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さあ美味しいモノを食べようか  作者: 青ぶどう
39/91

38.魔力は燃え盛るうちに発現させろ! (3月30日加筆&修正)

能力開発、継続中です。



 さて1通りモンスターと対戦してもらったわけだが。

 急造のチームでもちゃんと連携を考え実行に移し、モンスターの配置が少し思惑と違っても対処できた。

 そしてユジとガザが身体強化を覚えて。

 素晴らしいの一言だ。


 じゃあこれから5対3で行くのかどうかなんだけど、そんなワケは無い。

 1対1になった時も、時間はかかるが怪我は無かった。

 もう1度くらいは5対3でやるとして、次からはモンスターを増やしていきたいと私は考えているのである。

 その為には、魔力回転で発現を補助できると知った今、やらねばならない事がある。



 なので次の部屋に向かう通路に一度座ってもらって言う。


「次の部屋では、私が身体強化、付与、魔法攻撃、魔力攻撃をやるから、それ見て自分はどんなふうに魔力を使いたいか考えてみて欲しい」


 私の考えではあるが、ガザはいきなり姿が見えなくなるほどの身体強化が使えるようになった。

 それは私のを見て、身体強化はそういうモノだと思ってるからかもしれなかった。

 ダンジョン組ではロジ少年と肉ダンジョンで拾った3人しか見ていない。当然その3人が誰かなんて覚えてるはずもなく。


 ロンさんは怪我してから使えていなかったと言っていたから、身体強化を使った戦闘を、ロジ少年とその3人以外は見たことが無いのだろう。それならば、身体強化がどういうものかも分かってないと思われる。

 なので、皆には一通りの攻撃方法を見せて、自分がどれをやりたいかをイメージできるようにした方がいいと思うのだ。

 なので、身体強化は皆の目に見える速度で行う。


「なあ、弓使って見せてくれ」


 ターヴが言った。ミノもソルも頷いている。おや、ロジ少年も。


「分かった。じゃあ誰か5人でパーティー組んで」


「おい、15匹以上になるぞ?」


 ユジが眉間にシワを寄せて言う。

 ロジ少年と肉屋組は顔を見合わせ苦笑する。


「皆に見えるようにゆっくりやるなら、そのくらいがいいと思うよ」


 私が15匹以上にする説明をしたのだが、ロジ少年を除くダンジョン組は、よく解っていないようだ。

 ソル達が困惑して動こうとしないので、肉屋組を見てお願いした。

 もちろん何の心配もしていない彼らは、さっさとパーティーを組んでくれた。



 身体の細いポルカ組を抜いて、筋肉ムキムキな兄さんたちだけで組んだソレは、ラグビー選手のソレを見ているようであった。うむ、むさいな。


 さて次は観戦席を用意せねば。


「今回は私が安全圏を作るから、そこで見てて」


 私が小石に付与をいろいろ付けていく。付与を覚えたい人のために、声を出して付与する。


「対物障壁」「吸着」


 魔法を使ってこないのは判っているので、こんなもんだろうか。

 それを部屋に入ってすぐのところに設置して、全員でそこに入る。

 肉屋組とロジ少年がさっさと入り、他のポルカ組は恐る恐るだ。


「付与はイメージがすべてだよ。これは、どういう場所を作りたいかなって考えた付与。モンスターに攻撃をされても防げる場所。そんで置いた小石が蹴飛ばされないようにくっつける。まあ今回はその2つを考えて付与したってわけ」


