第2話 運命の夜
昨夜のこと。ユリアーナは喉がかわき、下に降りた。
サイドテーブルの水は切れていたし、メイドはユリアーナの今日のある事件により、仕事をしなくなっていたから。
下に降りると、父親の書斎に明かりがついて、ユリアーナは珍しいと思った。父親はいつも明け方に帰ってくるからだ。
ユリアーナは好奇心でドアの隙間から部屋を伺うと、書斎には父親と執事がいて、2人は何やら難しい顔をしていた。
「そうか・・・。王子が・・・」
「旦那様・・・」
「わかっている。あんなことをしでかしたのは、アレを・・・甘やかし過ぎたせいだ」
「しかしっ、お嬢様は否定してっ・・・「ご令嬢が負傷した現場にいたのは事実だ」
「・・・・・・」
「・・・アレを養子に出そうと思う」
「!?そんな・・・!旦那様!!」
「幸い、跡継ぎはいる」
「っ・・・!あなたは、ただにげっ・・・『ガタン!』
「誰で・・・!お、お嬢様・・・」
ユリアーナは音をたててしまい、執事と父親がこちらを向いた。
執事の顔は青ざめ、父親は眉間にシワを寄せ、ユリアーナから視線を外した。
パタパタパタ!
「お嬢様!」
ユリアーナは執事の声を無視して、部屋に駆け込むと、ベッドに倒れ込んだ。
自分はやっていない!令嬢は自分で階段から落ちたのだ!!
でも、誰も信じてくれない・・・。
痛い・・・苦しい・・・。
もう・・・。
「 」
ユリアーナはベッドに倒れ込み、何か呟くと一筋の涙をこぼした。