第7話 過去の夢(前編)
お久しぶりです!
あるところに母親が違う兄妹がいました。
兄の母親は父親と政略結婚でしたが、母親は父親が好きで結婚できて幸せでした。
ところが、10年たったある日。父親は赤ん坊を連れて来ました。
困惑する母親に、この赤ん坊は自分の娘だ。これからここで育てると父親は告げました。
母親は呆然と父親が赤ん坊を使用人に預けるのを見ていました。
――その日から母親はおかしくなりました。
いきなり笑いだしたと思ったら、泣き出し次の瞬間、鬼のような顔をして兄や使用人を罵り、時には暴力を振るいました。
兄や使用人は戸惑いましたが、懸命に母親の世話をしました。
周りの努力も虚しく、母親は寝たきりの生活になり、やがて死んでしまいました。
兄に絶望が襲いました。父親は自分を駒にしか思っていない。自分には母親だけだと思っていたからです。
兄は妹を恨みませんでした。その上、産まれた子供に罪はない、今度こそ自分が守らなければと決心しました。
しかし、父親は兄と妹を会わせませんでした。兄は父親に何度も問いましたが、父親は「あれとは関わるな」と答えるだけでした。
月日が経ち、兄が15歳、妹が5歳の時に事件が起きました。
なんと妹が気に入らないと言う理由で、使用人を解雇させたり、令嬢を突飛ばし怪我をさせているというのです。
――5年振りに見た妹は自分が嫌いな“女”という生き物になっていました。
そんな妹を見て兄の感情が弾けました。やはりコイツがいたから母親が死んだのだ・・・。そう思うようになりました。
ある日、魔王に王女様が拐われ国は勇者を召喚しました。兄は勇者の平凡だが明るさに救われ、勇者に恋をしました。
それを聞いた妹は王子様も勇者に恋をしていたので、勇者を消せば王子様は自分の物になり、兄にも復讐できると考えました。
そこで、勇者を娼館を売ろうとしましたが、計画に気づいた兄に阻止され、妹は逆に売られてしまいました。
兄は勇者と仲間と力を合わせ、魔王を倒し勇者と結婚しました。
勇者と兄はいつまでも幸せに暮らしました。
やっと出たのにおあずけという・・・。