に言ってきた。照れて言われるとこっちも照れるじゃないか。

 私はぐりんと振り返って、「よそ見してたら私だって怪我するんだからね」とビシっと人差し指でキビシク教えておいた。

 バルは「わかったよ」と苦い顔で頷いた。

 ふう。照れた空気は払われた。これで良し!


 さあ、次からはパーティー組んでガンガン行けるぞ~~~!

 あ、その前に軽食を食べてもらおう。


 私たちは次の部屋までの通路でまたチーズ焼きパンと塩揉み野菜を食べた。

 時計を見たら2時過ぎだった。

 能力開発に時間をしっかりかけたが、本当に考えていたより早く済んでしまったな。


 ああでもない、こうかもしれないと推測が上手くいかなかったり、上手くいったり。

 試行錯誤でフラフラと定まらない言い分に、よく皆は文句も言わずに着いてきてくれたと思う。

 私はここに居るメンバーを見回して顔を緩める。

 いいコばかりだよ本当に。


 隣に居るロンさんに話しかける。


「ねえロンさん、皆ほんとに覚えちゃったね」


 ロンさんは「ははは」と力無く笑ってから言った。


「嘘みたいだが、本当なんだよな。こんな豪華なパーティー、入ったことないぞ」


 言った後、ロンさんは「ククク」とまた笑う。


「何?」


 訊くとロンさんが。


「ん? まだ4時間はあるだろう? どんだけ獲れるかって今から楽しみでな」


「そういえば、ロンさんは能力者なのに、なんで中層までしか行けなかったの?」


 気になっていた事を訊いてみる。


「そんなに使える方じゃなかったんだよ。下層まで行けてりゃ親と一緒に囲ってもらえただろうがな」


「ふ~ん。でも、今はもう囲ってもらえるんじゃないかな」


 うん、それは絶対だと思うんだけど。

 私の「囲ってもらいに行かないのか」という言外の意味を感じ取って、ロンさんが少し考える。

 そして答えが見つかったのか、「ククッ」と笑って。


「いや、やめておく。今ちょうど楽しくなってきたとこだしな」


 私に向かって器用に片目を瞑って言ってきたロンさんは、本当に楽しそうだ。

 私はそのウィンクに、「器用だな~」と関心を持っていかれてしまう所であったよ。


「うん、私も楽しみ」


 そう、今からは自由時間なのだ。

 今からは皆と話し合って行けばいい。

 魔力回転が思うようにできるようになれば、肉ダンジョンなんて軽い軽い。

 今日はまだ中層でいろいろ試して皆が慣れるのを待って、下層は明日に行けばいい。


 ら~~ら~~~ら~~~~。

 声には出さない。35歳は涼しい顔で心で歌うのである。

 見回すと皆が食べ終わっていて談笑を始めていた。

 これで誰かが覚えていなかったら、ちょっと気を遣う場面だったかもしれないが、全員が何かを覚えたのだ。

 皆の笑顔にホッとしたものを感じる。それとも、教えるプレッシャーから解放された私の心がそう見せているのかもしれない。


 何はともあれ、明日が明るくなって来たじゃないか。

 うん。私が居なくても食材はこれでゲットできるようになるだろう。

 他のダンジョン組の方は、ここに居るメンバーに教えてもらおうと思っている。これからはずっとそうやって行ってもらわなければならないんだしね。

 その間は収穫が落ちるだろうから、私が補充してと。

 うんうん、そうするか。


 今後の予定を思い付いた私は、ご機嫌で皆に声をかけた。


「さあ、次からどうやってく? 他のダンジョン組には皆に教えてもらうから、頑張っていろいろ試してみよう」


 てっきり「おう」って言葉が返って来るかと思ったのだが。

 いや、ロンさんは言ってくれたんだけどね。


「「「「「「「「「「はあああああ?!」」」」」」」」」」


 とロンさん以外に言われ、その後


「バカか!?」

「んなすぐ教えれるか!」

「無理だっつの!」

「何寝ぼけた事言ってんだ!」

「僕には無理だよ?!」


 と肉屋組には言われ、そしてロンさん以外のポルカ組は急に笑顔を不安顔にして。


「いやあ無理だろう」

「俺にはできねえぞ?」

「絶対無理!」

「俺できねえよ」

「無理だな」

「できんだろう」

「…すぐには無理だ」

「無茶言うなあ」

「……無理だ」


 さすがにガザみたいに思い切り「バカ」とか言ってくる人は居なかったものの、かなり不安にさせてしまったようだ。

 あらまあ。

 ロンさんを見たら、苦笑して肩を竦められた。


「もう分かったから、そんな目で見ないでくれる」


 さっきまでの空気をぶち壊してしまった私には相応しい罰ゲームだとは思うがね。

 私はため息をわざとらしく吐いてその重い空気を軽くするべく声を発した。


「全部は付き合わないよ! だからちゃんと自分でも考えながらやること!」


 ビシッ! とポルカ組に指を突き付けて言い、肉屋組にもその指を突き付けて。


「ボイフたち肉屋組も晩ご飯を村で用意するんだから、協力しなよね。ダンジョン組が全員覚えるのを協力するなら、バラ肉の燻製受け取った後も教えるってことでどうよ?」


 もちろんガザ狙いで言ったのだ。奴は速攻で釣れる。案の定だった。


「乗った!」


 肉屋組4人は空を仰いでどこを見ているのだろうか。まあ確信犯だ。すまない。



 まだもう少し私はこの能力開発に付き合わねばならないようだ。

 まあ目指せ村全員計画だから、いいんだけどね。


 ちなみに肉屋組とはそういう事になったので、彼らは毎日村に来る事になった。

 というか、泊まりこむ事にしたらしい。

 狙いはたぶん朝ごはんだろう。談笑中にユジとかからフンフン鼻息荒く聞いていたからね。

 小屋はどうするんだと訊いたら、「使ってない小屋ならある」とソルが。


 ロンさんは賛成していた。理由を訊いたら、「街の奴が苦手なのも居るからな。一緒に過ごせばあいつらが良い奴だって判るだろう」だって。

 さすが考えられる大人である。

 その辺りが決まったところで狩りの仕方の相談に話を戻した。



 とんだ方向に話が飛んで行ったもんである。誰のせいって、ちょっと急いだ自分のせいだ。

 ははは、うん。反省している。急いじゃいかんのだ、急いじゃ……。





彼らの能力開発は、今後の事もあって少し丁寧に書きました。

お付き合い下さった皆さん、お疲れさまでした!


後はサクサクといろいろ覚えて行ってくれることでしょう。


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