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鳥籠の花嫁  作者: 寝子
幼少編
20/22

第17話 スイカおっぱい

青い長い髪と白いお湯のおかげで、肝心な所は隠れてるけど・・・。



「す・・・」


「・・・す?」



首を傾げるお姉さんと共に揺れるもの。それは・・・。




―――スイカおっぱいだ!!!!!!




このお姉さんのおっぱいスイカサイズだよ!!!!



見事に実った胸に意識が集中してしまう。そして自分の胸を見た。

・・・い、いや!確かユリアーナはメロンサイズになったハズ!!たとえ今がつるぺたでも・・・!!



そんな風に自分を慰めていると、お姉さんの手が私に伸びる。

その白くて長いお姉さんの綺麗な指が私の首元に伸び・・・。



「ぐ・・・!?」



そのまま私の首に手をかけ、絞め始めた。苦しさにジタバタする私をお姉さんはただ冷たい目で見つめる。



苦しい苦しい苦しい!!



苦しさから解放されたくて、首元の手をなんとか外そうとする私を嘲笑うかのように、お姉さんは更に力を込める。



必死になって外そうとしている中、ふと視界に入ったお姉さんは泣きそうな顔をしていた。

そのどこか怯えているような表情に、よく見ると目は私を見てなくて、どこか遠いところを見ているような・・・。



そんなお姉さんに思わず私は――――




「お・・・な・・・て・・・」




―――お姉さん、泣かないで。




抵抗を忘れて私は口を開いたけど、声は出なくて変わりに手を伸ばした。

私の手が頬に触れるとお姉さんはハッとしたように私を見た。

お姉さんの頬っぺたは冷たくてまるで氷のようにひんやりとしている。



そのままお姉さんの目元をゆっくりと払うように指を動かすとピクリと反応した。その反応はまるで幼子のようで・・・。




「・・・じょぶ・・・だ・・・」



―――大丈夫、大丈夫だよ。



お姉さんにちょっとでも安心してほしくて、無理矢理口角を上げながら頬を撫でる。



ああ・・・でも・・・もうむ、りかも・・・。



薄れゆく意識の中、「な、んで・・・人間だろ・・・?」と呟いたお姉さんの声はまるで男の人のように低い声。



―――その時だった。



「やめろ」



1つの静かな制止の言葉が響き渡った。

その制止の声にお姉さんの手が緩んだので、私は思いきり息を吸い込んだ。



い・・・生きてる・・・?



咳き込みながら声のした方向を見ると、そこにはノンちゃんがいて、目線の先のお姉さんはイライラしたような顔をしながら、私の首に手を添えている。



しばらくお姉さんはノンちゃんを見ていたけど、大きく息を吐くと、「この人間がいるのはアンタの意思なんだな?」と睨むように言った。



「ああ」


「―――わかった」



お姉さんは私の首から手を離し、一歩下がった。

すかさずノンちゃんが私を引き上げ、タオルで包み込んだ。



「ユリ・・・。すまない、苦しかったな」



俺が前もって通しておけばとワシワシと私をタオルで拭いてくれるノンちゃんは、しゅんと耳と尻尾を垂らす。



おいおい・・・ついに幻覚が見えるようになったか・・・。



「大丈夫、大丈夫。すぐにノンちゃんが来てくれたからさ!」



私もスイカおっぱいに油断してたからなぁ・・・。



ハッ・・・!!これぞ噂のハニートラップ!?



「ちょ、ちょっと待てよ!!」


「ん?」


「はい?」



アホなことを考えている中、お姉さんの叫び声に振り返ると、まるであり得ないものを見たような顔をして、こっちを指差すお姉さん。



「あ、アンタ・・・この人に・・・!」


「?」



ど、どうかした?



プルプルと震えているお姉さんにノンちゃんはふむと頷くと、「俺の名前はノワールだ」とドヤ顔をした。



っ・・・かわっ!!ノンちゃんのドヤ顔クソ可愛いんだけどぉぉぉおおお!!!!



ノンちゃんのあまりの可愛さに声に出さずに悶えていると、パシャリと音が鳴りお姉さんがこっちに近づいてきた。

温泉から上がっても、お姉さんの服はない。つまり・・・。



ま  る  み  え  !!



