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作者: 菖蒲

声が、聞こえる。


私を嘲り、蔑み、見下す声が。


それは、私が苦手なことを何とかしようと努力している時や、もう少しこうした方がましになるのではないかと考えているときに聞こえるのだ。


どうせ無駄だよ

あーあ、またそんなことして

それでできるわけない

はは、ばかじゃないの?


頭のなかでこだますこの声は、決して幻ではないと思う。


誰の声なのか?


わからない。


もしかしたら私自身。

でも、私の声ではない気がするのだ。


別の人格が私のなかに潜んでいるのだろうか。


どこか諦め、最悪の事態を少しでも良くしようとしている私を客観的に、むしろそれを楽しむかのように見つめる者が。


あのときこだますその声は、確実に私の集中力を削り、不快感を与え、そしてもうだめかもと思わせてくる。


これは、諦めていいんだよと遠回しに言っているのか。

はたまた単なる試練のようなものだろうか。



多く疑問が浮かび上がる。


だが、どれだけつらいことに直面しようと、その声が聞こえないこともあることが、一番不思議なところだ。


それはつまり解決する術が私のなかにあるときには何も聞こえないのだろうか。


振り返ると、もはや運に任せるしかないときにのみ、あの声は降ってくるように思われる。


もしそうであるならば


私は、あの声の主を私の中から追い出したい。


運にしか頼れないほどの限界に近づくことになるのはつまり私に足りないものがあるからだ。


未だ経験していない、もしくは修得していないことがあるからだ。


全てを手に入れてみたいと


貪欲にもそう思う。


だから、自分を磨き続けるのだと

そう自分に言い聞かせて

私は諦めることを知らない人になりたいと願う


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