「なるほど」と皆が頷いた。


「じゃあ行くから、ちゃんと見ててね」


 説明を終えた私は、17匹のモンスターを倒すために安全圏を出る。

 さあ始めるぞと。


 弓をローブの下から取り出して、ゆっくりめを意識して魔力の回転速度を上げていく。

 ある程度上がった所で、弓に付与をかけていく。

「強化」「命中」「高速」「貫通」

 皆に聞こえるように声を出して付与を終える。

 そして射る。

 一番近いハチに刺ささって、砂になった。

 他のモンスターが一気にこちらを向く。だがモンスターたちが動き出す前に身体強化を速度に振って弓を射って、ハチをもう1匹撃墜した。


 弓をしまって、剣に持ち替える。

 右のモンスターの方が近かったので、そちらに跳ぶ。

 ひと突きでクモを1匹仕留め、すぐその向こうに迫って来ていたクモは横薙ぎで仕留める。


 羽音が聞こえて、上からハチが近付いて来ているのが分かったので、空いてる左手に空気を圧縮して弾を3つ作り、投てき4種付与をしてハチに放る。

 力なくポイしただけでも、高速と貫通と強化で充分威力は足りているのだ。

 3つの圧縮玉は手を離れてすぐ加速して、3匹のハチに向かって行った。


 命中のおかげで、その弾は外れない。

 私はハチを片付け終わって、後はクモを狩ればいいだけになった。

 身体強化で力と速度を程々に強化する。

 そういえばと昨晩試した事を思い出して、魔力で作った弓を作り出して速射で2匹を仕留めた。

 その後は剣先から魔力を伸ばして、普通の剣の射程外のクモを斬ったり、突いたりもした。


 そしてラスト1匹になった時に。

 私は剣も弓も、魔力の武器も引っ込めて、安全圏の方に向かった。

 もちろんクモは追ってくる。

 それでいいのだ。今から彼らに見せたい物があるのだから。


 私は安全圏の傍まで行くと、クモを待ちながら言った。


「今からやること、よく見ててね」


 身体強化に練り込んでいた魔力とは別の魔力で身体を包んで行く。自分の身体を魔力でコーティングしたのである。

 時間としてはそんなに長くは無かっただろう。なにせクモがすぐそこまで来ていたのだ。

 そしてクモが振り上げた脚を、腕を盾にして受ける。

 身体強化をかけていなければふっ飛ばされていたと思うが、かけているので踏ん張って受け止めた。

 そして受けた腕でクモを押し飛ばす。ふっ飛ばされたクモの身体が、宙に浮いた所に加速してジャンプ。

 踵落としを叩き込むと、「ドガン!」という音を立ててクモが地面に激突して砂になった。


「はい終わり。さあ拾うの手伝ってよ」


 安全圏の中の皆に向かって言う。こんだけ広い中にドロップ品が点在してるので、是非ともお手伝いが欲しいのだ。

 身体強化を使えばすぐではあるが、一緒に拾うのも親睦を深めるのにいいと思うのだよ。…建前はそういう事でいいだろうか。


 ここでもロジ少年と肉屋組が素早く動いて拾い出した。塩ダンジョンで私の戦闘風景に慣れているせいだろう。

 ん? ソルたちが惚けて固まっているのは解るが、なんでロンさんまで固まってるんだ?


「ロンさんまで固まっちゃって、どうしたの?」


 私が心底不思議に思って訊くと、ロンさんがわなわなと口を震わせてから頑張って答えてくれる。


「……凄すぎて、言葉も無かったんだよ」


「そう? 王都の冒険者で見慣れてると思ってた」


 うん、下層やボス部屋に行く冒険者なら、このくらい出来るんじゃないだろうか。

 ロンさんが首を横にささっと振り。


「俺は中層くらいまでしか行った事がないから、上位冒険者の動きなんて見る機会なんざねえよ」


 そうか。今のロンさんの身体強化の威力は、付与された魔力で嵩上げされてのものだった。

 以前どのくらいの身体強化を使っていたのかは知らないが、中層までしか行けなかったというなら、そんなに強くは無かったのだろうと推測した。


「驚いてるけど、皆にはもうこれくらいは出来る魔力を付与してあるんだよ。もう魔力は揺らいでるんだから、後は発現させるだけなんだけどね」


「んなこと言ってもなー」


 ビスが困り顔で言う。

 ソルも眉間にシワ。他のメンバーは、何かやりたい事が決まったのか思案に入ったような顔をしていた。


「何を悩んでるのか訊いてもいいかな」


 ビスとソルに声をかける。

 そこにロジ少年と肉屋組が戻ってきて、話に加わった。

 そこで彼らも交えて、さっきの話をする。

 最初にロジ少年が教えてくれた。


「あのさ、俺は身体が小せえから、身体強化をしてもあんまり強い攻撃はできないんじゃねえかな?」


「身体強化にどれだけ魔力を使うかで強さが決まるから、身体の大きさは関係無いよ」


「剣が短いからさ。ちょっと怖いっていうか……」


「それなら長い剣を持つか、さっき私が少し離れたのを剣で斬ったみたいに、魔力で短剣に長さを足すといいね」


「え! あれ、そんなふうにやってたのか? 風魔法で斬ったのかと思ってた」


 そうだったのか。私は説明してあげる。


「剣に魔力を流して、剣の長さを伸ばすイメージでこう、にょきっとだね」


 黒剣から魔力をにょきっと出すところを見せる。「長く~」「短く~」と言いながら、長さが変わるのも見せる。

 おや、ソルがすっごい真剣な顔だ。もしかしてソルのお気に召したのだろうか。


「これすると、ついでに剣が魔力にコーティングされて強化と同じ効果になるね。硬く、鋭くってイメージしてやれば、まあ付与そのものな気もするけど、付与には剣を伸ばすってのは無いから、また別なのかもしれないね」


