第5話 どこに?
お久しぶりです・・・。本当に亀更新で申し訳ありません・゜・(つД`)・゜・
ガッ・・・ドサッ
「痛っ!」
――どれくらい走ったのだろうか?
あれからひたすら走り、木の根に引っ掛かり顔面から転んだ。痛みが走り足を見ると血が滲んでいて、道理で痛いわけだと納得した。
さっきの銀髪の少年はユリアーナの兄、メイナード・バルフォル・オークランドだ。
少年を見た瞬間、メイナードのルートを思い出した。ユリアーナとは腹違いの兄妹で、ユリアーナは父親が兄ばかり褒めるのを気に入らず、兄と対立していた。
兄も兄で、父親が愛人に産ませたユリアーナのせいで母親が死んでしまい、憎んでいた。
メイナードのルートでは兄が勇者が好きだと気づいたユリアーナが、勇者を娼館へ売ろうとしたけど、それに気づいた兄が阻止して逆にユリアーナを娼館へ売ってしまうのだ。
・・・ゲームでの描写は曖昧だったけど、ユリアーナは売られた
娼館で輪姦された上、買い取った貴族の玩具にされ、そのまま死んだ。
「なんで・・・」
なんで私はユリアーナになっちゃったんだろう。
なんで私はこんな世界に来たんだろう。
なんでユリアーナは|私(前世)を思いだしちゃったんだろう。
このままだと、私は確実に死ぬ・・・いや、殺される。
私を殺すのは攻略キャラ・・・。
だったら・・・。
「攻略キャラがいなければ・・・攻略キャラがいな
いところにいけば・・・」
――私は生きれるの?
そう思った瞬間。
チリ・・・ン。
「ん?」
なんか今聞こえた?と辺りを見渡すと、また聞こえてきた。
どこから聞こえるんだろ・・・?
チ――リン。
「あ!」
さっきよりもはっきりした音に顔をあげると、どうやら音は木のところから聞こえているみたいだ。
「・・・よし」
私は木に手をかけると、音がした方によじ登った。するとちょうど私が座れるくらいの窪みがあった。
・・・・・・・・・・・・。
ちょ、ちょっとだけ・・・。
「おお!」
私にピッタリ!
興奮しながら木に寄りかかると、またあの音がした。
これは・・・後ろから?
ハッとして後ろを見ようとしたら、体が後ろに傾いていた。なぜなら背後の木に穴が開いたからだ・・・って開いてる!?
慌てて手をジタバタさせるがすでに上半身は木の中。何も掴めない。
「うわぁぁぁぁぁあああ!?」
私は叫び声と共に木の中に吸い込まれていった。