第16話 ユリ風呂
なんだかいきなり思いついて書き上げたので、連続投稿です。
・・・いつもこんなんだといいなぁ・・・。
というわけで、14話からどうぞ!
あれから風呂に蛇口がなく、玉しかなく入れなかったことを説明すると、ノンちゃんはさっき入っていたらしく快く貸してくれた。
どうりでいい匂いがするわけだ。クンクン・・・。
ノンちゃんによるとあの玉は風呂用の精玉という名前で、水属性の魔力を込めると水がはれ、火属性の魔力を込めるとお湯が沸くらしい。
・・・うーん・・・。メイドがやってたからわかんなかったのかな? それにしてもこの世界、本当に魔力なしの人生きづらいよね・・・。
しばらくすると目の前に温泉が現れた。
しかも・・・。
「露天風呂!!」
「髪を洗うのはこれ。体を洗うのはこれだ」
「りょーかいです!」
ノンちゃんはタオルとかを持ってきてくれるらしく、元来た道を戻って行った。
さっそくすっぽんぽんになる。・・・ん?なんじゃこりゃ・・・。
ユリアーナの体は腹部が出ていて、あばらが浮き出ていた。
・・・ああ・・・。食事もまともにもらえなかったんだっけ・・・。ユリアーナの記憶では1日スープ1杯の日も少なくなかった。
ユリアーナの体を擦りながら泣きたくなる。
ユリアーナ何も悪いことなんかしてないじゃん。
生まれたことが悪いっていうなら、それは親父さんのせいでしょ?既婚者のくせにユリアーナの母ちゃんに手出すから・・・。
「いたっ」
唇に痛みが走り我に返った。どうやら唇を噛み締めていたらしい。私はブルブルと頭を振り、お湯を被った。今は風呂だ風呂!
シャンプーらしきものを手に取ると、ほのかに花の香りがした。確かノンちゃんもこの匂いだったなぁ。頭と体を2回ずつ洗い、いざっ風呂へ―――!!!!
ザバ―――ン!!
誰もいないので、飛び込み式で入りました・・・てへっ!
「くぁぁぁぁぁ・・・」
いーきーかーえーるぅ・・・。
息をつきながらお湯を掬い上げる。
お湯は白く少しトロッとしていた。効能とかあんのかな?ノンちゃんに聞いてみようっと・・・とと・・・。なんだあれ。
目の前に何か流れてきて掴まえてみると、それはユリの花だった。よく周りを見てみると、色とりどりのユリの花がぷかぷかと浮かんでいる。
白、黄色、ピンク、オレンジ、赤、青・・・ってちょっと待て。色おかしくね!?
他にも緑、茶色、水色とあり得ない色のユリが浮かんでいる。
どこからくるんだろう?
私が温泉が涌き出ている所に行こうとすると・・・。
―――コポポ・・・。
お湯の一部が泡立ち、驚いて身を引くと泡は徐々に広がっていき激しさを増していく。
私が下がった、その瞬間。
ザバ――――――――――――ン!!!!!
「見つけたわよ!!いつまで休憩・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・はぁ?」
「ど、どうも・・・」
水しぶきと共に現れたのは裸の美女だった。
って・・・ええええええええ!!!????