ワォ!!!!



思わず食い入るように見ていると、いきなり真っ暗になった。



ちょ・・・!!お姉さんのないすばでぃーが見れないじゃねぇーの!!とジタバタと暴れていると、やっと目の前が見えた。



犯人はノンちゃんで、私の目元を手で覆い隠していたのだった。



の、ノンちゃんの意地悪ぅぅぅううう!!




内心ハンカチでキィィィとしながら、改めてお姉さんを見ると、いつのまにか着物を着ていた。



胸元は大胆にはだけていて、お姉さんの白い肩、綺麗な鎖骨がむき出し。

そして、すいかおっぱいがこぼれないかハラハラドキドキする。



・・・思わず支えようと手が伸びたのは仕方ないと思うの!!



ぐたぐた言い訳をしていると、お姉さんが突然膝をついた。



「ぬぇ!?」



おっぱいが・・・!おっぱいがこぼれる!!・・・じゃない!!一体何事!?



困惑する私をよそに、お姉さんはそのまま話始める。



「先ほどは大変失礼致しました。私、ランス・ブラウ・パラン・アズゥ・カエルレウム・アズラク・ブル・アッズッロ・キュアノエイデス・アスール・シーニーと申します」



お姉さんの鈴音のような声(・・・・・・・)にうっとりと・・・って待て待て待て待て待て!うっとりしてる場合じゃねぇ!!名前長くね!?覚えられませんから!!



私が口をパクパクさせていると、お姉さんは首をかしげる。それが可愛いのなんのって!!



悶えている私にノンちゃんが「本名はこれより長い」と教えてくれて思わず白眼を向いた。



「マジッスか!!・・・あ。えーと・・・ご丁寧にありがとうございます。ユリアーナ・バルフォル・オークランドと申しますです」



「ユリアーナ様・・・。これから末永く(・・・)よろしくお願い致します」



「はっはい!こちらこそ!?」



美人の上目遣いによくわからないが、頷いてしまった。



・・・美人の上目遣いは心臓に悪いわぁ・・・。



「命名・・・おめでとうございます」


「ああ。これからもよろしく頼む」



お姉さんはノンちゃんの方に膝まずき、頭を下げる。ノンちゃんはそれを当然のように受け入れ、頷いている。



「お、お2人さん、ちょっとよろしいでしょうか?」


「どうした?」


「はい?」


「それから、お姉さんは敬語じゃなくて大丈夫です!むしろお願いします!」



私が頭を下げると、動揺した気配がした。

チラッと見上げたらお姉さんは困ったようにノンちゃんを見る。

ノンちゃんが頷くと、お姉さんはため息をつきながら私に向き直った。



「・・・じゃあ、私にも敬語じゃなくていいわよ」


「りょーかいです!んでんで、お2人さんのご関係は? 」


「上司と部下みたいなものよ」


「へー・・・そうだったんだ」



だからノンちゃんは大将って呼ばれてるって言ってたのかな?



「ねぇ、私も"ユリ"って呼んでいいかしら?」


「ぜひぜひ!私も・・・!えーと・・・なんて呼べばいい?」


「そうね・・・。ランでいいわ」



「はい!ランさ、「まさか、さん付けなんかしないわよね?」・・・う、ウス、ランちゃん」


「ら、ランちゃん・・・。まぁ、仕方ないわね」



特別に許してあげるわとランちゃんは髪を払い、シャラシャラと綺麗な簪が揺れた。

ランちゃんはいつのまにか、右側を大きなリボンのような形で髪を結い上げていて、残った髪が右側流れていた。



温泉から出てきたはずなのに、なぜか髪が濡れていない(・・・・・・)ランちゃんを不思議に思っていると、ふわりと甘い匂いが漂った。



「!ラン!!」


「え?あ、やべ!!」



ノンちゃんが大きな声を上げるの初めてだとか、ランちゃんの声がまた低くなったなとか思ったけど・・・。



とりあえず、目が回る~~~。



私はくるくると回る世界から逃げるように、目を閉じた。

おっぱい!おっぱい!スイカのおっぱい!

・・・1ヶ月振りの投稿がおっぱい・・・。

どうかこんな作者を見捨てないでください!!←

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