第11話 名無しの権兵衛?
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ブルブルしていた私の口に、お兄さんがクッキーを差し出してきたので、自分の本能に従い口を開いて食べてしまった。あああ・・・なんでこう私って・・・ってうま!!このクッキーうま!!
あまりのクッキーの美味しさに、夢中でサクサクとお兄さんに次々に差し出されるクッキーを食べる。・・・おっ。こっちはチョコチップクッキーだ!
頬が緩み、にへにへする私を見てお兄さんはお茶を進めてくれた。お茶もこれまたうまい。ほっと一息をついた。
「お前は・・・」
「?はい?」
「お前はあの木に何を願った?」
願い?首をひねる私にお兄さんは頷くと、私の頬についていたらしいクッキーをとってくれた。
「あの木は願った者が行きたいと思う所に飛ばす」
そんなこと言われても・・・。私願い事なんか言ってないし・・・。困惑する私を見て、「なら直前に思っていたことはなんだ?」と聞いてきた。
!もしかして・・・。
「逃げたいと思ったかったから・・・?」
攻略キャラがいないところに逃げたいっていう私の願いを、この木は叶えてくれたってこと?だから正反対の国に飛ばしたの?じゃあここは攻略キャラがいない国、「もごっ!」
い き な り 突 っ 込 ま れ た!!
お、お兄さん、意外と乱暴ね・・・。お兄さんに突っ込まれたクッキーをもさぼる。うーん・・・紅茶もいいけど、クッキーには牛乳飲みたくなるなぁ。
「そういえば俺が誰かだったか」
それが名を差すものであれば、俺にはない。故にその問いには答えられない。とお兄さんは当たり前のことのように、さらっと言った。ってうん?名前がない・・・?
「じゃあ普段はなんて呼ばれてるんですか?」
「・・・大将」
「た・・・」
大将!?その顔で?なんでよりによって大将なのかすごく気になるんですが!!
「俺のことは好きに呼ぶといい」
「えー・・・好きに呼べって言ったって・・・」
まさかポチとかタマはダメでしょ?唸る私に追い討ちをかけるように、「お前が呼んだ名をこれから名乗るとするか」とまるで今日のご飯はカレーよ!的なノリの軽さでいいなすった!!
あ―――――――!!もう!!
「右と左どっちがいい!?」
「?では左にしよう」
「左ね!!」
いきなりの私のどっちがいい発言に、 きょとんとしていたお兄さんだけど、何も聞かず選択してくれた。
ふむふむ・・・では発表します!!