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鳥籠の花嫁  作者: 寝子
幼少編
17/22

第14話 これからのこと

ほんと・・・子供は涙腺が弱いねぇ・・・。



「めでたしめでたし・・・む?」


「ぐずっ・・・」



やばい・・・ただの本だと思って舐めてた・・・!これ最後だけ挿し絵が1枚目あるの。んで、その挿し絵はラストの誇らしげに笑ったってシーン。



ラストの挿し絵は赤い竜の目の下まで描いてあるんだけど、口角は上がってるのに、頬に一筋の涙が流れている絵だった。



ずっと泣かなかった赤い竜がやっと泣いたのが、最後の誇らしげに笑った時。・・・このシーンに持ってかれたよっ。



ノンちゃんはボロボロ涙を流す私に、どこからか出したハンカチで拭ってくれる。どうもお世話になります・・・ずび!!



「・・・落ち着いたか?」


「落ち着きました・・・」



ユリアーナの体に精神がつられて幼くなっているのか、中々涙が止まらずこっちが焦った。根気よく拭ってくれてありがとうノンちゃん。



「ユリ、これからどうしたい?」


「え?」


「逃げたかったからここに来たんだろう?ここに残るのもよし、あるいは戻るのもいいだろう」


「私は・・・」



正直言うとここにいたい。ノンちゃん優しいし、一緒にいるとすごく落ち着くから。



でも・・・。



私の脳裏には兄の顔がよぎった。私が振り払った瞬間、一瞬だが泣きそうでいて、そして悔しそうな顔をしていたのだ。



どうしてあんな顔を・・・。



そう思った瞬間、私の答えは決まった。



「戻るよ」



あの顔の訳を知りたいから。



「・・・そうか」



ちょっと声のトーンが下がったノンちゃんに、寂しいと思ってくれてるのかなと思わずニヤける。



「ね、ノンちゃん。またノンちゃんに会いに来てもいい?」



困ったことになぜかノンちゃんと離れたくなくなってる。・・・不思議だなぁ、初めて会ったのに・・・。



ノンちゃんはキョトンとした後、ふわりと笑い、「毎日来い」とぎゅっと抱きしめられた。



「ま、毎日はさすがに・・・」



ま、待て!話せばわかる!!頼むからその顔しないでぇぇぇぇぇええええ!!



結果、1週間の内、4回は来ることになりました。



無表情の美形って本当にずるい!!!!

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