 剣の話が終わると、今度はターヴが訊いてきた。


「なあさっきロジが言ってた風魔法で斬るってどうやるんだ?」


「ターヴはそれやってみたい?」


 強くターヴが頷いた。いや、ビスも頷いている。


「弓は矢が無くなれば終わりだし、モンスターに急に近くに来られたら剣の方がいい。だから、剣を持ちながら遠くのが斬りたい」


 ターヴはもう自分の方向性が決まったようだ。そんな顔で自分の考えを教えてくれた。

 ビスはまだ悩んでいるようだ。


「俺も剣を使うのは外せないんだが、まだ悩んでるよ。だから風魔法ってのがどんなんか知りたい」


 だそうだ。

 じゃあ教えよう。


「う~んとね。魔法ってのは、生活魔術の応用なんだよね。濡れた物を乾かすのは風なんだけど、その風が暖かければ乾きやすいよねって事で、風魔法と火魔法を同時に使ったり、水をあったかくしたいなって時には、水魔法と火魔法を使う」


 えーと、首を傾げてるけど、考え方を今教えてるんだよ。


「何が言いたいかというとだね、じゃあ風で物を斬りたい時ってどうすれば出来ると思う?」


 眉間にシワが寄り寄り。まあここが解れば使えてるよね。


「はい、風を集めて魔力を足して斬りたいモノより硬くする、が答えだよ。でもさ、風を集めるのも魔力を足すってのも、よく解らないと思うんだよね。私は風を集めてぎゅっと縮めて硬くして鋭利とか付与して使ってるけど、それは風を使えるものだと解ってないと難しいと思う」


 はは。うん解らないよね。

 でもそんなきみたちに朗報だ。


「でも魔力で剣作って飛ばしても同じ効果だし、短剣とかいっぱい持ってそういう効果の付与をしてもいいし、さっき見せたみたいに剣に魔力を溜めて飛ばすイメージすれば、イメージ通りに飛んでくと思うよ。ほら、魔力で弓作って射って見せたじゃん。あれと一緒だね」


 私の説明に、「う…ん?」って感じで考えている人と、「うん」と強く頷いた人がいた。

 強く頷いた人たちは、自分のやりたい事が決まったのだろうね。


「はい、じゃあ今からはイメージが固まった人からやるよ。とりあえず次の部屋に行くまでに、魔力回転始めながら行こうか」


 私がそう言って魔力回転を始めると、釣られて始めながらロンさんが。


「何か判ったのか?」


 それに頷いて言う。


「どうもね、魔力回転に時間をかける人が近くに居たほうが、能力の発現が早いみたいなんだよね。だから、今から次の部屋までにゆっくりから徐々に速くしていけばどうかなと回してみてる」


