第14話 これからのこと
ほんと・・・子供は涙腺が弱いねぇ・・・。
「めでたしめでたし・・・む?」
「ぐずっ・・・」
やばい・・・ただの本だと思って舐めてた・・・!これ最後だけ挿し絵が1枚目あるの。んで、その挿し絵はラストの誇らしげに笑ったってシーン。
ラストの挿し絵は赤い竜の目の下まで描いてあるんだけど、口角は上がってるのに、頬に一筋の涙が流れている絵だった。
ずっと泣かなかった赤い竜がやっと泣いたのが、最後の誇らしげに笑った時。・・・このシーンに持ってかれたよっ。
ノンちゃんはボロボロ涙を流す私に、どこからか出したハンカチで拭ってくれる。どうもお世話になります・・・ずび!!
「・・・落ち着いたか?」
「落ち着きました・・・」
ユリアーナの体に精神がつられて幼くなっているのか、中々涙が止まらずこっちが焦った。根気よく拭ってくれてありがとうノンちゃん。
「ユリ、これからどうしたい?」
「え?」
「逃げたかったからここに来たんだろう?ここに残るのもよし、あるいは戻るのもいいだろう」
「私は・・・」
正直言うとここにいたい。ノンちゃん優しいし、一緒にいるとすごく落ち着くから。
でも・・・。
私の脳裏には兄の顔がよぎった。私が振り払った瞬間、一瞬だが泣きそうでいて、そして悔しそうな顔をしていたのだ。
どうしてあんな顔を・・・。
そう思った瞬間、私の答えは決まった。
「戻るよ」
あの顔の訳を知りたいから。
「・・・そうか」
ちょっと声のトーンが下がったノンちゃんに、寂しいと思ってくれてるのかなと思わずニヤける。
「ね、ノンちゃん。またノンちゃんに会いに来てもいい?」
困ったことになぜかノンちゃんと離れたくなくなってる。・・・不思議だなぁ、初めて会ったのに・・・。
ノンちゃんはキョトンとした後、ふわりと笑い、「毎日来い」とぎゅっと抱きしめられた。
「ま、毎日はさすがに・・・」
ま、待て!話せばわかる!!頼むからその顔しないでぇぇぇぇぇええええ!!
結果、1週間の内、4回は来ることになりました。
無表情の美形って本当にずるい!!!!