おっさんが往く(2)
ガリウス王国南部に隣接する王国。スフィルコア王国にある貿易都市アルアリースにおっさんは熊の魔物を担いで訪れていた。
「いやぁ~すごいなぁ、ここが貿易都市アルアリースかぁ…」
ファングベアーを倒してからほんの20分ほどかけて着いた町、アルアリースは貿易都市というだけのことはあり町への出入口である大門からは多くの人が往き来していた。
「よっしゃ、じゃあさっそく入るとしますか」
久しぶりの町てテンションが上がってきたおっさんはそのまま中に入ろうとするが……
「…………っ!?ちょっと!そこの熊担いでるひと!!って、おい!止まりなさい!!」
さっそく門番に呼び止められる。
「………あぁ?俺か?」
露骨に不機嫌そうな声音で威圧するがそこは門番も仕事なので冷静に話し掛けてくる。
「いや、こんなもの………どれっ?て顔しないでよ。熊だよ熊!!せめて処理してから持ってきてもらわないと、伝染病の原因とかになっちゃうから」
「……分かったよ。じぁこの熊どうすればいい?ここらへんに捨てとくか?」
「いや、これだけ大きいなら捨てるのももったいないでょ。ギルドの人呼んで来るから、道の隅で待ってるように」
そういうと町の中へ走って行ってしまった。ここ最近は戦争もなかったのでかなり平和ボケしていると感じつつも、(普通は一人で待たせておかない)待つこと10分。やっとギルドの人間と思わしき人が5人と門番がやってくる。
「いやぁ待たせましたね」
メガネをかけたスキンヘッドの男が 、話し掛けてくるがどうやら5人中でも上の役職の人そうだ。
「いや、そんなに待ってないさ。それより悪いんだがこれの処理を頼む 」
スキヘッドの男は他のギルドの人間に指示をだすと、少し興味深そうな顔で観察してくる。
「それにしてもファングベアーを担いでくるなんて、あなたは相当に力が強いですね。ギルドには入られていますか?」
「いや、まだ入ってはいないな」
「それでしたらこの町で是非とも登録をしてみて下さい。あなたならすぐにでもトップランカーになれますよ!!」
話が終わったところで門番に呼び出れ名前などを門番の持っている用紙に書いていく。
「………よし。大丈夫そうですね。それでは……
ようこそ貿易都市アルアリースへ!!」