「なるほどな」



 さっきの5人パーティーには解散してもらって、今度は3対3にすると告げた。

 さっき私が見せてから、皆の中でイメージが出来上がってきたような気がしたからだ。

 それならば3対3で1対1の状態にして、危機感を持ちつつじっくりやって欲しいと思ったのである。

 そういうワケで今からの班は、私が決める。

 まずは発現しそうな1人と、すでに身体強化か付与を使える2人で組んでみようか。

 こうすれば落ち着いて1匹に集中できるだろう。どのモンスターを狙うかは、発現しそうな1人に先に選ばせる事にした。



 どうやら、やりたい事が決まったらしい人の魔力が、いい具合に大きく揺らめいている。

 じゃあサクサク行くとしよう。


「はい、ロンさん、ユジ、ターヴ」


 ターヴが、待ってましたと言わんばかりに前に出る。

 ターヴを選んだのは、魔力の回転がかなり速くなっていたからだ。


「ターヴがどのモンスターを狙うか決めて、残りを2人がやってね。そんでターヴが危ない時は補助で」


 3人が頷いて部屋を覗きに行く。

 すぐに決まったようで、さっさと出て行った。

 今回からは全員でそれを見学だ。

 さっきの付与小石を持って部屋の隅っこに寄る。

 パーティーを組んでないので「感知不可」を付けるのを忘れない。



 部屋ではすでに始まっていた。

 ユジがさっきよりスムーズに魔力の回転数を上げていく。

 ロンさんはいつでも行けそうだ。ターヴも意識して、さらに回転数を上げていっている。

 もちろん私もガザも見学しながら回転数を上げるのを一緒になって助ける。


 ぐぐーーーっと回転が絞られた。

 ターヴが「であっ!!」と叫んで剣を横薙ぎに払う。

「ブゥン」と少し鈍い音がして、剣から魔力が飛んだ。

 飛んだ魔力を目で追う。

 それを顔に受けたクモは、上半身を粉々に潰されて砂になった。

 それを確認してロンさんが投石でハチを仕留めた。

 ユジは向かって来たクモに、自分からも身体強化で接近して突きで仕留めた。そしてニンマリ。


 ユジの身体強化は、なかなかの速度と力だったと思われる。

 さっきは投げるのにしか使っていなかったから、試してみたかったのだろうね。

 新しい技を覚えたら、使いたくなるよね! うん。解るなあ~。



 この作戦、いいかもしれない。このまま続けてみるべしだな。

 次は誰にしよう。よし決めた。というか決まった。

 ソルとビスの揺らぎが大変な事になっている。

 この2人、一緒にやっちゃうか。

 そんでガザを付ける。

 オッケーオッケー、どんどんやろう!



「はい次。ソルとビスとガザね。行ってらっしゃい」


 ソルとビスがさっさと部屋に向かう。

 それをガザが追いかける。


「俺は1匹やりゃあいいんだろ?」


 通り抜けざまにガザに訊かれたので、頷いてから「後は様子見て動いて」と伝える。

 3対3であれば、余程の事が無い限りロジ少年以外は大丈夫な人ばかりなんだよね。

 ただ、能力の発現に時間がかかるかなって思って、補助を付けてるだけなのだ。



 私たちが観戦席に落ち着く間もなく始まる。

 ソルが魔力練りも無く、いきなり走り出したのだ。

 走りながら叫びだす。おう、叫ぶタイプだったか。…違った発現反応だった。


「うらあああ!」


 走りながら叫ぶソルの魔力が回転を始める。いきなりの高速回転だ。

 クモから少し手前で剣を引き、ソルが思い切り踏み込んで突きをくり出す。

「ボヒュッ」と空気を突き抜く音を立てて、クモは散らされ、すぐに灰になった。

 ソルの足元の地面には放射状にヒビが…。

 おう、どんだけ練り込んだんだ。



「そいやあ!」


 その叫び声の方を見ると。

 部屋の反対側でビスが剣を横薙ぎに払い終わっていた。

 クモとはまだ離れていたが、剣圧なのか風魔法なのか判らないモノが飛んで、クモを半分に切り飛ばして砂にした所が見れた。

 見逃すとこだったよ。危ない危ない。


 ガザを見ればすでに終わっていた。

 ハチをやったのだろう、ハチミツの壺を拾っている所だった。


 ガザは着々と身体強化をモノにしているようだ。

 さあ、お次は誰にしようか?

 なんだかとってもワクワクする。

 新しい技って、仲間が覚えると自分の事のようにうれしくなってしまうな~~。


 ん? 視線を感じる。ボイフとロジ少年。

 おおおお! 2人の魔力は燃え盛っているようだ。

 よし次はこの2人だね。

 後の1人は~~~。うん、ターヴで行こう。


「はい、さっさと次の部屋行くよ~」


 はいはい、次、次! 後が詰まってるよ!

 鉄は熱いうちに打て! 魔力は燃え盛ってるうちに発現させろ!


 おう名言出た~~~!







名言がサブタイトルになりました。他に思い付きませんでした…


ご質問いただいたパーティーの仕組み、今日考えました!(←おい!)

決まってなくて、わざとぼかしていたのですが、ちょうどいいタイミングで質問もらったな~と思っております。ありがとうございました^^b


3月30日の修正&加筆で、パーティーの仕組みが無事、混成パーティー結成時に移動しました。


ヨリが仕留めるモンスターを、ダンジョン設定の変更により19匹から17匹に変更しました。


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