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おっさんが行く(1)
「グォァァァァ!!」
「あぁ~だりぃ」
バキッ!ボキッ!
そう言いながらファングベアーと呼ばれる熊の魔物
に欠伸をしながら 蹴りをかまして、骨を叩き折るの
は白の髪に黒い瞳の30代ぐらいのおっさんだった。
「グギャャャャャ!!」
あばら骨を折られながらも果敢に腕を振って攻撃
してくるファングベアーだが……
「グギャャ「うるせぇ…」
バキッ!!
腕を振って攻撃してくるファングベアーにカウンターでパンチを当て、頭蓋骨をぶち抜く。
「あぁ~だるかった。やっぱ二日酔いの時に魔物と闘うもんじゃねぇな……」
そう言いながら魔物の死体を担ぎ上げて町へ行こうとする、この死んだ魚のような眼をしたおっさんは
元ガリウス王国聖騎士団団長ローヴァン・レインズ
その人であった。